山の写真集 > 北関東(群馬) > 冬の赤城・黒檜山
  • -見事な全山霧氷-
  • 赤城神社-黒檜山-駒ヶ岳-赤城神社
  • 上州
  • 群馬県
  • 黒檜山(1828m), 駒ヶ岳(1685m)
  • 2018年1月20日(土)
  • 4.4km
  • 3時間30分
  • 479m(赤城神社-黒檜山)
  • -
  • 富士見温泉
  • マイカー
天気1

 

↓マウスドラッグ可能↓

全体地図へ Googleマップ
2018年1月20日(土)
練馬IC 4:55
  関越自動車道
赤城IC 6:35
  国道353号
県道4号
7:25 赤城神社駐車場 7:40
7:50   黒檜山登山口 8:00
8:30   猫岩
9:30 黒檜山
9:35 展望地 10:10
10:40   駒ヶ岳鞍部
10:55 駒ヶ岳 11:20
12:05 駒ヶ岳登山口
12:20 赤城神社 12:30
  県道4号
富士見温泉立寄り
国道17号
16:00 前橋IC
  関越自動車道
17:35 練馬IC

 

冬の赤城山は2011年以来で、1月下旬と時期も同じである。しかし積雪量は今年の方がずっと少ないようだ。
天気はまあ良さそうなので、今シーズンの雪山行の手始めとして登る。


黒檜山山頂部は、霧氷に覆われ純白の頂となっていた

赤城神社にかかる赤い橋。背景は長七郎山

赤城神社から

黒檜山登山口からすぐに急登が始まる

登山口から急登

登路から、全面氷結の大沼を見下ろす。バックは地蔵岳

白い大沼

樹林の先に黒檜山が覗く

霧氷のエリアへ

霧氷に覆われた黒檜山が近づく

真っ白な山

霧氷をくぐっていく登山道

霧氷の尾根道

黒檜山山頂

黒檜山山頂

霧氷のうち、水蒸気が一気に昇華して不透明な霜状態になったものを「樹霜」と言う。霧氷の中でも最も気温の低い氷点下10℃以下の風の弱いときにできやすい

樹霜

黒檜山山頂から2分ほどのところにある展望地から、雲海に浮かぶ上越国境の山を望む

展望地から


夜明け前、東京は少し雨が降っていた。関越道が群馬県に入り空が白み始めると、空一面にどんよりした低層雲が垂れ込めている。
そして、目の前に大きく見えてくるはずの赤城連山が影も形もなかった。今日出かけたのは失敗だったか。

赤城ICから県道で高度を上げていくとようやく、上半分が雲に隠れた鍋割山が見えてきた。赤城山の広域道路に入りどんどん高度を上げていくと雪が現れ始める。朝早いせいか一部凍結しているが、冬タイヤなのでさほど心配はない。
このまま今日は曇りの一日かと思ったが、上の方から青空が見えてきた。どうやらこの一帯は雲海になっているようである。

大沼を左回りに半周し、赤城神社に車を停めさせてもらう。ただこの駐車場は参拝客用で、釣りや登山の人はこの先にも駐車スペースがあるようなので、そちらに停めたほうよかったかもしれない。車も人も少ないのここに停めたまま出発する。

大沼は全面氷結している。ワカサギ釣り客がちらほらやってきていた。車道を10分弱歩いて黒檜山登山口に着く。最初から雪道なのでアイゼンの準備をする。
軽アイゼンは久しぶりだったので、つけ方を忘れていて予想外の時間を食ってしまった。しかしうまく装着できず、急な登りに入った後に2回外れて付け直す。
猫岩の前後で背後が開け、白い大沼とその湖面にワカサギ釣りの多くの人とテントが見下ろせた。前回はガスで全く見えなかったが、なかなかいい眺めである。アンテナの立つ地蔵岳も真正面によく見える。

道は緩やかな痩せ尾根になり、少しずつ高度を上げていく。前方の登山者から歓声が上がる。周囲の樹林が白い衣をまとい始めた。霧氷である。登るにつれ白さはみるみる増し、まるで雪の中を歩いているようになった。これは壮観である。
おそらく夜のうちは深い霧に包まれていたのだろう。霧氷にはその氷結の様子から樹霜、樹氷、粗氷などに分類されるがこれは雪と見紛うほどの白さなので樹霜と言ったほうがいい。

