2013年12月15日(日) |
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富ヶ谷IC |
5:20 |
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首都高 中央自動車道 中部横断自動車道 |
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増穂IC |
7:00 |
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国道52号,県道9号他 |
8:05 |
大崩登山口 |
8:15 |
8:30 |
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椿草里分岐 |
◇ |
9:10 |
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町界尾根 |
◇ |
9:18 |
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三石峠展望台 |
9:23 |
9:55 |
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三石山 |
10:20 |
10:55 |
三石峠展望台 |
11:15 |
11:25 |
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町界尾根 |
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12:03 |
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椿草里分岐 |
◇ |
12:10 |
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大崩登山口 |
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県道9号,国道52号他
かじかの湯立寄り |
15:15 |
増穂IC |
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中部横断自動車道 中央自動車道 |
16:30 |
高井戸IC |
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中3週間空いての山となった。身延町の三石山に登る。
双葉JCTで中央自動車道から中部横断道、増穂ICで下りる。この山域を訪れるのは、4年前の富士見山以来となる。三石山は一般にはあまりなじみのない山であるが、山梨百名山でもあるのでそこそこは登られているだろう。
三石峠展望台から見る富士山。大沢崩れが圧巻 [拡大]
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大崩集落の最上段に数軒の民家があり、左の斜面に登山口がついていた。登山口脇の水道は利用可能
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大崩登山口 |
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冬枯れの登山道 |
三石峠展望からの眺め。南アルプスをバックに、身延の町並みを見下ろす。左の七面山の大ガレも白くなっていた
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南アと身延の町並み |
展望台からは南アルプス前衛峰である布引山(左)と笊ヶ岳がよく見える
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南アの前衛峰 |
木々の間から、天子山塊の長者ヶ岳などの山々を眺めながらの尾根歩きが続く
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広葉樹の尾根 |
広葉樹の尾根道には、巨樹ではないがブナも混ざっている
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ブナもある |
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数週間見ていないうちに、山はすっかり冬枯れの状態になってしまっていた。道路の気温表示計を見ると氷点下3度。空は快晴だが、今日は西回りの寒気の影響が残り、南アルプス方面は雲のベールに覆われていた。
三石山の登山口へは、まず身延駅近くの細道に入るのだが、国道を北側から走ってくるとその入口がわかりにくい。いったん駅まで行ってから改めてその道を探す。駅前のロータリーから北方向に300mほどの最初の角を右折する。「願い橋」を渡り踏み切りを越えた後、数件の民家を見て細い林道を上がって行く。
まだ駅とそう距離も離れていないのに、この崖下の細道はカーナビにも記録されていない。舗装されてはいるが路面はデコボコで落石も多く、運転にはかなりの慎重さが要求される。
ノロノロ運転で15分ほど、大崩という小さな集落に入る。道が入り組み、高いほうを目指しさらに5分ほどで見晴らしのいい明るい斜面に出た。1軒の民家と駐車スペースがあり、山側の畑地に三石山登山口がついていた。
支度をして出発する。畑地では犬が2匹しきりに吠えてくる。上部は小さな茶畑になっていた。ここからは南アルプス方面の展望が得られるが、雪はまだらに見える程度なので、3000mの主稜線ではなくその前衛、布引山~笊ヶ岳あたりが見えているのだろう。
下の民家の人は毎日、こんないい眺めを見ながら生活しているのだと思うとうらやましい。
道はすぐに樹林帯に入る。少しの登りで椿草里への分岐を見る。明るい稜線だが、両側は背丈ほどもある笹が伸びていて眺めは悪い。やがて若い檜の植林帯となり、さらに眺めは利かなくなった。
この地域の山は植林が多い印象があるが、ここの植林は歩いている回りだけで、少し上下したところの斜面は笹と落葉樹になっている。
正面に三石山に続く尾根を見上げるようになるころ、道は尾根を外れて山腹の斜面に取り付く。やがて南北に伸びる尾根に乗った。これは身延町と南部町を分けている町界尾根で、そのまま三石山山頂に通じている。
尾根から10分ほどで明るくなり、自然林の中の切り開きに出た。三石峠展望台で、南アルプスと富士山の眺めが得られる。
右(東)側に富士川沿いの町並みが横たわり、そのはるか上が南アルプスの稜線である。寒気による雲の帯は少なくなってきたが、まだ3000m峰の姿はなく、登山口で見た前衛の山(笊ヶ岳、布引山、這松尾山)が展望の主役だ。また、七面山の特徴的な大ガレもここからは真正面に見える。
その反対側には、天子山塊を隔てて富士山が大きい。この展望台は帰路でゆっくりすることにして、先に進む。
道はにわかに岩っぽいヤセ尾根となる。鎖の3本ほどかかった急斜面を這い上がる。自然林の稜線は明るく、展望の開けるところはないが木の枝越しに南アルプスや富士山が見える。はるかかなたに太平洋の光る海面も視界に捉えられた。
「三石山の天然林」との標識を見る。よく見渡すとブナもあって、葉のついた時期は季節感のある尾根道となりそうだ。ただ、先ほどの展望台以外で大きく眺めの開ける場所がなく、それがやはり惜しい。
再び檜の植林下を巻き、ひと登りすると三石山の奥宮の前に出た。周囲には山名の由来と思われる大きな岩石がいくつも屹立している。山梨百名山の標柱の立つ山頂はそのすぐ先だった。
山頂に展望はなく、東側に続いている檜林の中にも踏み跡は通じていないようだ。巨岩の下には道がありそうだが、一般的ではないようだ。奥宮の前で軽く食事をして体を温め、下山とする。それまでの道が単調な分、突然始まる岩場の下りではよけい慎重さが要求される。
展望台に再びやって来る。南アルプス上部の雲がかなり取れて、ようやく雪化粧した高峰が見えるようになっていた。ただやはり、ここからは前衛の稜線の背が高く、一番大きく見える悪沢岳でも上のほうしか見えない。聖岳は本当に先っぽだけ白いのが覗いているだけだ。さらに右手には間ノ岳と思われる白い壁が見えている。
反対側の富士山には十分に光があたり、大沢崩れが形作る陰影が圧巻である。まるで富士山が真ん中でパックリと割れているようだ。
展望場所の限られた山だが、見るべきところは見えてくれたのでよしとしよう。
植林帯に入って尾根を外れて行く前に、ちょっと尾根通しに進んでみた。大きなガレの縁をなぞって少し進むと、右手に踏み跡が伸びており、隣りの1152m、1377mピークに続いているようだ。この道をどんどん行き詰めると毛無山から天子山塊に南下する稜線に接続できそうで、ネットを検索すると山行報告も見かける。
来た道を大崩登山口まで戻る。登山者数人とすれ違ったが、快晴の日曜日にもかかわらず静かな山だった。
登山口に着いたのは12時を過ぎたばかり。この山は朝から登ると時間的に中途半端になってしまうので、欲張ってもうひとつ、近辺の身延山や白鳥山などに登ってしまうプランもいいかもしれない。車ならそれも可能なのだが、あまり準備もしていなかったし日も短いので、無理をせず今回は三石山だけで帰ることにした。
身延駅までは車で上って来た道を戻るだけなのだが、わかりにくくて2回も道を間違えてしまった。
山の中は風もなく、思いのほか快適な陽気だったのだが、帰りの高速では南アルプスからの吹き降ろしの風をまともに受け、ヒヤヒヤしながらの運転が続いた。今年の冬の天候は、かなり荒れそうな予感がする。