~草紅葉に彩られた北アの高峰~

西鎌尾根から槍ヶ岳・2000.9.28~30

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(前夜)新宿23:00-(高速バス)-5:30上高地6:30-(バス)-7:00平湯-(バス)-7:35新穂高温泉 マップ
9/28 ガス時々晴れ新穂高温泉7:40~8:50ワサビ平9:00~10:05秩父沢10:10~10:50イタドリが原11:00~12:05鏡平12:40~13:30弓折岳鞍部13:40~15:05双六小屋(泊)
歩行時間 6時間5分
9/29 ガスのち晴れ双六小屋6:30~7:00樅沢岳7:10~(西鎌尾根)~8:10左俣岳8:20~9:20千丈沢乗越~10:25槍岳山荘10:40~11:05槍ヶ岳11:25~11:45槍岳山荘12:50~13:40ヒュッテ大槍(泊)
歩行時間 5時間10分
9/30 晴れのち雨ヒュッテ大槍6:15~7:10天狗原分岐~7:40天狗池8:20~9:50水俣乗越分岐~10:30槍沢10:40~11:50横尾12:20~13:10徳沢13:25~15:00上高地
歩行時間 6時間45分
上高地-(バス)-新島々-(松本電鉄)-松本-(JRあずさ68号)-新宿


●秋色の山肌を眺め双六小屋へ (新穂高温泉~鏡平~双六小屋)

新宿から深夜高速バスで上高地へ。異常に寒い。その後バスを乗り継ぎ、7時40分に新穂高温泉に到着した。

温泉地を過ぎ、しばらくは治山工事のトラックがひっきりなしに通る道を行く。吐く息も白い。8月に雲ノ平に行ったときに、下りにとった道である。
ワサビ平小屋には10名ほどの登山者がいる。時間が早いせいか、皆もの静かで、黙々と(?)休憩している。

鏡平の黄葉
鏡平の黄葉

林道歩きを終え秩父沢の河原歩きとなる。夏に残っていた雪渓はもう無かった。次第に高度を上げて行くと、穂高連峰が早くも目に飛び込んできた。この道は終始展望がいいからとても好きだ。
その頃には太陽も元気良くなり、秋の日差しが暑いくらいに感じてきていた。ナナカマドの実が驚くほど赤い。
涼風がだんだん気持ち良くなってくるほど、高度を上げてきた。大きな石に赤ペンキで「イタドリが原」と大きく書かれている。続いて、鏡平の方向を示すさらに大きな赤ペンキ文字。コースではシシウドが原というところに出るそうだが、この赤ペンキに従って行くと、シシウドが原の標識には出会えない(つまりどこがシシウドが原かわからない)。

周囲の木々の葉が、だんだんと黄色味を帯びてきた。見上げると大ノマ岳付近の斜面はもう、かなりいい色になって来ている。
高度を上げるにつれ、肌寒さが復活して来た。さらにガスが出てきた。さっきまでの好天からは信じられない。
鏡平に着く頃は、あたり一面乳白色。鏡池に投影する槍・穂高などは望むべくもない。

赤みを帯びたカエデのような葉はハクサンフウロだろうか。ダケカンバ、ナナカマドなどの紅・黄葉も見られるが、まだそれほど鮮やかな色ではない。ミヤマリンドウの花がひっそりと咲いていた。

鏡平小屋の前で昼食、インスタント雑煮を食べた。
ここからは急坂が続く。晴天の下を登りたかったが残念。
「弓折の稜線から鏡平の紅葉を見下ろす」の図は来年以降の持ち越しとなった。視界が15mではどうしようもない。


樅沢岳(右)
樅沢岳(右)

弓折岳分岐へ。ひと登りし目の前の稜線に立つと、飛騨側の展望が一気に開ける。
にわかに空が明るくなった。そう、飛騨側は晴れていたのだ。今までのガス一面がうそのようだ。久々の青空に足取りも軽くなる。

初めて見た西斜面は、草紅葉が進んでいた。緑濃いハイマツとのコントラストがきれいだ。

ふと、数十m下を見ると、自分の影が虹の輪の中にあるではないか。これがブロッケン現象?山頂でもない普通の稜線でも見れるらしい。


槍ヶ岳と穂高への稜線
槍ヶ岳と穂高への稜線

少し先の小ピークで、男性が佇んでいる。視線のほうを見ると、ガスの切れ間から槍ヶ岳の穂先、穂高の稜線が姿を現していて、びっくりさせられた。夏の光線の下と違ってなまめかしいほどにリアルである。
それに、8月に見たときは随分遠く感じたものだが、今回はすぐ目の前に聳えているようだ。
明日、あの穂先に立とうとしている自分が何だか不思議である。

雲上のテラスは双六キャンプ場前まで続く。槍は隠されてしまうが、双六岳のたおやかな山容が目を惹く。


双六小屋、奥に鷲羽岳
双六小屋、奥に鷲羽岳

双六小屋の宿泊者は20名ほど。ほかにテント持参者も数名いた。
北アルプスの小屋は2日後の土日から紅葉シーズンで再び混み始める。今日はまだ中だるみの期間で空いている。三俣山荘は、前の日の宿泊者は3名だったそうだ。

深夜高速バスでよく寝られなかったせいもあり、部屋に入るなりすぐに一眠り。夕食後も死んだように眠った。



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