~いで湯の里から登る森深き山~
タイトル
あらゆふじ(1184m)
2005年9月11日(日) 曇りのち雨

9:40奥塩原温泉-9:50登山口-10:25新湯富士10:35-11:10大沼園地入口-[ヨシ沼コース]-11:50奥塩原温泉14:50-[JRバス]-15:20逆杉(御宿明神 泊)
歩行時間:2時間

マップ
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噴気孔を見下ろす
噴気孔を見下ろす

●広葉樹に包まれた丸い新湯富士
温泉神社のある新湯登山口から山道に入る。最初からうっそうとした樹林帯。
一度眺めが開け、すぐ下に温泉の噴気孔が見える。案内板によると、噴気孔の近くに建っている小さな小屋は湯の花を採取する所で、ここで取れた湯の花は入浴剤などに使われるそうだ。

新湯富士までは、急な場所もほとんどない、歩きよい広葉樹豊かな道が続く。新緑や紅葉の時期もよさそうだ。

トチノキ
トチノキ

指導標の中には単に「富士山」と書かれているものもある。「上州三峰山」、「甲斐駒ケ岳」など、地名が冠になっている山名は、現地では単に「三峰山」「駒ケ岳」と地名部分を付けずに呼ぶことが多い。ここ新湯富士も同様であろう。この付近で富士山と言えば、この標高1100mの山を指すというのは何だか楽しい。

途中で大きなトチノキを見る。トチノキは栃木県の県木だそうで、それがそのまま県名になった。言われてもっともだと思うが、意外と気がつきにくい。

少し傾斜のきつい、ロープの張られた登りとなる。登山口から50分ほどで新湯富士山頂に着く。広葉樹、針葉樹が入り混じって展望はない。

少し風が出てきた。天気が悪化するかもしれない。しかし往復はつまらないので、このまま反対側に下る。
40分ほどで車道を横切り、大沼園地の入口に着く。少し木道を進み、振り返って新湯富士のこんもりとした姿を写真に収める。春から初夏には湿原の花が楽しめそうな場所だが、今はアケボノソウなどわずかな花が咲くのみ。
新湯富士頂上
新湯富士頂上
アケボノソウ
アケボノソウ
大沼から新湯富士
大沼から新湯富士

来た道を戻る。雨が降り始めた。帰路は新湯富士を巻いて平坦道を行くので、雨具はつけず傘をさす。
ヨシ沼のほとりを過ぎ、じきに温泉神社の新湯登山口に戻ってくる。2時間ほどの散歩気分の道だった。雨足はやや強くなる。

共同浴場「寺の湯」に入る。入口は1つで湯船は2つ、混浴である。白濁の硫黄泉でとても気持ちよく、十分長湯する。外は雨がますます強くなってきているようだ。

向かい側にあるみやげ物屋兼食堂で、天丼を注文する。こんなすぐ近くに硫黄の噴気孔があって、ここの家は自宅にも温泉を引いているのかと思ったら、とんでもないと言う。家に温泉があったら、硫黄成分の影響でテレビなどは5年くらいでだめになってしまうそうだ。冷蔵庫の寿命も短いと言う。

路地の階段を下りて、もうひとつの浴場、「むじなの湯」に入る。共同浴場は戸口にある料金箱に300円を入れることになっている。
ガードマン風の人が少し離れたところで、客がちゃんとお金を入れたか見ているようだ。しかしこの人は私が300円入れたのを見落としたようで、「お客さん、お金入れてください」と言って来る。入れましたと答えても、しばらくしてまたお金を入れろと言う。どうせ見張るなら、見落としのないようにもっと近くでしっかりと番をしてほしい。
腹立たしいがそこはおさえて温泉に入る。しかしここは熱過ぎる。45度は軽く超えて、もしかしたら50度近くあるかもしれない。3分くらいで出てしまった。

雨の降り続ける中、バスで中塩原温泉まで戻る。温泉街とは離れたところにある「御宿明神」に今日は泊まる。日留賀岳の登山口に近く、料金も安い。そして何と言ってもきれいで清潔な宿だ。
今夜の客は自分一人。遠くで塩原温泉祭りの太鼓の音が聞こえる中、明日の好天を祈って床につく。


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