山の写真集 > 谷川岳・越後・信越 > 新保岳
  • -ブナ林に見る生命の息吹-
  • 塩野中間登山口-見晴台-新保岳
  • 越後
  • 新潟県
  • 新保岳(852m)
  • 2015年5月4日(祝)
  • 2.7km
  • 2時間
  • 360m(中間登山口-新保岳)
  • 米弥旅館(前日泊)
  • -
  • マイカー
天気1

 

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全体地図 Googleマップ
2015年5月4日(月・祝)
村上市 5:10
  国道7号
林道新保岳線
5:50 塩野中間登山口 5:58
6:33   見晴台
7:00 新保岳 7:30
8:03 見晴台 8:05
8:30 中間登山口 8:45
  国道7号
道の駅朝日立寄り
朝日まほろばIC 10:25
  日本海東北道
北陸自動車道
関越自動車道
練馬IC 15:20

 


新潟の山を登り始めて以来、新保(しんぽ)岳は課題の山だった。下越の山と言っても北の端っこであり、ほとんど山形県である。東京からあまりにも遠い。
今回、前日に関川村の山に登り村上市に泊まった地の利を生かし、ついに登ることにした。心配していた天気は、少なくとも午前中は大丈夫そう。2日間登りがいのある山だったので、今日は最短行程で行く。

前々日の大力山~笠倉山へ 前日の光兎山へ


ブナの雌花。その後ろに雄花が垂れ下がっている

国道7号・塩野町にある林道新保岳線への入口

林道入口

登山口駐車場はすでに標高500m近い

登山口駐車場

駐車場のすぐ先に中間登山口がある

中間登山口

登り始めの急坂は、ブナとマツとの混成林

マツとの混成林

新緑のブナ林へ

新緑に染まる

見晴台からは、新保岳と尾根続きの葡萄山塊が見える。左が葡萄山

見晴台より

大きく幹を伸ばしたブナ

千手ブナ

麓の小学校の生徒による植樹の森がある

植樹の森


国道7号を走り、塩野小学校の先で林道新保岳線に入る。農地を過ぎると登りになり、どんどん高度を上げていく。
この林道は新保岳の下を巻いて日本海まで通す計画があり、現在は新保岳登山口の先から工事が入っているようだ。
眺めのよい中を走り新保岳中間登山口に着く。従来からあったという下のほうの登山口は、ここまでまったく気づかなかった。

すぐ尾根に上がり、最初から急登である。ブナの山で知られているが、このあたりはヒメゴヨウマツが混ざった雑木林だ。尾根は痩せ、ロープがかかっているところもあり、意外にも飯豊連峰の登り始めに似ている。
急登がおさまってくるとブナが多くなり、体が染まってしまいそうな新緑の道が続く。やがて右手が開けたところが見晴台、または第一展望台といわれているところだろう。新保岳から伸びる山稜が見下ろせた。この山稜は葡萄(ぶどう)山塊と呼ばれており、麓から見上げると柔らかな曲線を描き優しい印象を受けるのだが、登山道があるのはこの新保岳だけと言うことである。

小さなアップダウンがあり、ちょっとした鞍部に下りる。「塩野町小学校植樹の森」と書かれた木のプレートがあって、一角に幼植樹が植えられていた。鬱蒼としたブナの森は再び急坂となった。
上から1人の登山者。この急なところでなんと缶ビール片手に下ってきた。ひょっとして達人か。「下から登ってきた。途中に登山口があるなんて知らなかった」、と状況をしっかり説明したため、実はシラフで持っていたのはノンアルだったかもしれない。

一等三角点のある新保岳山頂

一等三角点

山頂からは日本海側が開けている

霞んではいるが

ブナの雄花

雄花も鈴なりに

ユキグニミツバツツジ。新緑が進み、花はあまり多くなかった

ユキグニミツバツツジ

登山口付近の林道は眺めがよく、鷲ヶ巣山などが望めた

林道からの眺めいい


ここを上がりきったら第二展望台か、と思っていたら、そこは新保岳の山頂だった。どうも第二展望台は気づかず通り過ぎたようだ。
山頂は樹林に囲まれていて、わずかに日本海が見える程度だ。木の葉が落ちた季節なら朝日連峰などが望めるかもしれない。
この山はもっとブナ林を楽しめるかと思っていたが、あっけなく登頂できてしまったせいか、じっくりブナを見れた感じがしない。ゆっくり休憩した後、ブナを観察がてら下ることにした。

来た道を戻るのだが、今登ってきた道のすぐ横から、日本海側に下るコースが下りていて標識もないため、注意してないとそっちに行ってしまいそうだ。
下りでは、ブナの雄花とともに、雌花も見ることができた。雌雄同体のブナは、自家受粉を避けるために雄花と雌花の出る時期が少しずれると聞いていたが、こうして見ると同時に出ているものも多い。ただ、雄花は葉の下に垂れ下がり、雌花は葉に乗っかるように上を向いているので、少なくともこの枝の中での自家受粉は避けられている。
南関東・甲信の山のブナは高木のため、雌花を見るチャンスはなかなかない。冬の季節風により木々が矮小化される日本海側の山でこそ、生命の息吹を間近に見ることができる。

中間登山口に下り立ち、今回の新潟の山は終わりとなる。見上げると、新緑の新保岳が青空に映えてきれいである。駐車場にはもう一台車がやってきたのみで、GWでもあまり賑わうような山ではなさそうだ。紅葉もまたすばらしいそうで、むしろ秋によく登られるのかもしれない。

道の駅朝日でお土産を買い、長い長い帰途に着く。ドライブインは芋を洗うような混雑ぶりだったが、時間が早かったのが幸いし、高速の上ではひどい渋滞は避けられた。

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