山の写真集 > 富士山周辺 > 三ツ峠
  • -雨に咲く盛夏の花-
  • 裏登山口-木無山-開運山-御巣鷹山-大幡八丁峠
  • 富士山周辺
  • 山梨県
  • 木無山(1730m), 開運山(1785m), 御巣鷹山(1770m), 大幡山(1531m)
  • 2017年7月30日(日)
  • 9.9km
  • 3時間55分
  • 552m(裏登山口-開運山)
  • -
  • ももの里温泉
  • マイカー
天気1

 

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2017年7月30日(日)
五反田IC 8:25
  首都高
中央自動車道
河口湖IC 9:55
  国道139号,137号他
10:40 三ツ峠登山口駐車場 10:50
11:55 木無山
河口湖下降点まで往復
12:30
12:45 開運山 13:03
13:20 御巣鷹山
14:10 大幡山
14:22 鉄塔
14:35 大幡八丁峠
15:15 登山口駐車場 15:20
  県道708号,国道137号他
ももの里温泉立寄り
17:30 勝沼IC
  中央自動車道
20:30 高井戸IC

 

今年は安定した夏空がなかなか続かない。出かける予定ではなかったのだが、翌週は台風がやってくる予想もあり、朝の天気予報を見てから急遽出ることにした。
雨上がりを狙っての三ツ峠だったが、結局行程の半分近くを雨に降られてしまった。


クガイソウ(開運山~御巣鷹山間)

雨で濡れた林道状の登山道を登っていく。緑が瑞々しい

雨の中を

登山道沿いにシモツケが咲く

シモツケ

カイフウロ

カイフウロ

シモツケソウ

シモツケソウ

稜線に上がると木無山の平頂に着く

木無山へ

ハナニガナ(木無山)

ハナニガナ

ミズチドリ(木無山)

ミズチドリ

木無山から西に進むと岩棚の展望地がある

岩棚の展望地

四季楽園

四季楽園

三ツ峠の山小屋の玄関にはビールの自動販売機がある

微妙な価格

開運山頂上近くの建物には放送会社のロゴがつけられていた

ついに社名披露


山梨県は曇りの予報だが南部を中心に日差しもありそうだ。予想気温が高いのもそれをある程度裏付けている。
まだ強い雨の降る東京都を出て、上野原あたりでいったん雨は止む。山に近づくとまたパラパラと降り出す。急に出かけたため、ガソリンがなくなる寸前になっているのにずっと気づかず、危うく高速でガス欠になるところだった。

河口湖の市街地に入ると青空と暑い日差しが戻っていた。ただし山の稜線は厚い雲の中で、まだ雨が降っていそうだ。三ツ峠入口から車道を上がっていくと再び雲の下となった。ハイキングバスもあまり混んではいないよう。
三ツ峠登山口(裏登山口)の駐車場に着くと、一般車はそれほど入ってはいなかったがジープなど四駆の車がたくさん停まっていた。

とにかく支度をして出発する。林道のような登山道を上がっていくと、すぐに雨が落ちてきた。下山してくる人と時々行き違う。お父さんと小学生くらいの親子連れが多い。薄暗い樹林下の単調な登りだが、雨でしっとりするとそれなりに風情はある。
やがて降りが強まってきたのでレインウェアを着る。湿気がすごく、こんなムシムシ状態でレインウェアを着るのは気が進まない。すぐに内側が汗まみれになる。肌が窒息しそうな感覚である。

我慢して登っていくと少し雨は弱まったか、上の方で鳥のさえずりも聞こえてきた。レインウェアを脱ぎさらに進む。
道脇には夏の花が次々と現れ始めた。シモツケ、クガイソウ、シモツケソウ、オオバギボウシやカイフウロも見られた。
あたりが開けて、木無山の山頂に到達する。ガスが濃いが雨は降っていなかった。ここにも花は多く、ウツボグサ、ウスユキソウ、サワギク、ミズチドリ、ミヤマオダマキ、オトギリソウ、ワレモコウ。柵で仕切られた一角にはクガイソウが群生している。柵の外では大きな群落はないものの、とにかく花の種類がこの山は多い。

天上山方面の下山路の方まで少し足を伸ばす。笹と樹林を超えると再び開けた草原に出る。木無山という山頂はこのあたりの広い一帯を指すようだ。
途中にある踏み跡を辿ると岩棚の展望地に出る。今日は眺めはないが、なかなかいい場所である。
この岩棚にはボルトや鎖のつけられていた残骸のようなものがある上に、下りの踏み跡を伝っていくと岩の基部へ降りられるようだ。ロッククライミングの練習場所なのかもしれない。

