~落ち葉を鳴らし富士の展望台へ~ みくにさんりょう(1384m) 2003年11月16日(日)晴れ時々曇り 富士吉田駅8:18-[バス]-8:50篭坂峠-9:25アザミ平-10:00大洞山10:05-10:40ズナ坂峠-11:15三国峠-11:45鉄砲木ノ頭12:25-13:05東電寮入口(バス停)-13:20平野バス停13:44-[バス]-14:37富士吉田駅16:20-[バス]-17:05精進湖山田屋ホテル前 歩行時間:3時間45分 |
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富士山を見るための山行、機会は早めに訪れた。久々に、日・月と連日の好天予報。月曜日は今年初めてと言っていい冬型の気圧配置となるので好展望が期待出来る。 昨年の竜ヶ岳・石割山は初日に富士山の西側、2日目に東側に回ったので今回は逆にしてみた。 ブナ林豊かな三国山稜は山梨・神奈川・静岡の三県にまたがる。2日目の三方分山(さんぽうぶんさん)は精進湖の北側に位置し、旧八坂村、精進村、古関村3つの村境の山である。 また、いずれも近くに「パノラマ台」という名前の富士山展望地があるという、共通するところの多い2つの山を麓泊まりで登った。・翌日の三方分山へ
富士吉田駅から見る富士山は、8合目あたりに雲がかかっている。昨晩の雨も上がり、天気はよくなる方向だからいずれ雲は取れそうだ。 篭坂峠(かごさかとうげ)でバスを下り、三国山ハイキングコースの指導標に従い車道を上がって行く。墓地のような場所を通り、山道に入る。黒土の緩やかな登りが続く。 行く先には雲が厚い。11月の富士山周辺は、東側のこの稜線付近によく雲がかかっているのを見かけるが、そのパターンのようだ。 稜線に上がると、静岡側からガスが上がってきて、たちまち頭上は白一色となり残念。 樹林の間から垣間見える御坂山塊はどれも青空の下なので、このコースを選んで何か損した気分だ。 しかし周囲のブナを中心とした落葉樹の森は、やはり素晴らしい。昨年の5月に登った(というよりここは「歩いた」と言ったほうが正確だ)ときは、身も染まるような新緑の森だった。今日は黒土の上に茶色の落ち葉。ブナの白っぽい幹の色とあいまって、実に絵画的である。 今日は中判カメラ「Fuji GA645Zi」持参なので、ブレないように息を殺して撮影する。 時折、両側の山麓から車のエンジン音が聞こえてくるが、樹林の深さがそれを包み込んでくれる。ガスが途切れるたびに左に山中湖、右に富士東南麓の町並みが見下ろせる。 山中湖側すぐ下に見えているのに対し、東南麓側の町並みははるか下で、左右で高度差が全然違うのが面白い。
大洞山(1384m)、三国山となだらかな稜線歩きの後、明神峠への道を分け左に折れる。急坂を下り車道の通る三国峠。稜線を外れるとガスは全くなくなり、頭上に青空が大きく広がる。 鉄砲木ノ頭へはカヤトの中の急な登り。みるみる視界が開け、振り返ればススキの穂波の向こうにでっかい富士山が。さっきまでまとわりついていた頂稜部の雲はきれいに取れている。 祠のある鉄砲木ノ頭(1291m)に登り着く。眼下に山中湖、石割山を包み込むように御正体山の大きな山塊、その奥には杓子山の尾根。そしてもちろん左手には富士山が大きい。それこそ1年ぶりに、こんな大きな富士を見る。 休憩ののち、北西側に付けられたカヤトとススキの道を下る。富士山に向かって進んでいく感じだ。
すぐに車道の横切るパノラマ台に着く。案内板とトイレがあり、車で行楽客が続々と上がって来ている。展望は鉄砲木の頭からのそれをもう少し高度を低くした印象で、見える範囲は大きくは変わらない。 太陽が高く上がり、先ほどと比べて富士山は見えにくくなりつつあったが、車で上がって来た人々はそれでも素晴らしい眺めと悦に入っている。 ここからは緩やかな下り。カラマツの林を通り、舗装道路を何度か横切って、湖畔の車道に下りる。すぐ右に東電寮入口バス停があるが、店のある平野まで車道を歩く。 平野で山中湖の湖辺まで下りてみる。富士五湖から見上げる富士山はそれぞれ個性的で特色があるが、中でも山中湖側からの富士山は一番均整の取れた美しい姿だと思う。 バスで富士吉田駅に戻り、本栖湖行きのバスに乗り換えて精進湖で下車。湖畔の山田屋ホテル前から、夕凪に揺らぐ富士山を撮影する予定であった。 しかしバスの運行が遅れ、接続のいいバスを逃してしまった。2時間ほど富士吉田駅前で時間をつぶし、次のバスで精進湖に着いたのは、日もとっくに落ちた5時過ぎとなってしまった。 山田屋ホテルは、上九の湯と呼ばれる温泉に入れる。露天風呂は精進湖沿いに面しており、富士山が大きく望める。 窓ガラス越しでなく、直に富士山を眺められることが自慢の風呂だろう。しかしこれも、夜になってから入ったため眺めは得られなかった。 |