2019年11月5日(火) |
◇ |
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新宿駅 |
11:20 |
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京王線 |
12:07 |
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高尾山口駅 |
12:10 |
12:30 |
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ろくざん亭登山口 |
◇ |
13:10 |
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金比羅台 |
◇ |
13:30 |
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ケーブル山頂駅 |
13:35 |
13:55 |
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不動堂 |
◇ |
14:05 |
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高尾山 |
14:25 |
14:50 |
4号路 |
◇ |
15:05 |
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1号路 |
◇ |
15:50 |
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高尾山口駅 |
16:03 |
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京王線 |
16:51 |
新宿駅 |
◇ |
午後時間が空き、天気も良いので高尾山に出かけることにする。先月の台風19号は高尾山にも大きな爪痕を残し、日影沢林道が通行止め、沢沿いの6号路は崩落で未だ復旧の目処が立たない。
利用客の一番多い、舗装道の1号路さえも一部通行不能となる、最近ではちょっと考えられない事態となった。
平日の高尾山は、外人さんばかり
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登りやすい高尾山でも南北斜面は急峻で谷地形が多く、荒天には意外と弱いところがあるのかもしれない。しかしそういう地形だからこそ標高に違わず山深さもあり、自然が長く維持されてきた理由とも言えるだろう。
ろくざん亭登山口から入る。登山道には未だに葉や枝が散乱しているが、尾根筋はさほどダメージはなさそうて、倒木も少ない。ただ木の葉っぱは流石に随分と落ちてしまったようで、いつもよりは頭上が明るい気がする。ウラジロガシやケヤキの大木も健在である。
金比羅台に上がると、この時間にしてはくっきりとした広い眺望が得られた。
舗装された道を登る。1号路に合流すると、下ってくる人がたくさん。もう少し早く来ていればすっきり快晴の下、山頂の展望台で富士山が見られたかもしれない。ただし山頂は激混みだったろう。
左手の急斜面が大きくえぐられていて、補修作業のための重機が下の方に見えた。もちろん台風の影響だろう。登山道には今現在、歩きにくいところはない。しかし木の枝はまだ少し散乱しているし、折れた木もある。
リフト乗り場からはさらに人が増えた中、ケーブル山頂駅に着く。ちびっこハイカーが50名ほど。相変わらず賑やかだが、時間も遅いので歩くのに困るほどの混みようはない。
展望台下にあるブナとイヌブナの老木は今年の春先に、展望台に入り込んでいた枝や幹の部分がことごとく切られてしまった。しかし今日確認したところ、その切られた幹の切断面からから細い枝が何本も伸び、葉をたくさんつけていた。木は老いても、その生命力は旺盛である。しかしこの枝も、成長して展望台の手すりをはみ出して来たら、いずれ切られることになるのだろう。
イヌブナのほうはもう冬芽が大きく膨らんでいた。
薬王院の門をくぐり、不動堂の上りの階段に差し掛かるところにあるブナの大木が地蔵ブナと呼ばれる。根元にお地蔵様が安置されているからだが、これが上部15mくらいのところで無残に折れており、先の部分が下の斜面に横たわっていた。強風によるものだろう。
樹齢おそらく200~300年だと思うが、今年の暴力的な異常気象には太刀打ちできなかったようだ。
今日は久しぶりに山頂に寄っていこう。高尾山山頂は広く、平日で2時を過ぎていても多くの人がいる。富士山は雲の向こう側になってしまったが青空の下、丹沢、道志の山々が広く見渡せた。
山頂西の展望台の傍らに、カシワの木が1本立っている。周りはコンクリートの地面だけに少し変な感じがする。
カシワは、葉が柏餅の包み葉として知られているが、木そのものはそれほどポピュラーなものではない。もともと海に近い林でよく生育するようで、関東近辺の低山を歩いていても、意外と見る機会は少ない。
誰もこの1本木に注目していないが、こんなところに立っているのは何かいわれがあるのかもしれない。こどもの日に山頂の売店で、このカシワの木の葉で包んだ柏餅でも売れば面白いと思う。
美人ブナを見に、いろはの森方面に下りていく。美人ブナは折れることもなく無事だったが、葉のついた小枝が周囲のたくさん落ちていた。
その先、いろはの森は通行止めのロープがかかっていた。下山地の日影沢林道が台風の影響で通れないためとのこと。たしかにこのルートを歩いてバス通りに出るまでの間、日影沢林道を通るのだが、大した距離ではない。その短い部分で崩落があったのだろうか。
4号路を歩いて下山することにした。途中の吊り橋付近は多種多様の樹木が茂っていて、実はちょっとしたツリーウォッチングポイントである。
カラスザンショウ、チドリノキ、フサザクラ、ミズキ、ウリノキなどが下の沢から生え、橋の上まで枝を伸ばしてきている。樹冠が見られるので貴重な場所だ。4号路は補修作業が済んで、歩きにくいところはなかった。
1号路を越えて、そのまま病院前までの急坂を下る。高尾病院手前の細道が大きくえぐり取られ、迂回路ができていた。今日歩いたコース上で、崩落のため迂回をしたのはここのほんの数メートルの部分のみだった。補修作業にあたった方々に感謝したい。
もっとも、高尾山が登山できない期間が長引けば、地域の経済に大きな打撃を与えそうだし、そんな事情も含め他のどの山域よりも先に回復作業が進んでいったのだろう。他の山域や山麓もすみやかな復旧が待たれる。