~草紅葉に彩られた北アの高峰~

西鎌尾根から槍ヶ岳・2000.9.28~30

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●天狗原の逆さ槍を見て上高地へ下山 (ヒュッテ大槍~天狗原~槍沢~横尾~上高地)

槍ヶ岳本谷の草紅葉
槍ヶ岳本谷の草紅葉

天気予報では午後から雨とのこと、しかし3日目の朝は、今までで一番の抜けるような秋空であった。

燕岳方面から上る朝日にまず槍が、続いて穂高連峰が赤く染め上げられて行く。槍ヶ岳本谷にも光が差し込み草紅葉が輝く。

ヒュッテを後にし、本谷に向かって急なガレを下りて行く。沢が現れ高巻きの道となり、天狗原(てんぐっぱら)の分岐に着く。このあたりは明るく思いっきり展望が開けている。
紅葉は全体的にまだ少し早かったが、この本谷の斜面は今が見頃だ。

天狗池の逆さ槍
天狗池の逆さ槍

天狗原から天狗池までガレが続き、少し歩きにくいところもある。しかし振り返ればいつも槍の姿が中央にあり、まさに槍ヶ岳を見るための舞台のようでもある。ナナカマドの葉も、赤く色づき始めた。

ダケカンバの樹林帯を経て天狗池に着く。氷河公園と言われるように、氷河が削り取った地形と池だ。
槍の穂先が水面に投影している「逆さ槍」が見事だ。
草紅葉の赤・黄、残雪の白、槍や本谷の灰色、ハイマツの緑、そして青色の空が素晴らしくマッチし、まさに自然が作り出した造形美だ。
三脚を持った人が10人くらいいる。しかしあたり水を打ったように静かで、時間が止まったように思える。

なかなか去り難い場所である。少し長居をしてしまった。

天狗原
天狗原
槍ヶ岳と草紅葉、ナナカマド
槍ヶ岳と草紅葉、ナナカマド
ナナカマドの紅葉
ナナカマドの紅葉

槍沢のほうへ下って行く。本谷のガレを過ぎてしまえば、そこから先はゆるやかな下りや平らな道が延々と続く。
時折後ろを振り返って、槍がまだ見えているか、確認する。いつしか槍は見えなくなっていた。

槍ヶ岳本谷
槍ヶ岳本谷

槍沢コースは、登山者が後から後から登って来る。今日は土曜日、北アルプスでは久々に混雑する週末となるのだろうか。

ババ平のテン場、槍沢ロッジ、一ノ俣と過ぎ梓川の源流に沿うようになる。昨年に続き今年も、驚くほどきれいな水の流れだった。

横尾の手前でパラパラと雨が降り始める。その後は傘をさしたり小脇にかかえたりの繰り返しとなり、いやというほど平地を歩き続けた。今日だけで19km、これは雲取山から奥多摩駅まで、石尾根を歩くのと同じ距離だ。

午後3時に上高地到着。黒山の人だかりである。バス、松本電鉄、あずさ68号と乗り継いで帰る。


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