2007年8月5日(日)~8月7日(火) |
梅雨が明けず、今回はムーンライト信州の座席指定券を3回も買い直してしまった。「よけいな存在」台風5号に気を揉まれながらも8月に入ってからようやく梅雨明け、土曜日の夜行で出発した。 目指すは後立山連峰の雄、鹿島槍ヶ岳である。
皆まだ梅雨明けに疑心暗鬼のせいか、列車もそれほどの混み様ではない。夜明けの車窓から安曇野方面に目を向ける。一面の霧の中、ようやくおぼろげながらも北アルプスの稜線を見る。 信濃大町駅から、他の登山者と相乗りでタクシー利用。扇沢の少し手前、柏原新道登山口で下車する。料金は5名で1人あたり1200円だった。 扇沢で水を補給し出発する。テントを背負っての北アルプス山行が続いていたが今回は小屋泊とした。連日の雷予報に尻込みしてしまった。梅雨明け10日とは言うが、初めのうちは高山は雷に見舞われる日が多い気がする。 この日の朝も稜線はどんよりした曇り。しかしところどころに青空も覗き、天候回復の様相である。 荷物が軽いので足がはかどる。柏原新道も初めは急な登りで始まるが、じきに歩き易い傾斜が続くようになる。 ムシムシした空気の中、振り返ると雲が取れ、稜線が見え出している。大きな山体は蓮華岳であろうか。 石敷の道の多い柏原新道は下部が樹林帯で単調、という話だったがそこそこ展望もある。左上部の稜線には大きな白い雲を割って青空が。そしてもう小屋が見え出した。角度的に種池山荘だろう。 登る人も、下山してくる人も多い。そして下山者は稜線の青空を見上げて、「あー、あんないい天気の下で歩きたかったなあ」と嘆息している。やはり今日が、久しぶりの晴れ間のようだ。 稜線上の山荘は何度も姿を現すが、なかなか近づかない。登山道は東側からぐるっと回り込むように緩やかに高度を上げ、後立山の稜線に溶け込んでいく。ガレ場にさしかかりミヤマキンポウゲ、そして残雪が見られる。 快調に歩を進め、森林限界を越える。伸びやかな草原を登ると、種池山荘の前に出る。その少し手前、雷鳥の親子が登山道をとことこと下りてきた。ヒナが3羽ほどいる。雷鳥とすれ違って種池山荘に着く。 1年ぶりのアルプスの眺めだ。雲が多いがすぐ近くに爺ヶ岳、そして遠くに立山連峰も見えている。小屋前のベンチに座って眼下に広がる山並み、左右に続く長い稜線を眺める。北アルプスならではの楽しみである。 後立山連峰の稜線は主に標高2500~2700mで形成されていて、槍穂高の高峰のように岩だらけでもなく、森林限界付近の緑濃い様子とも違う。岩の色と緑色のバランスがよく、これこそ夏山の感がある。 |