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◇ | 薬師峠 | 6:10 | |
6:30 | 太郎平小屋 | 6:35 | |
7:50 | 第三渡渉点 | ◇ | |
8:50 | 薬師沢小屋 | 9:10 | |
10:35 | 稜線 | 10:45 | |
11:05 | アラスカ庭園 | 11:15 | |
12:05 | アルプス庭園 | 12:20 | |
12:40 | 雲ノ平山荘 | 12:50 | |
13:10 | ![]() |
雲ノ平キャンプ場(テント泊) | ◇ |
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◇ | 雲ノ平キャンプ場 | 6:05 | |
7:10 | ![]() |
祖父岳 | 7:20 |
7:55 | ![]() |
岩苔乗越 | 8:00 |
9:05 | 黒部源流 | 9:15 | |
9:55 | 三俣山荘 | 10:25 | |
11:05 | 巻き道分岐 | ◇ | |
11:25 | ![]() |
三俣蓮華岳 | 11:40 |
12:00 | 丸山 | 12:10 | |
12:30 | 中道分岐 | ◇ | |
13:30 | 双六小屋 | 14:10 | |
15:30 | 弓折岳分岐 | ◇ | |
16:05 | ![]() |
鏡平山荘(泊) | ◇ |
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ハイマツの海を進む。水晶岳を正面にどんどん進んでいく。やはり雲ノ平から見る山は水晶岳が一番立派だ。
![]() 黒部源流に残る雪渓 |
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雲ノ平山荘が見えてきた。その前に分岐の木道上にザックを置き、アルプス庭園に寄っていく。
緩く登っていくと、雲ノ平山荘や水晶岳をバックに白い絨毯があった。コバイケイソウの大群落である。雲ノ平は元々コバイケイソウが多い地だが、これだけ咲いていると壮観である。
祖母岳の頂上がアルプス庭園と呼ばれている。あまり山頂らしさはないものの、周囲から少し高い所にあり、北アルプスの山々の眺めがいいことからそう呼ばれている。先ほどから見えている山がひときわよく見え、さらに笠ヶ岳や槍・穂高の姿も覗く。
分岐に戻り木道をさらに進む。雲ノ平山荘に到着。テントの申込みをする。急登をこなしてきた上、予想以上に暑い中を歩いてきたせいもあってグロッキー気味だ。テント場は山荘からさらに20分ほど歩かねばならない。しかも小さな尾根を乗っ越していくのでけっこう大変だ。
テント場を目の前にすると、一帯はコバイケイソウ、ハクサンイチゲ、チングルマが至る所に大群落を作り、まさに楽園である。雲ノ平テント場は数日前、悪天のため荒れているという話を聞いていた。設営場所は広いがたしかにあまりいい場所はなかった。まだ時間が早いため先客も少なく、たまたま平坦で設営しやすいスペースを使えた。
黒部五郎岳と祖父岳を正面にし、静かでテント設営にはいい場所である。水場もそれほど遠くなく、さらに近くに小沢が流れており、山荘で買った缶ビールを冷やすこともできる。
テントを張った後、スイス庭園まで散歩する。ここは水晶岳が真正面に、大きく見える雲ノ平の中でも随一の絶景ポイントだ。ベンチに腰を下ろし、水晶岳や赤牛岳、薬師岳を眺めながら、何もせずにボーっとできる場所である。
はるか下、これらの山々に囲まれた谷間に竜晶池と高天ヶ原山荘の赤い屋根が見える。
もう一度雲ノ平山荘に寄り、念のため天気予報を確認した。すると、日本海に進むはずだった台風がどうやら、北陸方面に来そうだということがわかった。
明後日の大町市(長野県)は雨予報も出ているという。天気のいいのは今日までなのだろうか。明日以降の予定を少し見直さねばならない。
7月27日(3日目)雲ノ平~三俣~双六~鏡平 |
2日連続満天の星空だったが、朝方は青空の中、黒部五郎岳や北ノ俣岳など飛騨側の稜線に大きな雲がかかった。
出発はスイス庭園への道に入り、尾根を北側から迂回するようにハイマツの稜線を行く。テント場から祖父岳に直登する登山道が通行できなくなって遠回りになってしまったが、こちらも朝日の昇る水晶岳を間近に見られ、雪渓横にお花畑も多いので楽しい道である。
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飛騨側から発した雲はこちらのほうにもやってきて、朝からガスに巻かれるようになった。これも、今は九州付近にいる台風の影響だろうか。
雪渓を横断して祖父岳のガレ場の登りとなる。雲ノ平からは穏やかで優美な山容に見えるが、直下の急登はなかなかきつい。ケルンの点在する祖父岳山頂に着くころには、残念ながら濃いガスに覆われてしまった。
後ろから若いカップルがやってきた。お揃いの真新しいマットとヘルメットをザックにくくりつけている。これから水晶岳まで足を伸ばすとのことだ。
祖父岳を下って短い梯子を降りると傾斜の緩い稜線になる。タカネイブキボウフウやウサギギクなど高山植物も一段と多くなる。
黒部源流を見下ろす所にやってくると、ガスは急に薄くなって、三俣蓮華岳や山荘が見えてきた。水晶岳も再び威厳のある姿を見せ、カップルも元気が出たようだ。それどころか、今越えてきたガスの祖父岳も、今はくっきりと青空に映えていて悔しい。
岩苔乗越から黒部源流へ下る短い部分だけが、今回初めて歩くルートである。今までは鷲羽岳や水晶岳に登ったり、祖父岳手前の雪田コースを歩いていた。
下り始めるとすぐに雪解けの水場があり、周りの斜面は一面のお花畑になっていた。ハクサンイチゲ、ミヤマキンポウゲ、シナノキンバイの群落が続き、まだ若いコバイケイソウも多い。このあたりはまだ残雪も目立ち、雪解けした所から順に咲いていってるのだろう。
登山道は途中で小さな沢と一緒になったりするが高度下げていくと雪渓の上を歩くようになった。このあたり、日々の雪解とともに歩く箇所も変化してきているようで、ベンガラも引かれてなく少々わかりにくい。草花も芽を出したばかりのものが多く、春先の雰囲気だ。
山に登ると季節を遡るというが、まさにそんな感じである。
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黒部源流の最低鞍部で、雲ノ平からのもう一本の道を合わせる、ここからは行き交う登山者も多い。見上げれば残雪まとう緑の山稜と青空が、まさに夏山の姿だった。
黒部源流は雲ノ平と三俣・双六山域との接点であり、両者のいいところが融合して北アルプスの中でも一番楽しめる場所だと思う。北アの象徴である岩場は水晶岳付近に限られるが、ハイマツなどの緑や高山植物が豊富で、残雪も多く水潤い、爽やかな大気に包まれている。
先ほどまで見下ろす位置にあった三俣山荘目指し、今度は沢沿いの登り返しである。クルマユリ、ハクサンフウロ、ヨツバシオガマなど湿性の高山植物がたくさん現れる。コバイケイソウの多さも相変わらずだ。
キャンプ場を経てハイマツの海をに抜けると三俣山荘に着く。鷲羽岳が全貌を見せ、反対側には常念岳など信州の山の稜線が初めて見えた。槍穂高は雲で隠されている。