山の写真集 > 富士山周辺 > 節刀ヶ岳から鬼ヶ岳
  • -秋深まる御坂の尾根道-
  • 大石峠-節刀ヶ岳-鬼ヶ岳-鍵掛峠-根場
  • 富士山周辺
  • 山梨県
  • 節刀ヶ岳(1736m),金山(1686m),鬼ヶ岳(1738m)
  • 2012年10月27日(土)
  • 10.8km
  • 5時間55分
  • 866m(大石プチペンション村-鬼ヶ岳)
  • -
  • -
  • 中央線,富士急行,バス,京王線
天気1

 

地図
2012年8月19日(日)
新宿駅 5:18
  中央線
高尾駅乗換
6:51 大月駅 6:53
  富士急行
7:44 河口湖駅 7:50
  富士急バス
8:21   大石プチペンション村 8:35
9:00   登山口 9:05
9:50   水場
10:25 大石峠 10:35
11:08 金堀山
11:17   ザレ地
11:47   分岐
11:52 節刀ヶ岳 12:15
12:30 金山
12:55 鬼ヶ岳 13:10
13:35 岩棚 13:50
14:32 鍵掛峠
15:25 林道
15:50 根場民宿 16:25
  バス
16:45 河口湖駅 17:11
  富士急行
18:08 大月駅 18:24
  中央線
19:07 高尾駅 19:13
  京王線
20:03 新宿駅

 

今年初めての御坂の山。電車・バスを使っての登山も久しぶりである。
山梨県の天気予報はよさそうだったが、朝からどんよりとした曇り。大月駅で富士急行に乗り替える頃には本格的な雨となった。紅葉を見に来たので、この天気では気が進まない。だけどここまでかかった交通費がもったいないのでとりあえず登山口まで行ってみることにする。

河口湖駅からバスで大石プチペンション村へ。今はここが終点ではなく、この先の若彦トンネルをくぐった先までバスは行くようになった。自由昇降区間なのでトンネルの手前まで行ってもよかったが、ペンション村の屋根のあるバス停で雨の様子を見たかったため、下車する。


節刀ヶ岳への稜線

御坂山塊を貫く若彦トンネル。大石峠への登山口はここから5分ほど。路線バスはこれをくぐるので、自由乗降区間のため、ここでの下車も可能と思われる

若彦トンネル

林道終点の登山口に立っている案内板。金山に直接登るルート、ここから淵坂峠を経由して毛無山へ登るルートが描かれていて貴重

詳細なルート

霧深い山道を行く

霧深い山道

大石峠は一面の霧

大石峠

稜線は笹深いところがあり、腰から下がびしょ濡れになる

笹深い道

節刀ヶ岳山頂の三角点と標柱が地面から浮き出していた

浮き出る三角点と標柱

大石のある鬼ヶ岳山頂

鬼ヶ岳

鬼ヶ岳から見る王岳は形よい山容

形よい王岳

雨は弱まり、これ以上降りそうにないようだ。しかし山の上のほうは厚いガスの中である。でもここまで来たので、雨具をかぶって登ることにした。
林道を歩き、登山口を目指す。右手に大きな白い壁。若彦トンネルへ向かう車道が一段上に伸びている。2年前に釈迦ヶ岳に来た時、このトンネルをくぐったことを思い出したが、さらにその数年前はまだ建設中だった。
トンネル入口のところからさらに少しの歩きで、案内板のある登山口に着く。案内板にはこの付近の地図が登山ルート付きて示されている。ペンション村から淵坂峠を経由して毛無山に登るルートが描かれており、以前から興味を持っている。また、ここから金山に直接登るルートがあることを初めて知った。今日利用したバスの終点バス停の正確な位置もこの地図でわかる。
市販の地図にはこれほど詳しく掲載されているものはない。山の情報もネットで自由に得られる時代になったが、やはり現地に来なければ得られないこともたくさんある。

さて、登山口からしばらくは薄暗い植林の中を登る。太陽の光はなく、陰鬱な雰囲気だ。ジグザグに高度を稼ぎ、水場に着く。このあたりから広葉樹の森となるが、これを境にして霧が濃くなる。なお水は細いながらも出ていた。
頭上で風が騒ぎ、時々雨のようなものも降ってくる。霧はますます深くなり、左右の樹林も霞んできた。ただ自分の影がおぼろげながら地面に投影している。霧は濃いけれども、その外側に太陽の存在は感じる。
少し紅葉した木も目立って来始める。人の声が聞こえたと思ったら笹原が見え、大石峠に到着した。

