2009年8月15日(土)~16日(日) 天神峠-谷川岳-一ノ倉岳-茂倉岳-土樽 |
この土日は久しぶりに「晴れ・晴れ」の予報で、この夏一番の登山日和になりそうだ。 友人と谷川岳に行く予定である。日帰りではもちろんもったいない。山頂の小屋に一泊してじっくり歩く計画を立てた。
お盆の時期で相当な混雑が予想される。また、特に前後に休暇を取っていないため、山登りの行程はきつくないとしてもアプローチに体力を消耗することは極力避けたい。 そういうわけで、高速の渋滞が予想される車の利用はやめ、電車・バスとする。また、今回は新幹線を使うのだが、確実に座っていける指定席を予約しておく。 さらに、乗車券はツーデーパスを利用すれば若干安くなる。これで完璧である。
6時半の東京駅、朝から行楽客の熱気でムンムンしている。 空を見上げると、予報とはうらはらに雲が厚い。しかし大宮、高崎を過ぎトンネルを抜ける頃には青空が広がってきた。 上毛高原駅でバスに乗り換える。車窓からは谷川岳の2つの耳がくっきりと、青空に映えている。水上駅で乗り継いだバスはすでに満員。立ち乗車で谷川岳ロープウェイ駅に着く。 ロープウェイも混むと思ったが、意外にも待ち行列は出来ていなかった。こんなことは初めてだったが、意外と盛夏の時期はこんなものかもしれない。ここが一番の混雑になるのはやはり紅葉シーズンなのであろう。 天神平からさらにリフトに乗り、天神峠に上がる。ここへは8年前、谷川岳に最初に登ったとき以来だ。眺めがよく、夏空が眩しい。 谷川岳の姿はというと、すでに2つの耳の間に大きな高い雲が立っている。やはりこの山の天気は予測がつかない。群馬県、新潟県いずれの天気予報も晴れなのだが、そうはどっこい問屋が卸さないのがここ谷川岳の天気である。 天神峠から、低い潅木の中を下る。意外と岩っぽい道でかなり高度を下げてしまう。天神平からの道と合流した後はいつもどおりの、穏やかな道になる。 盛夏の時期とはいえブナ林の緑はまだ瑞々しい。暑くても、爽やかで気持ちのよい山登りが今日明日とできそうだ。 木道を辿って熊沢穴避難小屋へ。ここから樹林帯を脱し、低潅木の岩尾根が始まる。 連れの友人は初めての谷川岳だ。初日はオーソドックスな天神尾根、肩の小屋に泊まって翌日はちょっと頑張り茂倉岳から茂倉新道を下るコースを予定している。
鎖場を登り高度をどんどん上げていくうち、いつのまにか周囲をガスに取り巻かれてしまった。 しかし頭上には明るい部分があちこち動いている。ガスが薄い証拠だ。山頂に近づけば晴れるだろうと期待する。 登ってきた方向を見ると、歩き出し地点だった天神峠がまだ高い。遠景に赤城、上州武尊のシルエットがかろうじて拝める。 ハクサンボウフウ、シシウド、リンドウ、アキノキリンソウ、トリカブトなど見られる花はすでに、晩夏から初秋の顔ぶれになっている。 潅木が一面の笹の斜面になる頃に、青空が再び覗き始める。しかもそれはどこまでも澄み切った青。秋の空の色だった。 天神ザンゲ岩で一休みし、すぐ先に見える頂上を目指す。8月中旬、頂上直下の雪田は完全に消えていた。 肩の小屋の前を過ぎ、その足で谷川岳トマの耳(1963m)頂上に登る。 ダイナミックに流れるガスの塊の間から、東面の谷底奥深く、マチガ沢が覗く。まだ残っている雪渓は、おそらく溶けることはないのだろう。 友人に馬蹄型の稜線を見てもらいたかったが、トマの耳からだとオキの耳が邪魔になって見えづらい。 |