~朝日に輝く子抱き富士を展望~
タイトル
さんぽうぶんさん(1422m)
2003年11月17日(月)快晴

山田屋ホテル前5:00-5:45稜線-6:00パノラマ台7:25-8:10精進峠-8:45三方分山9:05-9:30女坂峠9:40-10:10精進の大杉-10:20精進-10:25レークホテル前10:26-[バス]-10:40富士緑の休暇村(富士眺望の湯「ゆらり」)11:57-[バス]-12:15河口湖駅12:59-[中央道高速バス]-15:30新宿
歩行時間:3時間30分

マップ
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前日の三国山稜へ
翌朝5時、暗いうちにヘッドランプを付けて山田屋ホテルを出発する。パノラマ台で日の出の写真を撮る為だ。
ホテル横50mの所にパノラマ台を指し示す大きな看板がある。しばらくはジグザグを切って登って行く。幅1m以上はある、緩やかな傾斜の道だ。
ヘッドランプで足元を照らしながら足を進めるが、デコボコなどはなく順調に登れる。

やがて道が狭まる頃、眼下に精進湖が見下ろせるようになる。あたりもだんだん白み始める。木の間から富士山のシルエットも覗く。
見えてきた稜線付近は強い風が吹いているが、ガスなどは出ていない。稜線に上がり平坦な道を少し南下すると、トイレ・あずまやがあるパノラマ台(1328m)に着く。山田屋ホテルから1時間くらいだ。

パノラマ台から日の出の富士

風が強く、こごえるほど寒い。富士山の裾野から伸びる地平線はもうピンク色に染まっている。やがて1箇所が濃い赤色になり、太陽が顔を出す。
パノラマ台から御坂山塊
パノラマ台から御坂山塊
三方分山頂上
三方分山頂上

南アルプスは樹林に隠されて見えないが王岳、鬼ガ岳を中心とした御坂の山々、眼下に精進湖と西湖。右に本栖湖や竜ヶ岳の眺めが素晴らしい。
御坂の山のはるか奥には奥秩父の瑞牆山、八ヶ岳も見える。そして正面には大室山を抱えた「子抱き富士」が裾野まで余すところ無く眺められる。ただ残念なのは富士山は完全に逆光で、山肌の細部が確認できないことだ。

富士山周辺の山を1泊でめぐるには、日が富士山を照らす方角を考えるとやはり昨年採ったコースパターンのほうがよさそうだ。すなわち1日目に西側(朝霧高原付近や本栖湖、精進湖畔の山)の山から昼間の富士を眺め、2日目は山中湖・河口湖の方向から朝の富士を見る。

日が照り始め、ようやく周囲にぬくぬくと暖かさが戻って来た。今年も、これからしばらくは日だまりが恋しい山行が続くことになるだろう。
柔らかな光を背に受けながら、三方分山へ自然林の豊かな稜線を進んで行く。すぐに下部町へのヤブっぽい下りを分ける。
東側は時々切り開きがあり富士山が望めるが、西側は木にさえぎられて展望が利かない。木の向こうに見る南アルプスの3000m峰はどれも、真っ白い雪を頂いている。雪の積もり具合は富士山より多いくらいに見える。

小さなアップダウンが続き、再び富士山側の展望がある精進峠に着く。精進湖へ下りる道の他に、ここにも下部への分岐があるが踏み跡は薄い。

ここからは斜度のきついブナ林の登りがしばらく続く。カラマツが目立ち始め傾斜が緩み、ようやく頂稜部に達したと思ったら、まだ三方分山ではなく、どうやら精進山のようだ。
小さな登り返しのあと、今度は本当の三方分山頂上(1422m)。カラマツ林に囲まれて展望は今一つだが、静かで山深い雰囲気がある。

富士山側はやはり切り開かれている。そこは狭い草地ではあるがゴロリと寝転べられる場所なので、日だまりの下でのんびりと富士見が出来る。今日は、眺める側にとっては常に暖かい陽射しを受けられるので、逆光の富士山も捨てたものではない。
富士山の反対側、飯田釈迦ガ岳から蛾ヶ岳・四尾連湖に続く道もいずれ歩きたい。
精進の大杉
精進の大杉
子抱き富士
子抱き富士

カラマツ林を下り、女坂峠に着く。上九一色村の古関に下る方向を覗いたが、かなり荒れた道のようだった。
ここからは先週の王岳と同様、精進に下る。すっかり暖かく、明るくなった山道を緩く下りて行くと、今日初めて登山者とすれ違う。

砂防ダムを越えて精進の集落。諏訪神社への道に入り、先週見ることの出来なかった「精進の大杉」を見学して行く。樹齢1200年、高さ40m、根元の周囲が12.6mという巨木で、国の天然記念物に指定されている。

精進湖畔に着き、西側に少し歩くと湖越しに富士山が大きく望める。山の上からよりも光線の角度がよく、雪冠がはっきりと見える。
大室山もクリアに見え、子抱き富士の見え方はこの付近が一番いい。昨日、夕方までに到着出来なかったのが返すがえすも残念。

河口湖駅行きのバスに乗る。富士眺望の湯「ゆらり」に入ろうと思って途中下車したが、1200円という高額な日帰り入浴施設だった。
都内のスパ施設のように、1日中のんびりするのがいい場所だろう。山の帰りにザッと浴びるのに利用するにはもったいなさすぎる。

久しぶりに天気に恵まれた2日だった。しばらくは展望の低山歩きが楽しい時期となる。
昨年は寒くなるとすぐ雪が降ってしまったが、今年は落ち葉を踏み鳴らすのんびり山行を何度かしたいものだ。
前日の三国山稜へ


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