~節分草を見て初の芦川の山へ~
タイトル

あしがわほくりょう 2007年2月26日(月)快晴

5:22甲府駅-[身延線]-5:49芦川駅6:25-[町営バス]-6:45古宿(節分草自生地)11:15-12:30・901m峰手前(引き返し)-13:10古宿13:30-14:30三隅草自生地15:45-16:30芦川駅16:41-[身延線]-17:15甲府駅 歩行時間:3時間35分

マップ
1 2 Home


芦川北稜への登り
芦川北稜への登りにて。背後に南稜が大きい

古宿から901m峰を経由して芦川北側稜線(北稜)の大峠を目指す。もう11時を過ぎてしまい、あまり時間的な余裕はなくなってしまった。大峠まで1時間半、これをメドにしよう。

芦川北稜は御坂の釈迦ヶ岳、春日沢ノ頭、滝戸山から延々と西に延びている長い尾根で、自分はまだ釈迦ヶ岳しか登っていない。

今年は何度か登ってみたい山稜なのだが、滝戸山より西側はあまり歩かれていない。エアリアマップは掲載範囲外、ましてや登山ガイドなどで紹介されることもまれである。インターネットで山行記録を検索してもそれほどなく(稜線の縦走記は多い)、ここ古宿を登路とする記録はついに見つけられなかった。
地形図には破線で表示されており、昔は峠道であったに違いない。今でも道形はあるだろう。ただし地形が複雑なので地図読み能力が要求される。

節分草自生地の向かい側に芦川を渡る橋があり、農地の脇に細道が山の上に伸びている。取り付きはここでいいだろう。
すっかり暖かくなった中、ジグザグの道をどんどん高度を上げていく。背後には芦川南稜の大畠山の大きな山体がある。


石積みが現れる

芦川の集落

急登であるが道自体は歩きやすい。ある程度上がったところで畑地や石積みが現れる。おそらく農作業用としてこの道は使われているであろうと想像される。
傾斜が緩くなってからは道は踏み跡程度になる。尾根の形状やテープを頼りに地図を見ながら登る。

踏み跡はしばらく、尾根の少し西側に下がったところについているがほどなく尾根上に上がる。ヤブっぽいがこのあたりはまだわかりやすい。尾根が広くなったあたりで高萩からの道が上がってくるかと期待したが見出せなかった。

テープを追い、今度は東側につけられた巻き道に入るが、少し行くとギャップがあり、その下が大きく崩壊していた。
ロープはついているが無理して通過するには下手したら宙吊りになる。ここは巻き道をあきらめ尾根伝いに登る。しかし尾根上はヤブがひどいので、仕方なく西側に逃げる。踏み跡はなくなったがたまにジュースの缶などが落ちていて、人の通った形跡はある。

この先、まだまだ登りがあるようだ。もう1時間はとうに越えている。時間がかかりすぎているので、もしかしたら901m峰はすでに通過していて大峠に向かっているのかとも思いながら登っていたが左側からもう1本尾根が迫って来た。地形図と照らし合わせると、やはりまだ901mの手前のようである。

尾根と尾根の間を登る格好になり、先にようやく明るいところが見えてきた。しかしまだ遠い。
登り出しからもうすぐ1時間半なのでタイムアウト。大峠どころか901m峰さえも達せなかった。やはり今日は節分草が第一目的。無理して登るのはやめようと考え直す。

そのまま来た道を引き返す。南東方面に節刀ヶ岳の見覚えのある突起が見える。初めて訪れたなじみのない山域だが、今まで足しげく通った御坂山地のすぐ裏側なのである。自分の山歴ももう10年目、これからは山域と山域、尾根と尾根同士を結ぶ山歩きに興味を見出すことになると思う。

南に面した暖かい斜面にはタチツボスミレも咲いていた。古宿にまた下り、もう一度節分草を見てみる。すでに日がさんさんと照っていて、かえって写真に撮りにくい。

今日はこれで終わりではなく、もうひとつの早春の花、三隅草も見たい。本来なら山を縦走して下山したところで見たかったのだが、結局車道を歩いてのアプローチになってしまった。でもそれもまたいいだろう。
14時過ぎに三隅草の自生地に着く。平日ということもあり誰もいない。

三隅草





ここは節分草自生地の場所よりもさらに太陽光に乏しい場所で、もちろん北斜面である。今の季節ならおそらく午後1時以降、山の稜線をなぞってようやく弱い光が注ぐ程度でしかない。三隅草はこうした暗がりを好む植物とも聞く。

カタクリもイワウチワもいままでいろんな場所で見てきたが、寒々とした北斜面に群生しているのが圧倒的に多いことに気づく。これは光や暖かいところが嫌いというよりも、やはり風雨を避けているのだろう。
南関東の山に住む動植物にとって、南からの強風と雨は気象上での一番の大敵であろうから。

1時間ほど三隅草を見て、帰路に着くこととする。時間的には少し待てばあの町営バスが来る。が、歩いてもさほど変わらないのでこの際芦川駅まで歩くことにした。結局古宿から芦川駅まで2時間弱の行程を歩き通すことになった。

甲府盆地を挟んで八ヶ岳や茅ヶ岳、奥秩父山塊のシルエットが正面に見ながら、市川三郷町の家並みを見下ろし芦川駅に戻る。



前のページ Home