タイトル
柏原新道-爺ヶ岳-鹿島槍-八峰キレット-五竜岳
2007年8月5日(日)~8月7日(火)
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●たおやかな雲上の道を行く
8/5(日)信濃大町~柏原新道~種池山荘~爺ヶ岳~冷池山荘  晴れ時々曇り

爺ヶ岳への登りにて、種池方面を振り返る
爺ヶ岳への登りにて、種池方面を振り返る

種池山荘で冷池山荘の予約を入れてもらう。爺ヶ岳へ眺めいい道を進む。チングルマ、それにこの時期はハイマツに混じってハクサンシャクナゲが多く咲いている。
たおやかな登りを経て爺ヶ岳南峰(2660m)へ。爺ヶ岳は遠くから見ると2つのコブがあるように見えるが、南峰・中央峰・北峰と全部で3つのピークを持っている。今日は鹿島槍方面はガスがかかっているが、後立山の峰々を俯瞰するのにいいピークだ。
次の中央峰(2670m)にも立ち寄ってみる。3つのピークのうちの最高点だ。こちらは人も少なく静かだが、眺望は南峰が勝っているように思える。

冷池(つめたいけ)へは200mほど高度を落とす。鹿島槍を目指す人は、その後の400mの登り返しを思いこの下りを大変うっとおしく思うようだが、これも縦走の醍醐味と言えるだろう。鹿島槍から先の難路に比べれば鼻歌の出るような上り下りである。

信州側に雲海迫る
信州側に雲海迫る
剱岳をシルエットに落日
剱岳をシルエットに落日

信州側は稜線のすぐ下まで雲海で真っ白になっている。ハイマツ帯から高度を下げて樹林帯もくぐるようになると、ウサギギクやタカネバラなども見られる。冷乗越を経て冷池山荘に到着する。


チングルマ

ウサギギク

タカネバラ

ここは素泊まり一泊が5800円、北アルプスの山小屋は自炊でもこんな料金になってしまった。しかもこの付近は水が少ないところで、1リットル200円也。
自炊の場合、食事用と翌日の飲料水を含めて3リットル~4リットルが必要になるから、水が高いとわざわざ食料を持ってきて安くあげるうまみがない。
ちなみに翌日泊まった五竜山荘は水は無料である。ただし素泊まり6200円と、しっかり水代を取られている。

しかし冷池山荘の室内は新しくきれいで、寝床もすっきりしている。小屋周辺からは意外と眺望が少ないのだが、2階のガラス張り?のテラスから立山方面の眺めが得られる。缶ビールを片手にゆっくりできる場所だ。
またこの日はそれほどの混雑はなく、スペースも十分だった。

ガスが晴れ、夕日が見られそうな状況となった。しかし小屋周辺にいい展望スポットはない。サンダルでキャンプ場まで頑張って登る。
ここのキャンプ場は小屋から遠いのが難点だが、眺めは素晴らしい。立山そして剱岳の鋼のような山体がシルエットとなり、そのすぐ右手に真っ赤な夕日。ドラマチックな1日の終わりを体感する。

翌日はいよいよ八峰キレット越えだ。睡眠を多くとって難路に備える。

●朝日に輝く鹿島槍へ
8/6(月)冷池山荘~布引岳~鹿島槍~キレット小屋~五竜岳~五竜山荘  晴れのち曇り

鹿島槍への登り
布引岳から鹿島槍
頂上から立山、剱岳
頂上から立山、剱岳
後立山の稜線
後立山の稜線

鹿島槍は一泊山行なら柏原新道か赤岩尾根利用と、ルート採りもシンプルだが、二泊以上となると難所の八峰キレット越えがメインとなる(他に赤岩尾根を登路に採り2日目以降に蓮華・針ノ木方面に向かうプランも考えられる)。
キレットの先は五竜岳への厳しい岩尾根も待っている。

天気も最高なので、これは行くしかないだろう。8月6日、この日が北アルプスの事実上の梅雨明けと思える。

5時前に冷池山荘を出発。キャンプ場を過ぎ、高山植物の咲き乱れる布引岳への緩やかな稜線上で日の出を迎える。

シュロソウ

チシマギキョウ、テガタチドリ、そしてシュロソウが朝日に輝いている。左手には立山、剱岳が日の当たるのを静かに待っている。
布引岳(2683m)を越えれば、昨日見えなかった鹿島槍のりりしい2つの峰が、もう届きそうな所にある。

急登を経てついに鹿島槍ヶ岳南峰(2889m)に着く。展望は無論素晴らしく、折からの好天気に北アルプスの山は全部見えるのではないかと思うくらいだ。

槍、薬師、立山、剱、北には白馬の峰々。そして雲海の先に妙高、火打。剱岳の北方にある僧ヶ岳という山も意外な近さにある。

雲上の伸びやかな散歩道は今日はここまで。今はまだ遠くに見える五竜岳を目指す。


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