回りは真っ白。目の前にあるはずの大きな富士山は望むべくもない。しかし幸い、雨は降っていない。樹林の中を登っている時はパラパラと雨音がずっとしていたので、確実に降っていると思っていたが、どうやら木の葉にたまった雨が落ちていたようだ。
少し休憩した後、西の尾根伝いに登っていく。キク系の花が咲いていた。
霧は濃く、周囲の見通しは依然としてよくならない。この尾根は部分的に笹が深く、幅50cm程度の細道の両側に、腰上ほどの丈の笹が密集していて体をこすられる。笹は濡れているのでびっしょりになる。早めに雨具の下を履くことにした。

鬼ヶ岳からの下り。ヤセ尾根の下草も色あせる

下草も秋の色に

岩棚の展望地から、鬼ヶ岳北尾根を望む

色づく稜線

リンドウがまだ鮮やかな色で花をつけていた

リンドウ鮮やか

鬼ヶ岳からの下りにて、富士山と西湖

ようやくの富士山

鍵掛峠下のブナは黄葉し始めたばかり

ブナ黄葉

鍵掛峠からの下りの道。一部紅葉が鮮やか

紅葉の道

金堀山を過ぎて、なおも霧深い笹の道を行く。節刀ヶ岳への長い登りが始まる。稜線の紅葉は、雨で落ちてしまったのかあまりパッとしないが、ところどころでカエデの葉が地面を埋め尽くすところもあった。
高度を上げると何となく明るい感じになる。標識を見て、右側の道に入る。一時、背後に太陽が現れ、にわかに暖かくなった。上のほうでは青空も見えている。ツツジの赤々とした紅葉を見ながら岩っぽい尾根道を数分行くと、節刀ヶ岳山頂だった。基部がむき出しになった三角点標と山名標柱。周囲を潅木に囲まれているが、富士山の方角は切り開かれている。また、北方向にはバリエーションルートの北尾根への踏み跡が伸びていた。
雲が風で流され、青空が見えるたびに明るくなる。しかし富士山が見えることはなく、またしても肌寒くなってきた。天候回復のペースは順調ではないようだ。ラーメンを食べて、早々に山頂を後にする。

金山へは穏やかな登山道を行く。歩いているうちに霧が一気に晴れ、視界がはっきりした。晴れたというよりも、霧から抜け出たと言ったほうがいいかもしれない。
ガレ場を過ぎて金山山頂。十二ヶ岳の道を分けて鬼ヶ岳方面へ進む。なおペンション村へは、十二ヶ岳方向へ少し歩いて分岐するようだ。やがて周囲の見通しがきき始め、紅葉した山肌が見られるようになる。はるか下に西湖の湖面も覗いた。
鬼ヶ岳へは若干であるが岩っぽい急登となる。北ア燕岳のイルカ岩のような平べったい大岩を見ると、鬼ヶ岳の狭い山頂である。天候が回復し、四囲の展望が得られる。目の前の雪頭ヶ岳、王岳へ続く稜線。ここからの王岳の眺めはダイナミックでいい形をしている。ただ、富士山は依然として雲の中だ。

ロープの張られたヤセ尾根を急降下。下草が黄色くなっている。ブナが現れ、高度を下げると黄葉した木も見られるようになった。鍵掛峠までの稜線は随所で眺めが開け、今日のルートのハイライトである。
南面を見ると、厚い雲の上に富士山が頭を出していた。展望台のような岩棚を越え、道が左へ巻くようになるところで直進する踏み跡に入ると、すぐに展望360度の岩の上に立てた。鬼ヶ岳の北尾根が伸びやかに根を下ろし、そのはるか先に見える建物群は甲府市街地だろうか、石和あたりか。
富士山もいくぶんはっきりと見えてきた。後から一人やってきた。天気予報が外れたことを話す。

鍵掛峠に向かう。リンドウ、トリカブトがまだたくさん花をつけていた。さすが花の多い御坂の山である。さらに展望のよい道は続くが、鍵掛峠まではけっこう長かった。できるなら鍵掛のピークを越えて王岳まで足を伸ばしたかったが、時間が足りない。王岳は9年前に登って以来、近くまでは来るがなかなか遠い山となっている。
峠から下山する。本日の楽しみの一つだった、鍵掛峠下のブナ林の紅葉は、まだ途上の段階だった。下のほうでは緑の葉をつけた木が多い。しかし優しげな樹林帯が続く下山路で、いい道である。
林道に下り立ち、萱葺き屋根の家が立ち並ぶいやしの里を過ぎる。このあたりもいやしの里が出来て以来ずいぶんあか抜けた雰囲気になった。そのせいか、根場民宿への方向がよくわからない。出店の人に尋ねながら、国道に出る。

振り返ると王岳や鬼ヶ岳にあたる日差しが赤らんでいた。秋の日の落ちるのは早い。根場民宿バス停からは富士山がよく見えた。
河口湖に戻り、各停の富士急行線を待って帰路に着く。