-みちのくの山と山の湯巡り-
タイトル
八方台登山口-中の湯-弘法清水-磐梯山
山域会津
地域福島県
標高磐梯山(1819m)
山行日2010年10月11日(月)  天気
沿面距離6.7km
歩行時間3時間40分
標高差626m(八方台~磐梯山)
宿泊-
温泉磐梯はやま温泉(猪苗代観光ホテル)
交通Home



2010年10月11日(月) 

沼尻温泉7:45
国道115、459号
8:40八方台登山口8:45
9:15中の湯
10:10弘法清水
10:40磐梯山11:00
11:35弘法清水
12:30中の湯12:35
12:55八方台登山口13:05
国道459号他
猪苗代観光ホテル
入浴立ち寄り

15:00猪苗代磐梯高原IC
磐梯自動車道
東北自動車道
首都高速

東領家IC
山手通り他
21:30五反田


関連リンク
磐梯山噴火記念館
磐梯町
裏磐梯観光協会
猪苗代観光協会


Home



朝から雨。たが出発の時間になって少し明るくなってきた。車で西に進むと晴れ間も広がる。昨日と同じパターンを期待する。しかし見えて来た会津の名山は、麓からすっぽりと雲をかぶっていた。
裏磐梯に回り、少し標高を上げたら再び雨となった。ガスで見通しが悪くなる中、休憩舎と駐車場のある八方台登山口に到着する。すでに誘導員が車の整理にあたっていた。


今日は始めから雨具を上下着ての出発。雨具が大活躍の三日間である。
始めは車も通れるほどの幅広の登山道だ。中の湯が営業していたころは運搬道として使われていたようだ。なかなかいい雰囲気のブナ林が続く。紅葉にはまだ少し早い。
歩き出しは前後に数人の登山者を見るくらいだったが、時間の経過とともに人は増え、やがて列をなしての登高となってしまった。


磐梯山の登山道は、長い人の列が出来た

少し開けたところに出る。ガスで視界が悪いが、すぐ先に中の湯の建物があった。

人影はもちろんなく、荒廃が進んでいる。あたりは硫黄のにおいが強い。

中の湯からは本格的な登りとなる。
急登が続き、登山者も列をなしてきた。


この雨の中、いくら三連休といってもこれだけの人が登りに来ているとは、思いもしなかった。
そしてこの山も男女問わず、若い人が多い。登山は本当に、日本国民全体のブームになってきたようだ。

高度を上げると、少し見通しがよくなってきた。時たま明るくなって、厚い雲を割って太陽がボゥッと見える。周囲も潅木が多くなるが残念ながら展望が利くというところまではいかない。見るのは人の背中ばかりである。

最初は幅広い道
紅葉進む
弘法清水
磐梯山頂上

いったん平坦な山腹道を歩く時間があり、その後は急な登りもなく、よく踏まれた道を歩き弘法清水に着く。
こんこんと湧き出る水場、そして2軒の小屋があり、うち片方は売店や食堂も兼ねていた。「携帯トイレあります」との張り紙があった。
眺めのよさそうな場所だが今日はただ白一色のみ。

磐梯山頂上を目指す。ちょっとした岩場を過ぎると再び急登。しかも人の列が半端ではない。ついに先に進むことが出来ず、立ちつくす時間ができてしまった。山の渋滞は富士山以来だ。

鋭く切れ落ちたヤセ尾根を登り、予定より時間をオーバーして磐梯山頂上に着く。ここも人がいっぱいだが、意外と広い。
石の積み重なった最高点の祠の近くに腰を下ろす。山頂標識と簡単な休憩所が一段低いところにあった。
晴れたときの展望はさぞかしすばらしいだろう。磐梯山はアクセスがよく登山コースも多々ある。自分にとっては好きなタイプの山なので、天気のいい日に再訪したいと強く思った。

福島県のほぼ中央に位置する磐梯山は、文字通り県を代表する山である。
明治時代の大噴火によって、この山と、山を取り巻く環境は大きく変わってしまったという。北麓の集落は壊滅し、桧原湖や五色沼など、裏磐梯の今の景観はこの噴火によって形成された。噴火によってこれだけ大きく変わってしまった山も珍しいという。
結果的に噴火が裏磐梯高原という観光資源を生んだことになり、静かで大らかな山から「金を生む山」への変貌を遂げたと言う人もいる。しかし土地の人たちの心にある磐梯山は昔から変わらない。
いつも身近にある、それこそふるさとの山なのだろう。

昨日今日と、下山後しばらくしたら天気が回復するパターンが続いていたので、今日ももしかしたらと、展望ゼロの頂上で少し粘ってみる。
しかし回復の兆しは、今日に限っては全くない。諦めて下山とする。

霧に煙る紅葉
中の湯は廃業
白濁の温泉が湧く

弘法清水までは、登りのとき以上の大渋滞だった。今から登ってくる人も多い。頂上までずっと渋滞ですよ、と脅かしながら下る。
中の湯で、あらためて建物のすぐ近くまで行ってみる。白濁した温泉がボコボコと音を立てるように湧いていた。

ここは経営者が亡くなったことにより廃業となったらしい。これだけ豊かな源泉があるのに惜しい。
もっとも、今でも敢えてこの温泉に入りに来る人もいると言う。登山道から丸見えの場所なので少し勇気がいると思うが。
いずれにせよ、雨の今日は下山後の温泉のほうに意識が向かった。

八方台に下山する。最後まで雨は止まなかった。今回は、三連休のうち一番好天が期待できた日がこんな天気で、半ば登山を諦めていた日曜に青空が覗くという、おてんと様にいいようにもてあそばれた山巡りとなった。秋の山の天気は本当にわからない。
八方台から車道を猪苗代湖方面へ下っていくと晴れていた。磐梯山は依然として分厚い雲がかぶさっている。

下山後、はやま温泉で汗を流し、東京へ帰るとする。最後の日まで登っていたので、高速の渋滞は覚悟の上だった。自分は今回、運転しないので楽だった分、しわよせが運転手にいってしまった。

帰宅は夜9時を過ぎた。友人はさらに自宅の横浜までもうひと走りだ。お疲れ様でした。