~夏空に映える白砂の稜線~
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●急登をこなし鳳凰小屋へ 登山道脇にソバナの咲く中、やや傾斜のきつい登りとなる。しばらく進むとレンゲショウマが現れる。けっこうな群落が続いている。 レンゲショウマは深い樹林帯に咲いていることが多いので、三脚無しではなかなか写真に撮りづらい。ましてや今回は展望が期待できるとあってISO50の屋外向けフィルムなのでなおさらだ。しかしこれほどのレンゲショウマを見るのは初めてで壮観だ。 道はさらに斜度を増す。整備は行き届いていてしっかり歩を進めていれば危険なところはない。だが段差も多く、遊びのない急登がどこまでも続く。 前回の飯豊から中3週間近く開いていて、しかも急に暑くなった。背中の荷物は軽いものの、ペースがうまくつかめず水をガブ飲みする。きつい登りとは覚悟していたが、予想外に早い時点でもう息が上がってしまった。
林相は針葉樹が優勢となり、やがて祠のある旭岳に登り着く。南側が開けているがガスがかかりよく見えない。 足元は切れ落ちていて斜面にはピンク色の花が咲いている。タカネビランジだろうか。 ザレ場を過ぎて再び樹林帯の急登へ。上部はガスが立ち込め、登り始めの好天はどこへやら。たまに青空が覗くのは上空の方で、周囲の展望が効かないのは変わらない。 やがて笹原となり、燕頭山(つばくろあたまやま・2105m)の小広い山頂に着く。林の中で展望はないが、笹に覆われたなかなか雰囲気のいい山頂だ。 しばし休憩を取る。というよりここでは誰しもが休憩を取るだろう。それほど、ここまできつい急登である。 道はやや平坦になる。牛首の白ザレを木道で通り過ぎる。 北面は少し眺めが効くものの、富士山や白根三山のある南側は濃密なガスで真っ白だ。先ほどまでのきつい斜度はないが、体がヘタっているので少しの登りでもこたえる。何度も休んでゆるやかに高度を上げる。 天気がよければ富士山の眺めがいい富士見岩を過ぎ、ようやく小屋の屋根が見えてくる。あたりはアキノキリンソウ、トリカブトの道となる。 標高2400mの鳳凰小屋はこじんまりしてるが、山小屋らしく落ち着ける。小屋前には今年初めて見るヤナギランが数本、目当てのタカネビランジも満開だ。コバノコゴメグサ、ヒメシャジンもよく咲いている。
ただし小屋のご主人によると、ホウオウシャジンはこの天候不順の影響でまだ蕾だそうだ。 テラスで食事を取っているとガスも薄くなり、日が射して来る。しかし久々の暑い山登りで体は休息を求めている。小屋に入り昼寝する。 お盆過ぎの金曜日、そう混まないと思っていたがその後5名以上のグループが何組か到着し、1人あたりのスペースは1.5畳くらいとなった。夕食を取りすぐに就寝する。 |