|
2011年11月5日(土)
| ◇ | | 代々木駅 | 5:16 |
| 中央線 |
5:55 | | 立川駅 | 6:04 |
| 青梅線 青梅駅乗換 |
7:17 | | 奥多摩駅 | 7:25 |
| 西東京バス |
7:45 | | 東日原 | ◇ |
9:05 | | 展望地 | ◇ |
10:05 | | 一杯水 | ◇ |
10:30 | | 三ツドッケ | 10:50 |
11:05 | | 一杯水 | ◇ |
12:00 | | 仙元峠 | 12:07 |
12:22 | | 蕎麦粒山 | 12:45 |
13:40 | | 塩地ノ頭 | ◇ |
14:05 | | 笙ノ岩山 | 14:32 |
15:55 | | 林道 | ◇ |
16:00 | | 川乗橋 | 16:25 |
| 西東京バス |
16:52 | | 奥多摩駅 | 16:32 |
| 中央線ホリデー快速 |
18:21 | | 新宿駅 | ◇ |
|
奥多摩駅は朝からハイカーで大混雑。バスは増便が出た。日曜日の天気が悪そうなので、みな今日出かけてきたようだ。
終点の東日原バス停から、坂道を上がっていく。最上段の民家の屋根を見て、ここから先は山の中となる。檜の植林帯がしばらく続く。
どうも体が重い。最近体を鍛えていないのでかなりなまっている。後ろから来た人にどんどん抜かれていく。毎週のように山を歩いていても、それだけでは結局体力は落ちていく。家でも筋肉トレや柔軟などをやって地道に体力維持に努めていかないと、この先どんどん老化してしまいそうだ。
色鮮やかな鳥屋戸尾根
|
片側が落葉樹になるところまで高度を上げる。歩くほどに、木々の色づきはだんだんと鮮やかになっていく。右手が開ける場所で方向を少し変え、両側が落葉樹となる。標高1100mから1200mくらいが、紅葉の一番の盛りになっている。
ヨコスズ尾根はミズナラ、カエデなど紅葉の映える樹林で包まれている。さらに高度を上げると尾根状になり、太いブナもどんどん見られるようになった。オレンジ色の葉が風に揺れている。行く先に横たわる長沢背稜は、そろそろ灰色の冬の姿に戻りつつあるようだ。
倉沢からの細い踏み跡を合わせる。さらに緩やかに高度を上げると木々の葉も落ち、心なしか空が広くなったような気がする。
| 日原集落 |
| 枝を広げる |
| ヨコスズ尾根 |
| 紅葉鮮やか |
| ブナ黄葉も |
| 展望の頂 |
|
一杯水に着く。避難小屋の背後にはまだ紅葉が残っていた。小屋の裏手から踏み跡を上がる。直径2メートルほどのブナの大木は、このあたりでは存在感がある。以前は冬でも笹薮をかき分けて登ったこの道も、今はすっきりしてしまった。 数個のコブを越えて最後のひと登り、三ツドッケ頂上に立つ。
ここは展望の地。天候はゆっくりと下り坂だが、石尾根や丹沢の稜線、そして富士山が裾野まで見えて、実に端正ないでたちである。数名の登山者が休憩している。
夏が過ぎ秋の紅葉シーズンもそろそろ終盤。山は日を追って静かな場所になっていく。鳥も鳴かず虫も、蜘蛛の巣もない山道に一抹の寂寞を感じるのも今の季節だ。
山が1年をかけて1回、大きな深呼吸をしているとしたら、今はちょうど息をはき終わりつつある段階だろう。
小屋まで降りて、都県境尾根を東に進む。一杯水から仙元峠の間は、雲取山から長沢背稜~都県境尾根と伸びる登山道の中では比較的アップダウンの少ない、歩きやすいところだ。
初めのうちは檜林で薄暗い。一杯水の水はチョロチョロだった。
少し先で、グミの滝から浦山に下る踏み跡が分岐しているが、この道はまだ歩いていない。地元の山岳会の人による張り紙がある。それによれば、グミの滝コースは崩落が進んでいるので、いずれ登山地図からこの道を削除する予定だそうだ。長沢背稜や都県境尾根から秩父側に下るコースは難路が多い。
仙元峠へは登山道を北へ少し外れ、若干の登りで着く。ここは峠というよりも山である。昔は、上州からやって来る富士見講の人たちがよく登ってきたそうだ。
「せんげん」は富士山の浅間神社と通じており、富士山がよく見える場所にこの名前がつけられていることが多い。今は樹林下の峠になっているが、よく見ると背の高い檜の木の向こうに、富士山が覗いていた。
細いがすっきりした尾根道を行く。ここも同様、笹藪は消滅している。若干登り返して蕎麦粒山山頂に着く。ここも数名の登山者。展望はあまり開けないが、川苔山へ続く防火帯の尾根道がよく見える。昼食休憩して先を進む。
鳥屋戸尾根は10年前、薄雪の中を歩いて以来である。葉のすっかり落ちた中だったので、眺めのいいイメージを持っているのだが、一般ルートではないから、葉が茂れば藪尾根になるかもしれない。奥多摩の二大尾根である石尾根と都県境尾根の間にあり、奥多摩の山歩きコースとしては、位置的に貴重である。
蕎麦粒山から急坂を下り、都県境尾根の巻き道と交わるところから、鳥屋戸尾根の登山道となる。しばらくは下りが続く。左側に檜林が続くが、反対側の斜面はオレンジ色に染め上げられている。カエデの木が多いようだ。
やがて両側が落葉樹になり、落ち葉に敷き詰められた色とりどりの道を緩く登り下りする。長い登り返しとなって着いた1268m地点は塩地ノ頭というらしい。
樹林を透かして、この先で尾根が左に曲がっているのがわかる。その一番高いところが笙ノ岩山のようだ。
急登もなく、笙ノ岩山山頂に着く。樹林に囲まれていて展望は乏しい割に、三角点がある。
「笙」(しょう)とは珍しい字だが、竹で出来た吹奏楽器のことである。だがこの山に竹林があるわけでもない。ものの本によると、ここ笙ノ岩山の山頂付近に鍾乳洞のような洞穴があって、風が吹くたびに鳴る音が笙を吹くようだから、という説もあるそうだ。倉沢鍾乳洞がここから近い位置にあるため、その音が聞こえていたのかもしれない。山名の謂れを考えることはなかなか奥が深い。
今の季節ならではの紅葉した木々に囲まれた頂で、今日最後の大休止とする。バスの時間に合わせてのんびりと時間を過ごす。
山頂を辞し、下山にかかる。鳥屋戸尾根は最後の川乗橋への下りが急傾斜なため、下山路としては敬遠されているようだ。もちろん登りでもきつい。11年前も、壁のような急登に苦労した記憶がある。
ひとしきりの急坂のあと、いったん尾根上でなだらかになると再び急下降に。ここが覚えていた壁のようなところだ。しかし年月が経って人も多く歩くようになったせいか、踏み跡がはっきりして歩きやすくなったと感じる。
急斜面なのでもちろん慎重に下る。緩急取り混ぜ、着実に高度を落とす。木々の色合いも次第に緑に戻っていく。
やがて下のほうから車の音、そして林道が見えてきた。川乗林道に出た頃はもう4時近かった。今日は色鮮やかな奥多摩の秋を、1日かけて堪能した気分だ。
数分歩いたところの川乗橋バス停でバスを待つ。
|