~賑わう頂上から錦繍の静寂境へ~
タイトル
はちまんたい(1613m)
2005年10月11日(火)

5:44盛岡駅-[花輪線]-7:29八幡平駅7:48-[バス]-9:00八幡平頂上バス停-9:40源太森9:55-10:25八幡平-11:05草の湯分岐11:15-12:20ブシ谷地-12:50長沼13:15-13:35大谷地-13:50蒸の湯15:03-[バス]-15:58鹿角花輪駅16:41-[高速バスみちのく号]-18:05盛岡駅18:28-[東北新幹線]-22:00東京駅

マップ
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二合目付近
ダケカンバが美しいブシ谷地

●北東北のタフな山道を下り蒸ノ湯へ
チングルマの咲いた跡など、夏は高山植物で賑わいそうな場所がいくつもある。
草の湯入口コースが分岐する十字路は四方が開け、爽やかな場所だ。腰を下ろしたいがベンチどころか、道脇にスペースさえもない。ぬかるんだ道の上にビニールシートを敷いて軽食をとる。

振り返ると、八幡平の頂上部が緩やかな曲線を引いている。

オオシラビソの樹林帯に入り、平坦な道をしばらく進むとやがて緩やかな下りに。ナナカマドやカエデなどの広葉樹が見られるようになると下りの道はどんどん傾斜を増す。頭上の雲も少なくなって、青空の下の紅葉道歩きがやっと出来た。
八幡平の優美な曲線をバックに
八幡平の優美な曲線をバックに
長沼
長沼
長沼
長沼

それでも、登山道は右側が切れ落ちた場所や沢沿いに下降していく行程もあって気が抜けない。
岩場などは少ないがネマガリダケやぬかるみが多いタフで自然に近い道、東北の山の登山道はこういうものだったと、ようやく思い出してきた。
東京周辺の山の整備された道に歩き慣れてしまうと、東北や越後のこうした山道はかなり手こずるのだ。初めてそれを感じた焼石岳、白神岳、志津倉山などずいぶん印象深い山道が多い。ここ八幡平の長沼コースもその範疇に入るだろう。エアリアマップには「健脚者向き」とあるが納得だ。それでも地元の人にとっては何と言うこともないコースかもしれないが。

蔦も紅葉
蔦も紅葉
紅葉が最盛期の蒸ノ湯温泉
紅葉盛りの蒸ノ湯
後生掛温泉付近も鮮やか
後生掛温泉も鮮やか

急坂を下り、平坦な場所に出たところがブシ谷地。ダケカンバの黄葉が鮮やかだ。
小さなピークを越えてなおも行くと、樹林の向こうに大きな池が見えてくる。長沼はこのコースのハイライト。周りを広葉樹に囲まれたその景観は、山奥に隠された静寂境そのものだ。紅葉の色付きもこの標高では一番いい時期のようで、息をのむほどの美しさだ。

こういう光景に出会えるから山を歩くことが止められない。温泉にも早く入りたいのだが、ここは腰を落ち着けて水際の眺めを楽しむことにしよう。

湿原の草紅葉がきれいな大谷地を経て、蒸ノ湯温泉へは30分ほどだった。噴気をもうもうと上げている蒸ノ湯の周りも、紅葉がひときわ鮮やかである。
地ビール片手に白濁の露天風呂にゆっくり浸かりたいのだが、あまり時間がなくカラスの行水となってしまった。

隣りの焼山も紅葉の時期には大変惹かれるものがあり、蒸ノ湯温泉や大深温泉にはぜひ泊まりで再訪することにしたい。短い時間だったが中身の濃い、満足のいく八幡平山行だった。

鹿角(かづの)花輪駅までバスで下り、さらに高速バス「みちのく号」に乗って盛岡に戻る。日も落ちてしまい、すぐ近くにそびえているはずの岩手山は見られなかった。3日間ついに、雲のかからないそのままの岩手山を写真に収めることが出来ず、その点が心残りである。天気だけはどうしようもない。

今回の北東北山行ではたくさんの宿題が出来てしまった。次回こそは、裏岩手縦走の終着点として八幡平の頂上を踏みたいものである。
前日の岩手山へ


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