~夏空に映える白砂の稜線~
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●地蔵岳から再び御座石鉱泉へ 赤抜ノ頭(2750m)を越え、登山者で賑わう地蔵岳直下の賽の河原へ。オベリスクのてっぺんに一人登っているのが見える。 自分も途中まで登ってみるが、一番上までは行か(け)ない。遠くから眺めたときはそれほどではないのだが、直下から見上げると恐ろしいくらいの垂直岩である。地蔵岳(2764m)下の岩場からでも、白根三山や甲斐駒の眺めは十分素晴らしい。 展望の稜線に別れを告げ、鳳凰小屋に下りていく。砂礫をの急坂下っていくあたりは、この付近で唯一のお花畑となっている。 人であふれかえる小屋のベンチで昼食を取り、下山とする。
青木鉱泉に下るつもりだったが、小屋のご主人の薦めもあり、もう一度御座石鉱泉への道を行くことにする。 登りではガスで展望が得られなかったので、このへんで唯一眺めのよいこの道を再度取った。 富士山の展望地を過ぎ、道が北側に回りこむと、木の間越しではあるが、昨日は見れなかった甲斐駒、地蔵岳のオベリスクがいつまでも見え続ける。八ヶ岳も眺められる。昨日この眺めが得られていれば、きつい登りもまた楽しい道となったかもしれない。 特に燕頭山を過ぎてまず最初に甲斐駒が視界に入ると、きっと誰もがゾクゾクするであろう。今日登って来る人がうらやましい。 しかしやはり、ここは下りの道としても長く厳しかった。鳳凰小屋の指導標には、御座石温泉まで3時間と書かれていた(青木鉱泉コースは下り3時間半とのこと)が、実際はもう少し多めにみたほうがよさそうだ。 再びレンゲショウマの群落に入る。昨日よりさらに開いている花数が増えているように感じる。セミ大合唱の中を御座石鉱泉に下りる。 鉱泉の受付でバスの切符を買う。以前は2キロ手前の「御座石鉱泉入口」まで歩かなければならなかったそうだが、今は鉱泉前までバスが来る(バスと言ってもワゴンタクシー)。バスの切符を買うのに消費税を取られるのはちょっと納得がいかなかった。 林道を下り国道に出る。果樹園ではそろそろブドウの収穫時期に入るようである。韮崎駅前でバスを下りると、ムワッと熱気がきた。甲府のこの日は最高気温が35度とのこと。 何はともあれ、この天候不順の中で夏を実感できてほっとした。 |