開運山山頂。ガスで展望は得られなかった

展望はない

開運山から御巣鷹山への稜線には、レンゲショウマの蕾がたくさんあった

かなりの群落

開運山山頂直下に、レンゲショウマが一輪だけ花開いていた

一輪だけ開花

柵の内側にオオバギボウシの大群落があった(開運山~御巣鷹山間)

オオバギボウシ群落

ヨツバヒヨドリ(御巣鷹山)

ヨツバヒヨドリ

御巣鷹山から下る樹林帯にはブナの巨樹が点在する

ブナ巨樹が目立つ

大幡八丁峠には、都留方面への下山路が伸びていたが踏み跡は薄い。
裏登山口への林道は手前(指導標は示していない)

大幡八丁峠

三ツ峠裏登山口の駐車場。山小屋関係者か野草パトロール隊と思われるジープが数台停まっていた

ジープ停車中


戻って、四季楽園前から三ツ峠山頂を目指す。この登り道は来るたびにどんどん整備されているようで、新しめの木の階段が付いている。
ガスが濃くなり、夕暮れのような眺めの中、アンテナ施設の建物の壁に某国営放送のロゴマークがついているのを初めて見た。
三ツ峠(開運山)山頂も眺めはないが、さすがにここは登山者で賑わっていた。

このまま引き返すのも味気ない。この先、北の尾根を辿っていこう。天気が回復すれば清八山まで行ってもいい。
山頂から下り出すとすぐに、レンゲショウマの玉状の蕾ががいくつもあった。うち一つはもう花開いている。この先御巣鷹山までの稜線には、レンゲショウマの蕾がたくさんあった。花期はまだ少し先だろう。
それ以外にもクガイソウもよく咲いている。鞍部の平坦地に出ると、柵の中であるがオオバギボウシが大群落を作っていた。
ただ、その柵と登山道の間にはさらにロープの仕切りがあって、柵に近づくことができない。どうやら鹿だけでなく、人間も高山植物保護地から遠ざけられてしまった。
このあたりでガスが切れ、空高い雲を割って青空も一部見えてきた。

北口登山道の入口を分けて御巣鷹山に登る。冬は展望が効くこの山頂も今の時期は樹林が茂り、アンテナ施設が山頂のほとんどを占めているので見通しは悪い。
ここからは樹林下の道となる。急降下がかなり長く続き、足元の悪い岩場もあるのであまり気が抜けない。標高を落とすとレンゲショウマの蕾含め夏の花は姿を消し、鬱蒼とした濃緑の森の道である。
御巣鷹山付近の稜線では天気は好転していたが、下の方はまだ雲の中のようだ。ミズナラやブナの巨樹が点在し、新緑や紅葉の頃はいいところだ。
時折、ザザザッと水の音がする。木々の葉が一晩の雨を受け止めていたものが一斉に落ちてきたのだろう。

登り返したピークには大幡山という、地元の山岳会によるプレートが立っていた。ここからまた下り登る。小さいがなかなか急なアップダウンが連続する。数年前に雪の中を歩いた時の方がスタスタと歩みがはかどった気がする。
落ちる水の音が大きくなったと思ったら、実際雨が降ってきた。鉄塔に出たあたりではガスに包まれ、まるで夕方のようだ。
再び樹林に入り、左手に林道への降り口が見えたと思ったら、そこは大幡八丁峠だった。鬱蒼とした森の中、白い指導標がポツンと立っている。大幡山山頂と同様、ここも東側に都留方面への踏み跡が下りている。地図にはない道である。
峠から直進して清八山に至る短い部分はまだ歩いたことがない。歩く気があれば、清八山から御坂山~御坂峠~三ツ峠登山口と周回コースが取れるのだが、空模様は一進一退、今日はずっとこんな天気のようである。ここでやはり下りることにする。
草いきれのする林道を約40分、三ツ峠登山口の駐車場に戻ってきた。ジープ以外の車はもう、数台しかいない。

帰路は温泉に寄りたいため、いったん御坂峠まで上がって、トンネルをくぐり旧御坂道を下る。
麓は曇り。ももの里温泉周辺の果樹園では、主役が桃からそろそろブドウに移ろうとしているようだった。