~いで湯の里から登る森深き山~ |
北関東の温泉地でぜひ訪れたいのが塩原温泉だ。近辺に半日・1日行程の山もあって温泉一泊で山登りを楽しむことが出来る。 夏から秋に季節の移ろう9月、新湯(あらゆ)富士と日留賀岳(ひるがたけ)に登ることにした。
塩原温泉の北方にそびえる日留賀岳は、男鹿山塊の中では数少ない登山道(夏道)の整備された山である。しかしながらその山懐は深く、麓からの往復で8時間近くかかる。電車・バス利用での日帰り登山は不可能で、必然的に麓に前泊して、さらに翌日早朝発の行程となる。 山自体は地味な存在で、この山を登山対象とするかどうかによって、その人の山の嗜好性がはっきり分かれるような気がする。 一方、奥塩原温泉の裏山のような存在の新湯富士は、塩原自然研究路として登山道が整備されている。登山道と言うよりも遊歩道といったほうが近い。 1日目は天気も悪そうなので無理はせず、現地に着いたとき降ってなければ新湯富士に登ろうと考えた。
東北本線・西那須野駅からバスで、朝の塩原温泉に着く。 夕方から雨の予報だったが、すでにポツポツと降り始めている。こちら側から新湯富士に登るのはあきらめ、さらにバスを乗り継いで、下山予定の奥塩原温泉(新湯)に先に行く。 硫黄臭の立ち込める新湯には、旅館やみやげ物屋の他に小さな共同浴場がいくつかある。ここに入ることも今回の楽しみのひとつなのだが、来て早々、朝っぱらから入るのも気が進まない。 幸い新湯付近は雨が降っていないので、こちら側から新湯富士に登って、汗を流すことにした。 |