展望地から、赤城連山の稜線を望む

足元は霧氷

展望地から、双耳峰が特徴的な尾瀬の燧ヶ岳を望む

燧ヶ岳

展望地は平坦で腰を下ろせる場所も多い

休憩適地

「筑波山方面が望める展望台」から。一面の雲海だった

一面の雲海

駒ヶ岳手前の鞍部付近から

駒ヶ岳へ

駒ヶ岳山頂

駒ヶ岳

駒ヶ岳付近の稜線から、振り返り見る黒檜山は霧氷が解け始めていた

振り返り黒檜山

稜線から小沼方面の眺め

小沼方面

駒ヶ岳登山口へ下山

車道脇へ下山


黒檜山の山頂部が見えてきた。純白の頂であり、まるで「かき氷」である。こんなのは初めて見た。赤城連山には上越国境の山のような森林限界のエリアはない代わりに樹林が見事な芸術を形作っている。
青空と白い山のコントラストを楽しみながら登るうち、北側の樹林の切れ間から上越国境の雪山が見えた。

ほどなく頂稜部の分岐に着く。左に入り、少しで黒檜山山頂に到着。見事な樹霜を見ながら、平坦な雪道をさらに2分ほど進むと、尾根の肩の展望地に出る。若干樹林がじゃまするが広い展望台である。
奥日光、尾瀬の燧ヶ岳、谷川岳から仙ノ倉・平標山に続く谷川連峰、平頂の苗場山、佐武流山から奥志賀の岩菅山まで、どれもが真っ白である。
そして眼下は一面の雲海になっていた。朝方車から見上げていたのはこの雲海である。

やがて上空にも雲が増えてきた。このところ、ピーカンの山行がずっと続いていたが今日途切れることとなった。

登山者もずいぶん上がってきたので駒ヶ岳に向けて歩くことにする。
黒檜山山頂を再び踏み、分岐を今度は直進。鳥居のある展望地を過ぎて、その先にある「筑波山の見える展望地」にも寄ってみる。
雲海が上がってきて四囲の眺めが狭くなった。今日は天気の変化が早い。駒ヶ岳手前の鞍部まで下ると、駒ヶ岳も振り返ってみる黒檜山も、山頂部が雲に覆われていた。駒ヶ岳方向から登ってくる登山者も多い。

所々で眺めが開け、小沼が見えてくる。地蔵岳と長七郎山に挟まれた小沼は、手前の大沼より一段高いところに湖面があり、ちょっと不思議な光景である。
駒ヶ岳への登り返しに入ると天候は再び持ち直してきて、黒檜山が雲間から姿を現した。着いた駒ヶ岳も日のさんさんと降り注ぐ、暑いくらいの山頂だった。風もなく快適な雪山である。

駒ヶ岳を辞し、再び雪の尾根道を行く。黒檜山は再び全貌を現していた。しかしお昼になってしまうとさすがにかき氷も大方が溶けてしまい、灰色の山に戻りつつある。
木の階段と手すりが現れ、展望の尾根道と別れて樹林帯の下りとなる。始めのうちは日の差さない場所がガチガチに凍っていて、アイゼンをしていながらも慎重を期すところがある。
しかし高度を落とすにつれ雪も氷も減っていき、今度はアイゼンを外すタイミングを探りながらの下りとなる。 車道が見え、駒ヶ岳登山口に着く頃には雪もほとんどなくなった。

大沼を見ながら舗装された道を戻る。湖面は所々で黒ずんでおり、場所によっては氷の下が見えるくらいに溶けていた。氷上にはまだ100人以上の人がワカサギ釣りを楽しんでいて、湖面を歩いている人もいる。おそらく氷が厚い所を選んで歩いたり、テントを張っているのだろうが、万が一にも割れたりしないだろうか、はたから見ていてちょっと気味が悪くもある。

赤城神社に戻る。2度目の冬の赤城は、全山霧氷という素晴らしい景観の山だった。富士見温泉で温まってから帰途につく。