~農道を歩き春の山野草の宝庫へ~ みょうけんさん(778m) 2003年4月19日(土)曇り時々晴れ 7:15郡山駅-[福島交通バス]-8:05下守屋-8:30コンクリートの鳥居-9:30十字路-10:00妙見山10:15-10:45十字路-11:45高旗林道-12:10高旗登山口-12:40蒲沢-13:10下豊館バス停13:33-[福島交通バス]-13:50木工団地バス停(バーデン温泉立寄り)16:06-[バス]-16:25郡山駅16:45-[東北本線]-17:25新白河駅17:31-[東北新幹線なすの252号]-19:07東京駅 歩行時間:4時間50分 |
前日の鳥屋山へ 郡山市のホテルから外を見ると、濃い霧が立ち込めていた。天気予報も午後から曇りまたは雨。 外に出てみると薄日ではあるが朝日が顔を出している。登山口まで行くだけ行ってみようと思った。 今日は、猪苗代湖の南東に位置する2つの低山に登る予定だ。山域でいえば奥羽山系の端っこにあたる。 当初の目当ては高旗山のほうであったが、登山口の源田湯までのバスが午後便しかない。隣り合う妙見山へは朝の便がある。どちらも大きい山ではないので、欲張って妙見山→高旗山の縦走を計画した。
郡山駅西口はバスターミナルになっていて、2番乗り場から長沼行きに乗る。 バスは市街地を抜け、周囲は田畑のいっぱいに広がる田園風景になる。霧に覆われた空から、うすぼんやりと山の形が見えて来る。下守屋で下り、地形図に従って民家の間の道を進む。 朝霧を透かして、周囲の農地に朝日が差し込む。農作業をする人々の姿が目に入る。小さいながらも妙見山を示す標が立っている。 会津や阿武隈山地に挟まれたこのへんの山はエアリアマップ掲載外で、登山ガイドにもあまり紹介されていない。国土地理院発行の25000地形図を片手に登山口を探すのもなかなか面白い。 ガイドを見てから行くと、そこに書かれていることしか見えなくなってしまいがちだ。山は本来、地形図とコンパスだけで入って行くもの。シンプルな登山形態になって初めて見えて来るものもあるだろう。 桜やヤマブキの咲く農道を歩く。舗装車道を横切り、妙見参道入口の指導標の示す方向に入って行く。 沢沿いの杉並木の林床に、いくつものショウジョウバカマのピンク色がちりばめられている。これを見て、この山は花の山かもしれないと思う。しばらくしてコンクリートの鳥居。樹間から右側にこんもりした山が見え、あれが妙見山かと思っていたが、方角的にはどうも違うようだ。
鳥居から先も、自動車が十分に通れる林道を登って行く。沢で水を補給し、タチツボスミレやエイザンスミレ、葉のくるっと巻いたのはナカバノスミレサイシンだろう。ニリンソウもよく見かける。 平坦な幅広道になる。周囲は豊かな広葉樹の森で、山の中にいる気分に浸れる。南面に展望が開けると、注連縄を奉った大きな杉の木を見る。 ヤブレガサ、カタクリ、アズマイチゲも現れる。生まれて初めてシュンランを目にする。春山の雰囲気いっぱいの道である。濃いピンクのショウジョウバカマも再び出てきて、春の花が次から次へと、ひっきりなしに登場して来る。
木の鳥居の前に来る。「飯豊和気神社」とある。東京付近の山に富士浅間神社が多いのと同様に、この地では飯豊山が多く奉られているのかもしれない。 鳥居から先は、周囲はますます山の精気にあふれ、相変わらずの林道歩きにもかかわらず、多くの山野草で飽きが来ない。 ほどなく十字路となり、高旗林道からの道が北側から上がって来ている。ここから急登となるがカタクリとニリンソウ、とりわけアズマイチゲやキクザキイチゲの群落が素晴らしい。 花びらが二十重ほどもあるものや、あまりの花の大きさにこうべを垂れているものもある。みな春の日を精一杯に浴びようと懸命のように見える。
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