~越後を代表する利根川水源の山~ 2008年10月12日(日)~14日(火) |
ジャコの峰で再度中ノ岳の雄姿を拝み、さらにブナの黄葉がきれいな登りをこなすと一転、正面がパッと開ける。森林限界に出たようだ。 上部に丹後山の広大な笹原の斜面が横たわっている。六合目・1480mの標識のあるあたりからは、いっぺんに高山の雰囲気となった。 ダケカンバやミネカエデなどの低潅木のトンネルをくぐる。見事に赤、黄色に色づいたトンネルだ。やがて樹林はなくなり笹原の登りとなる。 ちょっとした岩の突端がシシ岩で、ここも素晴らしい展望。登ってきた尾根の先に六日町方面の町並みがよく見える。そして足元は見事なまでの紅葉の山肌である。
天にも昇るような気分で笹原の道を登っていくと、9合目の表示。直進方向は巻機山へ向かう道で近くに水場もあるというが、直角に折れてさらに高みを目指す。すぐに丹後山避難小屋が現れた。 今日はここに泊ることとする。朝早く登り始めていれば、このまま中ノ岳を目指すプランも考えられた。初日にここ丹後山までとし、中ノ岳までの標高差200mは翌日に持ち越すことにする。今回は2日目の天気がよさそうなため、初日は短い行程で正解だろう。 避難小屋から100mほど緩く登ると丹後山頂上(1808m)である。あたり一面の笹の原、その向こうの稜線上に兎岳から中ノ岳が大きい。 中ノ岳の隣りの八海山は標高1700m台と丹後山より低いのに、目の錯覚だろうか、ここよりずっと高く見える。 反対側を向くと、越後沢山へ続く稜線や巻機山、谷川連峰、武尊と越後・上越の山々のパノラマ展望。新潟県中越地方のど真ん中にどっかりと鎮座している山だけに、このくらいの眺めは当然とはいえ素晴らしい。 また尾瀬の燧ヶ岳、日光白根山、平ヶ岳、荒沢岳もはっきりしている。遠くには会津の山々も長い壁を形作っている。丹後山からの眺望は時のたつのを忘れてしまいそうな、見事なものである。 小屋に泊る人は全部で6人。前日は雨にもかかわらず30人と混雑したようで、天気のよくなった今日のほうが少ないというのは不思議だ。おそらく、小屋閉めが昨日だったことを知っていた人が多く登ったのだろう。 小屋では皆が地図を広げ、周囲の山について語った。巻機山の沢コースの情報、以前雪の未丈ヶ岳に登ったと話す人、また大水上山から荒沢岳への道を歩いた人の話など、一つ一つの山について、話題が尽きない。 越後の山の魅力にとりつかれた人たちの、ここはたまり場のようなものだろう。 外に出てみると相当な寒さだ。風が渡り、静寂の地に笹の揺れる音が妙に耳に残る。山の上は放つ色合いこそ秋のそれだが、大気はもう冬である。 しかし、昼間に見たときよりもさらに広大な眺めが広がっていた。谷川連峰の右遠くに妙高・火打のシルエットが浮かんでいる。日光白根山は夕日を浴び、赤白く光っている。 |