~峠をつないで富士五湖へ~
タイトル

ひるがたけ(1279m)から
さんぽうぶんさん(1422m)
2006年12月4日(月)晴れ

マップ
6:58下部温泉駅-[身延線]-7:27市川大門駅7:30-[タクシー]-7:55四尾連湖8:00-8:05登山口-8:25尾根上-9:00西肩峠-9:10蛾ヶ岳9:35-10:20折門峠-10:32栂峠10:37-11:10八坂-11:45三ツ沢峠11:50-12:20稜線-12:40三方分山12:55-13:15精進峠-13:50山田屋ホテル前14:13-[バス]-15:10下部温泉(駅)16:07-[身延線]-17:15甲府駅 歩行時間:5時間05分
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栂峠に立つツガ
栂峠に立つツガ [ 拡大 491×700 ]

折角峠では下部町に下る道が分岐していて、このへんの雰囲気はいかにも峠らしい。木枯らし紋次郎でも歩いていそうな風情である。昔は峠越えの道としてよく歩かれていたことだろう。
気の向くままにこういう分岐道を辿るなどして、山旅気分を味わってみたくもある。しかし旅人になりきれないただのハイカーは、精進までの道を進んでしまう。

以後も南側の集落に通じていそうな分岐が何本も現れる。次の栂峠(地蔵峠)もほっとするようないい峠だ。背の高い栂(ツガ)の木が1本、まるで道しるべのように立っている。根元にはお地蔵様の小さな碑がポツンとある。


折門峠

富士山の展望がいい

連なる山並み

栂峠以降は、山道は稜線のやや下側につけられている。桧林の暗い中を通ったと思うと突然あたりが開け、富士山が現れたりもする。時間の経過とともに周囲の山には雲が出てきて、毛無や竜ヶ岳などの天子山塊は大きな雲に覆われ始めている。富士山も下部が雲がちになっているがまだ大丈夫だ。

なお栂峠から先、尾根に沿って村界線をなおも進もうとするなら、アンバ峠・八坂峠を越えて(飯田)釈迦ヶ岳に通じる。しかし栂峠から見る限りはヤブで踏み跡も見つけにくい。

右下に車道、そして八坂(はっさか)の民家が見えてくる。その民家の脇を通っていったん車道に出る。すぐに山道に戻る入口があるがまだしばらく車道を行く。仮にこの山道に入れば八坂峠、そして尾根伝いに釈迦ヶ岳に行けるようだ。

車道を進み右手に下りる山道に入る。ミズナラの大木を過ぎると樹林の中の静かな三ツ沢峠である。地図によるとここから三ツ沢集落に下り、精進峠に直接出る道もあるようで興味がある。
今日は正統派で、このまま三方分山への道を行く。ここからの登りはきつい。目の前に横たわっている釈迦ヶ岳から三方分山にかけての尾根はすごく高い。しかしここは一歩一歩。そうすればあの稜線に立てると思いひたすら頑張る。
昔の旅人もこのきつい坂を登ったのだろうか、それともさっきの三ツ沢峠で近道を選んだのであろうか。


三方分山

精進峠から精進湖

下山口の正面に富士山

尾根が広がって、道が判然としなくなる。待ちわびていた指導標の姿がようやく現れる。右、三方分山。木の間から再び南アルプスの姿。正面には王岳に続く御坂山塊の尾根が見えてくる。

いったん傾斜が緩まり、急登の先が山頂かと思ったがまだ先があった。もうひと頑張りしてようやく3年ぶりの 三方分山となる。

富士山はもう雲の中。でも四尾連湖から峠越えしてここまでやって来れた充実感が湧く。それにしても今日はここまで、誰一人として会わない。おそらく今日1日、この峠道をひとりじめしていたのだろう。

精進峠まで快適な冬枯れの道を行く。精進峠には、さっきの三ツ沢峠からの道が上がってきていて指導標にも「下部町」と示しているが、直下はかなりのヤブ道のようだ。
反対側、精進に向けて下る。ジグザグの下りは気持ちいい。正面の富士山は雲が取れてきた。
植林帯の暗いところで再びシモバシラを見る。

四尾連湖からのコースは、8時間も9時間もかかるような長い行程ではなかったが、はるばる来たという言葉がぴったり来るようなまさに峠越えの道だった。他の山域や登山道では味わえないムードがある。こういうコースが御坂山塊の明るいイメージの地の裏側にあるというのが面白いところだ。

道が斜度を失うと、真正面に精進湖、そして大きな富士山が再び姿を現した。



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