~ブナ新緑とツツジに満ちた稜線~ ひのきぼらまる(1601m) 2008年5月23日(金)晴れ後時々曇り
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前の週末、新緑が一番いいタイミングで土日出勤となってしまった。天気もよかったので残念。しかし、代わりに平日に休暇がとれたのでかえってよかった。 シロヤシオの開花で、土日なら激混みする檜洞丸に登った。3年前にも同じ時期に雨の中を苦労して登ったが、今回は天気は大丈夫そうである。 自宅を4時半に出発。東名高速を大井松田で下り、箱根の山を見ながら西丹沢の山深く入っていく。朝早いので渋滞もなく、2時間で西丹沢自然教室に到着する。すでに車が5台ほど停まっていた。 朝のひんやりした空気を肌に感じる。しかし今日は紫外線がすごそうだ。歩き出しの準備として日焼け止めは欠かせない。 車道をさらに奥に行く。久しぶりに歩く道なので、右手の山に入っていく登山口をうっかり過ぎてしまいそうになった。沢沿いの薄暗い道に入り、すぐに小尾根の上に上がる。
ゴーラ沢出合までは平坦もしくは緩やかな登りの道だ。標高が低いこのへんの森ははすでに深緑の様相である。 登山口から30分ほどで、ゴーラ沢に下りる。意外と水量が多く、トレースがややわかりにくい。左岸にあるツツジ新道の取り付き口へは、飛び石伝いで沢を横断した。少し靴が濡れた。
ツツジ新道は最初から急登だ。新道と言うからには旧道もあるのだろうが、どの道なのかはわからない。 だいたい新道と名付けられた登山道は急できついところが多い。旧来の道は時間がかかるので、急峻だが距離の短い道を開こうとして出来るのが新道だからだろう。 高度を上げると緑の色合いも少しずつ軽く、明るくなっていく。ベンチのある休憩所は先客がいたのでそのまま進む。 ブナの大木が多く現れ、今まさに新緑真っ盛りだ。シロヤシオはどのあたりから姿を見せるのか。今日の視線はもっぱら上に向いている。縁の赤く染まった葉が目印だが、なかなか見られない。 急登が緩やかな登りに変わり、展望台に上がる。もやっとした青空の中に富士山が浮かんでいた。 そのすぐ先で、トウゴクミツバツツジを見る。派手な深い紫色の中にも、どことなく気品が感じられる。再び急登となるとようやくシロヤシオの登場だ。満開とまではいかないが、高度を上げるほどに花数は多く見られるようになる。それに合わせるかのようにトウゴクミツバツツジも目立って増えてくる。 再び眺めのよい場所に出る。石棚山稜コースとの合流点で、満開のシロヤシオを前景に大室山の大きな山体を望む。眼下にはツツジ新道や石棚山稜が鮮やかな新緑色となっている。檜洞丸山頂も、左手に穏やかな姿を見せてきた。 ここから檜洞丸山頂までは標高差100mもない。登山道の崩壊が目立ってくる。ソーラーシステムの設備を見るあたりでは木々も芽吹き程度に。ここより上になるとシロヤシオの開花はまだのようだ。 やがて木道に上がり、バイケイソウの群落となる。バイケイソウだけではなく、同じような背丈のマルバダケブキも一緒に葉を伸ばしている。両者が混生している場所では、バイケイソウのほうが枯れてしまっているのが気になった。 マルバダケブキは繁殖力の強い植物で、奥多摩の石尾根などは今や、このマルバダケブキに多くの場所を占められてしまった感がある。鹿の食害などで荒らされた場所に大きな群落を形成するともいわれる。 花は派手で見栄えがするのだが、バランスを考えると、ほどほどの群落であってほしいと思う。木道も奥のほうまで進むと、林床はバイケイソウ一色になった。 |