●900mの森林限界 (峰越分岐~真昼岳~赤倉登山口)
小屋の建つ真昼岳へ
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ここからは笹原の稜線。行く手には真昼岳のまろやかな盛り上がり、後ろには峰越コースの音動岳が大きい。
このあたりでも標高は1000mに満たない。和賀岳以上に森林限界線の低い山である。
今日初めての登山者に会う。天候を気にしてか、または朝早いせいもあるのか日曜なのに歩く人は少ない。
ここからは下草も少なくなり、急登だが気持ちよい稜線だ。手前のピークを越えると真昼岳の山頂小屋、そして真昼岳南峰が見えてくる。花は意外と少なくカラマツソウ、タカネニガナが見られる程度だ。
風に吹かれながら展望の稜線を行き真昼岳頂上に着く。ここも360度の展望が素晴らしい。
南峰のおだやかな山容、歩いてきた赤倉コースのブナ色の尾根、峰越コースのはるか先には和賀岳も見えている。地震のあった栗駒山方面は残念ながら見えない。現地の様子が気になる。
1000mの山でもそこは北東北の山、頂上では風が冷たく感じる。
兎平から登ってきた人が休憩していた。盛岡の方だった。やはり下草で濡れたと言う。花が意外と少なかったのを残念がっていた。
シラネアオイも終わってしまい、この6月末という時期はちょうど花の端境期にあたるのかもしれない。
今日は岩手県側の西和賀町の山開きだそうで、もうすぐこの真昼岳に大勢登ってくるようだ。西和賀町の山開きは特定の山ではせずに、毎年登る山を変えて行い、今年は真昼岳の順番とのことである。
昨日の和賀岳もそうだったが、この真昼岳のほうも樹林帯、稜線ともに虫が少ない。虫除けスプレーとかシールなど、いろいろ防虫グッズを揃えてきたのに拍子抜けである。
小屋の中には意外と大きな社殿が祭られていた。今日は時間に余裕があるのでゆっくり展望を楽しむ。
さっきの人は峰越コースを下って林道を兎平登山口まで歩くと言う。兎平から登ると、林道は長いものの回遊コースがとれる。しかし赤倉コースはやはりピストンしかなさそうだ。来た道を下山する。途中で雨具の下を履く。
真昼のブナ純林はやはり素晴らしい。個人的には和賀岳よりこちらのほうが好みだ。和賀・真昼山塊のブナ林は、北東北の山歩きの中でも一押しの場所としたい。
石台から下の草ぼうぼう地帯は下りのほうが苦労する。しかし日が高くなったこともあり、朝露はそう多くない。それでも雨具はずぶ濡れ、靴は泥だらけになった。
沢を渡リ返して赤倉登山口に戻る。作業用の軽トラックが停まっているだけで、他に登山者はいなかった。思った以上に静かな山であったが、天気も何とかもってくれて、いい登山になった。
奥羽山荘で入浴し、レンタカーを返しに行く。帰りは大曲駅から新幹線を使う。こまちが全席指定なのを忘れていて、満席の表示に青くなったが運良くキャンセルがあって無事に切符が買えた。
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