~人気の山静かな道~
タイトル
うなざわたんしょうろからおおだけさん(1266m)
2003年3月30日(日) 晴れ後曇り

7:50奥多摩駅-8:20海沢橋-9:50海沢園地9:55-10:00三ツ釜ノ滝-10:50若宮沢10:55-11:40枝尾根-12:00縦走路-12:05大岳山12:45-13:00大岳山荘-13:35鍋割山13:40-14:00961m峰-14:35大楢峠-14:50城山分岐14:55-15:10上坂集落15:20-16:15奥多摩駅 歩行時間:7時間25分

マップ
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奥多摩駅から昭和橋の方向に歩き始める。海沢を経て大岳山に登る予定だ。
白丸駅からのほうが若干近いようだが、それは前に歩いているので、ちょっと気分を変えてみた。

都心では桜の季節に入り始めたが、このへんは今は梅が盛り。庭のある民家にはたいてい梅の木が花を咲かせている。周囲の木々は芽吹き始めたものもある。
車道をそのまま進み愛宕(あたご)トンネルのある交差点。続いて海沢橋付近は道路工事中。民家もちらほら見られる程度になり、春うららの山村風景が展開する。
アオイスミレ
アオイスミレ

左手に都の水産試験場が見え出す。その向かい側の小斜面にアズマイチゲ、カタクリを見る。どちらも花開いてなくうつむいたまま。帰りには開いているだろう。
海沢林道に入るとやはりアズマイチゲが林床に咲いている。まだ数は少ない。

フサザクラ
フサザクラ

やがてアメリカキャンプ場。暖かい日差しを浴びフキノトウ、続いてアオイスミレ・タチツボスミレ、対岸にはキブシやフサザクラ、ダンコウバイ。このへんは早春の樹の花が満開状態だ。

短いトンネルを経て、道は緩やかな登りになっていく。山肌はまだ灰色のまま、ダンコウバイの黄色だけが鮮やかに映る。
大きなザックを背負った女性に抜かれる。ようやくあずまや、トイレのある海沢園地に着く。

海沢探勝路は大岳山の登山コースの中ではややマイナーで少々荒れ気味なところがある。以前、9月に登ったときはかなりヤブっぽかった。今の季節はそれほどでもないだろう。残雪がどのくらいあるかだ。

沢沿いに歩き出し、すぐに三ツ釜ノ滝に着く。下から見ると釜は2つだけのように見える。鉄階段を登り、落ち葉の積もる山道を登って行く。
植林の中に2匹のリスを見かける。やはり雪が溶けてうれしいのか、ちょこまかと動き回っているので写真に撮れない。

大滝
大滝
自然林の尾根
自然林の尾根

ネジレの滝への道はパスし、大滝の基部に下りる。大きく堂々とした滝である。水しぶきの当たる位置まで下りるとかなり寒い。
登山道に戻る。植林と自然林を交互に繰り返すものの、周囲は総じて明るい。北斜面にもかかわらず日差しも十分にあり、そのせいか雪は全く残っていない。

道は時々、踏み跡程度になったりもする。時たま見る指導標は年季の入ったものばかりだ。
沢をいったん離れ、再び合流するところが若宮沢出合。大きなワサビ田があり、以前来たときには気づかなかったが林道のようなものも見える。右岸に移り、歩きにくい植林帯の細道を登る。

標高850mのプレートを見たあたりから、雪が現れ始める。太陽が雲に隠れるようになり、肌寒さを感じる。
1000m付近からは急登の斜面が待ち構える。9月にはヤブがうるさかった所だ。今は凍結していてかなり歩きにくい。ひと踏ん張りして指導標の立つ枝尾根に登り着く。
アシビやコナラなどの自然林の向こうに、大岳山の頂稜部が見える。急登は一息つくが、ここからもだらだらした登りが続く。

分岐から20分ほどで、ようやく縦走路に飛び出す。大岳山から鋸尾根・奥多摩駅へ下りる道だ。海沢探勝路では女性1人にしか会わなかったが、縦走路ではさすがに何人もの人とすれ違う。

大岳山頂
賑わう大岳山頂

5分ほどで大岳山頂(1266m)。すでに12時を過ぎ、全体的にもやがかかっていて富士山は見えない。御前山、三頭山はやはり大きく、遠くにはうっすらと大菩薩嶺の輪郭も見える。明るく開放的な頂だ。
人出もすごく、団体さんがあとからあとから登って来る。今日が今年の登り初めの人も多いのだろう。山頂にいる人を見ると、今日はちょっと平均年齢が高い気がする。暖かくなるのを待ってどっと繰り出して来た。これから奥多摩の山の一番楽しい季節になる。

大岳神社、大岳山荘方面へ下る。岩尾根には少し雪が混じる。岩がなくなるとぬかるみの道となり慎重を期す。
鍋割山へ向かう平坦な道は、昨年4月6日に歩いたときはカタクリが満開状態だったが、今年はまだ葉さえも見られず、1000m付近の稜線はまだ冬のままである。昨年はやはり異常な早さで春がやって来ていた。
朝のカタクリをもう一度見るために、大楢峠を経て海沢に下りたい。御岳山~裏参道経由ではやや長丁場だ。となるとあの道しかないだろう。鍋割山から北尾根を下り、大楢峠に直接向かう(奥多摩マイナールート探訪へ)

導標
唯一の導標?

鍋割山(1084m)から、4年前の自分の書いた文章を思い出しながら下るが、意外とアップダウンが多い。
981mピークから北西方向の尾根を下るはずなのだが、その方向はヤブのみで、踏み跡は東側に続いている。おかしいと思い、ちょっと引き返してみたりもするが別の道は見つからず。
諦めて東の踏み跡をたどると、すぐの所で踏み跡は西側に折れていた。自分の書いていた文章ではやはり説明が足りず、自分で自分に惑わされてしまった。生半可な登山道紹介のページは返って人を惑わすことになりはしないか。

以降は道は明確。但し、展望の開けるススキの原は倒れた枯れ笹が踏み跡を覆っていて、足を取られやすい。
鍋割山から1時間弱、下り着いたところが大楢峠だった。海沢園地に下る林道が上がって来ているが、これを見送り、城山分岐までの杉林の道を行く。
アズマイチゲ
アズマイチゲ

分岐から上坂集落へ下山する。奥多摩霊園から車道をたんたんと下っていく。
朝の水産試験場の前に着くとやはりカタクリ、アズマイチゲは花開いていた。群落ではないが、自然に咲いている感じがしていていい。
秩父のセツブンソウと同様、本来はどこにでも咲いているような野草のはず。群落だ自生地だと、昨今ではあちこちで野草が保護の対象になってしまうのが残念な気もする。

奥多摩駅まで歩いて戻る。ホリデー快速がちょうどの発車。静かで、それでいて久しぶりに賑やかな山の1日だった。


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