2017年2月25日(土) |
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赤城IC |
13:05 |
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国道353号 県道4号 |
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姫百合駐車場 |
13:40 |
14:15 |
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荒山高原 |
14:25 |
14:45 |
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竃山 |
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15:03 |
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鍋割山 |
15:20 |
16:00 |
荒山高原 |
◇ |
16:25 |
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姫百合駐車場 |
16:30 |
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県道4号 富士見温泉立寄り 国道17号 |
19:05 |
前橋IC |
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関越自動車道 |
20:40 |
練馬IC |
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武尊山登山を諦め、他の山に変更する。もう正午を過ぎており、今から行けるところは限られている。用意してあった代案の蓼科山、黒斑山はもう無理である。
ゲレンデから正面に見えていた赤城連山の荒山なら、登山口の姫百合駐車場まで1時間あまりなので、日のあるうちに山頂往復できそうだ。
鍋割山へ向かう稜線から、鈴ヶ岳の後ろに武尊山を望む
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関越に乗り、赤城ICで下りて赤城山への車道に入る。高度が900メートル、1000メートルと上がっていっても道路は完全に除雪されていた。見渡す限り真っ白だった川場村に比べて雪の量自体もずいぶん違う。
姫百合駐車場に到着。時間も時間なので、登山者が相次いで下山してきた。てきぱきと支度をして出発する。寒くはないのでそれほどの重装備は必要なさそうだ。
樹林帯を緩やかに登り、まずは荒山高原を目指す。積雪は10~20センチ前後で土が見えているところも多い。2回ほど支尾根を乗っ越し、ガリガリに凍結した登山道を登っていくと視界が開け、あっけなく荒山高原に着いた。午後の日はそろそろ、頭上の位置から外れはじめてきてはいるが、空はまだ青く澄み渡っている。
赤城連山は通常なら、上越国境の雪雲の影響をほぼ受けず、冬でも比較的穏やかな気候である。ところが時々、この山域も大雪に見舞われることがある。つい先日も沼田市周辺で大雪となり、前橋市まで積雪を記録した。これはどうも、風向きに大きな原因がありそうだ。日本海からの季節風が北西からだと、上越国境の山(気象分野では「三国山脈」)が風の湿った部分をブロックし、上越の山に集中的に雪を降らせ、それより南には乾いた、いわゆる上州からっ風が吹く。
一方、北風の場合は、上越国境が完全にブロックできずに、群馬県にも雪雲が流れ込んでくる。2月12日前後の群馬県中央部の大雪の際は、そのような傾向があった。同じ冬型の気圧配置でも、風が西寄りか、北成分が多く入っているかでこのあたりの天気傾向が大きく変わってくる。
荒山高原からは左に荒山、右に鍋割山への登山コースがある。まだ時間に余裕はある。どちらも1時間半ほどで往復できそうなので、展望の良い鍋割山に行くことにした。
ここからはアイゼンをつけていく。急坂を登り南に面した登山道に出ると雪は少なくなり、土の上を歩くところも。尾根に上がると左右の眺めが広がり、上越国境の山がパノラマで望めた。
鈴ヶ岳の後ろには、さっきまでいた武尊山が見えた。雲は跡形も無くなってピーカンである。頂上や剣ヶ峰も青空の下はっきり見える。午後になって急速に天気が良くなったようだ。悔しいしかないが、長年山に登っていればこんなことはよくある。今の時間にあの山頂にいても、帰りのリフトの営業時間に間に合わないかもしれない。と自分に言い聞かせて進む。
荒山から鍋割山にかけては、展望の良いヤセ尾根や防火帯状の気持ち良い道が続く。岩場など難しいところもないので、ちょっとした雪山歩きに向いているだろう。
それに特筆すべきは、この積雪量にしては大きく発達している雪庇である。雪は多くないが、北風がダイレクトに稜線に吹きつけるのだろう。地面が見えないほどの積雪量だったら踏み抜きに注意が必要かもしれない。
竃山を越えると若干の下りを経て、鍋割山への最後の登り返しとなる。午後3時を過ぎて、人影もまばらになった。鍋割山山頂まであと一息のところで最後の登山者とすれ違う。平坦なヤセ尾根を進むと案内板のある鍋割山山頂に着く。南から西側にかけて大きく開け、関東平野がだだっ広い。武尊スキー場からも見えた浅間山が、ここからは違う角度で望め、傾きかけた日を浴び神々しく輝く。
山頂の積雪は少なめながら、やはりここも雪庇が大きく発達していて、ユニークなオブジェになっている。
来た道を戻る。16時近くなり、日差しと稜線の雪は心なしか赤らんできた。そういえば日が落ちる時間の山を久しく歩いていない。空気が澄んで、上越国境の山が広く望めるところでは何度も足が止まる。尾根通しの荒山や地蔵岳のアンテナもよく見えた。
荒山高原に戻り、眺めに別れを告げ下山する。斜陽を受けたカラマツ林が雪面に影を伸ばしていた。
他に歩いている人はもういない。姫百合駐車場に下ると、車は数台しか残っていなかった。大沼方面から、帰り道の車がどんどん下ってくる。
武尊、赤城と上州の名山を渡り歩き、長い1日ではあったが充実した山行となった。
富士見温泉で真っ赤な夕日を望み、すっかり日も落ちた中、東京への帰途につく。