この日は積雪15~20cmほどのスノーハイクだった。天気もよくて暖かく、印象に残る山行となった。
川乗橋のバス停で下車し、川苔山方面の林道に入る。すぐに左の尾根に登る分岐道がある。以前、ここには「山火事注意」の看板しかなかったらしいが、今は「→笙ノ岩山」と書かれた指導標が立つようになった。最近になって、けっこう歩かれ始めたからだろう。
しばらくは薄暗い植林の中の登りとなるが、息たえだえになるほどの傾斜ではない。1時間もしないうちに尾根に登りつくと、左側に日原方面が眺められるようになる。自然林と植林の繰り返しとなり、やや急な植林帯を登りきると、岩の目立つ鞍部に立ち、それ以降はなだらかな登りになる。
このあたりから雪が道を覆うようになった。
快適な尾根歩きが続く。背後には六ツ石山を中心とした石尾根の山々が大きく見えてくる。また、三ノ木戸山の後ろに富士山が見え隠れしている。この角度から富士山が見えるとは意外だった。
ずいぶん高度をあげたと思うころ、左に笙ノ岩山へ導く小さなプレートがあった。ヤブっぽい道を数分登ると、そこは開けた笙ノ岩山の山頂だった。
山頂からは、木の間越しではあるが、いろいろな山が見れる。南面に六ツ石山、高丸山、鷹ノ巣山、七ツ石山。西に天祖山、その奥に雲取山。北に酉谷山、三ツドッケ。山頂から少し北に進んだところからは蕎麦粒(そばつぶ)山、日向沢ノ峰、東側に川苔山と、奥多摩の山のオンパレードだ。
よく、山頂から見える百名山の数はいくつ、と数えることがある(例えば甲武信ガ岳からは43座)が、ここはその奥多摩版だと思う。これほどの数の奥多摩の山が見えてしまうのは稀少価値だ。
山頂でお湯を沸かし、アルファ化米の入ったパックに注ぎ込む。この後行く蕎麦粒山で、ちょうど食べ頃になる。
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六ツ石山、鷹ノ巣山
天祖山、雲取山
川苔山
三ツドッケ
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