~雲海広がる会津の山々~
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みついわだけ(2065m)
2006年9月22日(金)~23日(土)

小豆温泉-避難小屋-三岩岳
-窓明山-家向山

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三岩岳山頂から会津駒ヶ岳に続く稜線

●朝夕の山頂からの広い眺め
山頂へは明朝に登るつもりでいたのだが、少し休憩すればやはり元気は出てくるもので、今日のうちに上がっておこうと思い直した。夫婦に一言伝えて山頂を目指す。
4時を過ぎるともうかなり冷えてきている。軍手をして歩き出す。

山頂までは急でない登りが続くが、思ったより長く感じる。シラビソ林と小湿原が交互に現れる。湿原の場所では展望が開け、高度を上げれば上げるほど、その眺めはどんどん大きくなっていく。

山名の謂れとなった三ツ岩を過ぎると、山頂直下の比較的広い草原に出る。会津の山々と遠く高原山、那須、吾妻連峰とパノラマの眺めが広がる。ひと登りでシャクナゲとハイマツの茂る三岩岳山頂である。


越後駒ヶ岳、中ノ岳

三ツ岩越しの展望

イワイチョウの葉

草紅葉と針葉樹林

高く大きい山の割には、古い山名板があるだけの質素で狭い山頂だ。ハイマツの先に、いい色になった湿原が見えるのだがそこに至る道は開かれていないようである(残雪期しか行けないとのこと)。
登るときから感じていたが、この山は登山道がシンプルというか、山を登るための一本の登山道以外に、必要以上の切り開きを施していない。
一般的に人気の山のパターンだと、先に見える湿原へ行く道もついていて当たり前のような気がする。

会津駒ヶ岳から朝日岳に至る山域は、登山エリア以外は原始のままで自然がよく残されていると言われる。このような原始の山に登山道が1本でもつけられているのは貴重で、歩けることをありがたく思わねばならない。
むやみに山を切り開いてしまうのではなく、現状の姿をいつまでも保っていってほしいものである。

山頂からの眺めは素晴らしい。北面は樹林にさえぎられているが、ほぼ270度の展望。会津駒へ続くうねうねとした稜線が印象的だ。
奥日光の山は雲で見えないが、高原山から大佐飛山塊、安達太良・吾妻連峰が長大なシルエットを形作っている。そしてほぼ真西には、夕焼けをバックに越後の秀峰が雲海から頭を出している。中ノ岳、荒沢岳、越後駒ケ岳だ。
寒さを忘れてしばし会津の山の広大な展望を堪能する。

小屋に戻ったときはもう暗くなっていた。ご夫婦は就寝されていた。日の落ちるのもだんだん早くなってきているが自分はまだ夏の日の感覚でいる。真っ暗な中、物音を立てぬように注意しながら食事をする。
7時過ぎに寝る。

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翌朝、小屋の窓を通して日の出を迎える。南関東方面はあちこちに雲が出ているが、全体的に天気はよさそうだ。
山頂は昨日登った。今日は小屋の少し先の湿原で展望を楽しもうと小屋を出る。しかし、神々しく輝く雲海に誘われ、もう少しもう少しといいながら結局山頂まで登ってしまった。

昨日にも増して雄大な眺め。白根山、男体山など日光の山もはっきり見える。次第に青みを増していく空に秋の雲が高い。

そして会津側、眼下一面に敷き詰められたダイナミックな雲海。ある場所では激しく波打ち、他方では静かに横たわる。
面白いことに大佐飛山・高原山や日光の山に近いあたり、すなわち栃木県側には雲海がない。雲海の切れ目が関東と東北の境目のようにも思える。

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