~峠をつないで富士五湖へ~
|
|
||
6:58下部温泉駅-[身延線]-7:27市川大門駅7:30-[タクシー]-7:55四尾連湖8:00-8:05登山口-8:25尾根上-9:00西肩峠-9:10蛾ヶ岳9:35-10:20折門峠-10:32栂峠10:37-11:10八坂-11:45三ツ沢峠11:50-12:20稜線-12:40三方分山12:55-13:15精進峠-13:50山田屋ホテル前14:13-[バス]-15:10下部温泉(駅)16:07-[身延線]-17:15甲府駅 歩行時間:5時間05分 |
宿の車で下部温泉駅まで送ってもらう。吐く息が白い。 今日は平日、甲府行きの身延線は途中で中学生が多く乗って来る。市川大門駅で下車しタクシーで四尾連湖畔まで上がる。
「今日は寒いですね」タクシーの運転手さんの挨拶代わりの言葉。数週間前に蛾ヶ岳に登ったとのこと。全山紅葉できれいだったそうだ。 正面に見えてくる3つのピークのうち真ん中が蛾ヶ岳です、と運転手さんが教えてくれる。高度を上げるにつれ、背後の山の向こうに南アルプスの白銀の姿がせりあがってくる。 四尾連湖までタクシー代は3370円だった。天気は上々。予報では午後から曇りであるが、この快晴の空はもう少しもってくれそうである。 四尾連湖から林の中の急坂を上がると、高畠山直下の尾根上に出る。今日は蛾ヶ岳から先は三方分山を経由して精進湖まで行く予定でいるが、時間によっては縦走せずにここまで戻り、市川本町へのコースを下ることも考えている。この道も歴史上の見所が多くありそうで、いつかは歩いてみたいコースである。 もっとも蛾ヶ岳はこの歴史ある道を登りにとって四尾連湖畔に泊まり、翌日峠越えして精進に下るコースをアルペンガイドでは紹介している。春の花の季節、紅葉、冬枯れ、残雪の時期それぞれ楽しめそうだ。
すっかり落葉した木々を透かして、正面に蛾ヶ岳の端正な三角形が見えてくる。急なところのない、快適で気持ちの良い落ち葉道となる。 富士山は蛾ヶ岳の真後ろに位置しているのでなかなか見えにくいが、進む方向が変わると、時々姿を現す。 道はやや登りとなって、さらに行くと六地蔵のある西肩峠。ここから鋭く左に曲がって直線状の急登、蛾ヶ岳の頂上に達する。 なお西肩峠は直進する踏み跡もあり、麓の集落に下れるようだが熟達者向きとの事だ。 蛾ヶ岳頂上からの展望は素晴らしい。360度というわけではないが富士山方面は大きく切り開かれており、何と言っても北西方面の眺めが圧巻だ。 南アルプスは黒々とした黒戸尾根を前衛にそびえる甲斐駒を起点とし、北岳など白根三山、塩見岳や荒川岳まで見える。 広々とした甲府盆地の先には雲と雪を被った八ヶ岳、奥秩父の茅ヶ岳・金峰山も高い。今回の山行で一番の眺望にありつき、ザックを下ろすのも忘れて展望に魅入る。
富士山は大きいが、この時間はすでに逆光なのでシルエットになっている。それでも、手前に脈々と伸びている御坂・天子の山塊を見事に纏め上げ、堂々とした姿は変わらない。 時間的には問題なさそうだ。三方分山~精進のコースに歩を進める。 蛾ヶ岳からは、最初は急坂となるがそれも短い距離で、以後は平坦で歩きよい道が果てしなく続いていく。 小さなピークもいくつか越えるが、日の差さない斜面にはシモバシラが多く出来上がっている。シモバシラを見るのは実はこれが初めてだった。自然が作り上げたまねの出来ない氷のオブジェである。 |