●雪解けの登山道を銀明水へ
(中沼登山口~中沼~上沼~銀明水)
関東地方は梅雨空だが、東北北部の山はそれほど梅雨の影響がないだろう。岩手県の焼石岳は6月に高山植物が一斉に咲くとのことで、一足先に花を見に岩手に向かった。
土日の6時4分発の東北新幹線。自由席は始発の東京駅でも、かなり前から並んでないと座れない。
30分以上前に来たものの、改札が開くのは5時半だった。
なんとか座ることが出来た。大きなザック姿の人をちらほら見かける。この季節の東北山行は、登山者のひとつの行動パターンなのかもしれない。
北上する新幹線の窓から、空模様を気にする。時々晴れ間がのぞく程度。
9時前、水沢江刺駅着。この時間にバスは無さそうなので、やはりタクシーだろう。タクシー代は値が張るが、中沼登山口まで乗りつけられれば、その日のうちに焼石岳に登ることが出来、金明水での宿泊となる。バスでひめかゆまで行くのなら初日は銀明水泊まりで、翌日山頂へ。この場合2日目は8時間以上の長躯山行となる。
タクシーは市内を通り抜け、どんどん山間部に入っていく。しだいに天気がよくなっていく。
尿前(しとまえ)からダートの林道を上って行く。こんなでこぼこの道をタクシーで上がって行くとは、大変なことだ。歩いたら3時間以上の林道だが、タクシーでも20分くらいかかる。
リュウキンカ咲く中沼
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中沼登山口に着く頃、前方に、雪を残した焼石岳の稜線が青空に輝くのが見えた。思わず胸が高鳴る。
10時に登山開始。道はところどころ雪解け水なのだろうか、川のようになっている。先行者には長靴で歩いている人もいる。
最初のうちは蒸すような暑さだったが、歩くにつれてひんやりしてくる。高度が上がったからではなく、天気が悪くなってきたのだ。
30分ほどで傾斜が緩み、目の前に大きな湖沼が現れる。中沼だ。水際をさらに進むと木道となり、リュウキンカの咲く場所に出る。バックに横岳の雪渓をしたがえ、絵になる景色だ。ミズバショウもあるが、このへんの多くはもう咲き残りだ。
再び山道に入り、サンカヨウ、シラネアオイを見る。両方とも初めて見る花だ。上沼までは雪渓を歩く箇所もある。やがて、ミズバショウの群落があちこちに現れる。咲き具合は今が盛りと思われる所もあり、数の多さにも驚く。雪渓とミズバショウ群落地とが交互に来る。
銀明水に着くと、登山者が何人も休んでいる。傍らにある水場は東北の名水で知られているそうだ。銀明水避難小屋は建て替えたばかりできれいな造りだ。ぱっと見には普通の営業小屋のようにも見える。さらに進むと、ややガスっぽくなってきた。大きな雪渓を横断する。200mくらいだろうか、アイゼンを着けてもいいところだ。
ミズバショウ群落
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銀明水避難小屋
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