~新緑の石尾根・長沢背稜をぐるりと周回~
タイトル
日原-鷹ノ巣山-雲取山-長沢背稜-小川谷
2001.5.18.~19. 晴れ時々曇り
マップ
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●イワウチワ咲く長沢背稜へ
朝の雲取山頂
朝の雲取山頂

翌朝、表に出て日の出を迎える。すがすがしい空気、全身に元気がみなぎる。
富士山は始めのうち見えていたが、山荘から人が大勢見に来た頃には、雲に隠れてしまった。

さあ、どっち方面に下山するか、まだ決めていない。芋木ノドッケから長沢背稜を縦走する案。雲取山荘前を通るし水場もいくつかある。飛竜山に行きミサカ尾根を下る案。水が不足しそうだが温泉に入れる。イワウチワはどちらでも見れるはずだ。
天気はよいのだが、飛竜方面を見るとガスに覆われて山頂が見えない。それならということで、長沢背稜に向かうことに決めた。

雲取山荘を過ぎ大ダワ。三峰方面に進むと、間もなくイワウチワが現れた。
急な斜面に取り付き芋木ノドッケへ。黒木に覆われた地味な山頂だが、ひんやりして静けさが漂う。

稜線を下って行く。立ち枯れの針葉樹が目立つ、あの奥秩父を彷彿とさせる情景に出会う。
芋木ノドッケからは長い下りとなる。桂谷の頭から小屋背戸の頭付近は、東京では唯一のシャクナゲ自生地。しかし開花には早かった。つぼみさえもないので開花はまだまだ先のようにも思える。
イワウチワ イワウチワ
イワウチワ

今は、このへんの岩場にはイワウチワが多く咲く。白とピンクの花を咲かせている。急な斜面に外側を向いて咲いているので、写真を撮るのにひと苦労である。イワカガミもまだ咲いていなかった。

長沢山あたりからは針葉樹に代わってカエデ、ブナ、ミズナラそしてカラマツの明るい落葉樹の道となる。新緑がまぶしいほどに美しい。稲村岩尾根もよかったが、奥多摩ではこの長沢背稜。ここを新緑の一番の推薦地としてあげたいほどだ。緑のトンネルをくぐるにつれ、体の力がスーッと抜けて行く感じ。

天祖山方面へ行く2人組と言葉を交わし、自分はさらに背稜を行く。天祖山は土曜日なのに採石の機械の音がやかましい。しかし稜線を進めば、じきにその音も聞こえなくなる。

タワ尾根を乗っ越す付近。ひとりの人がタワ尾根を登って来る。
見ると20代後半から30歳前後の若い女性だった。これから酉谷山を登って熊倉山へ縦走、秩父へ下りるとのこと。日帰りでタワ尾根、熊倉山縦走とは恐ろしい。普通の人なら歩行時間だけで10時間以上の、藪こぎの道である。
二言三言話した後、その人は疾風のように先へ進んで行った。このくらいのスピードがないと日帰りで縦走は出来ないと思った。

長沢背稜
長沢背稜

●酉谷峠から小川谷を下る
酉谷峠に到着。今日は酉谷山には行かず、このまま小川谷を下りることにする。避難小屋の水は、半月前に来たときより出が細くなっている。そういえば、行きの巳ノ戸沢も水量が少なかった。雪が多かった割には山は乾いているようだ。
雨の山行はいやだが、山は適度に潤った場所であってほしいものだ。

石のゴロゴロした急坂を下る。小川谷を下るのは3年ぶりで懐かしく感じられる。高巻きの道を経て三又へ。緑の木々が青空に映える。
三又からは緩やかな登りになる。これが意外と長く感じる。

小川谷林道の終点に出る。2時間ほどの長い林道歩き。ここで急いで筋肉痛になってもつまらないので、つとめてのんびり下る。
鍾乳洞を経て日原バス停へ向かう。奥多摩の代表的な尾根道、石尾根と長沢背稜の半分を2日かけてぐるっと回ってきたことになる。
車道をしばらく行くと、昨日登った稲村岩が再び大きく視界に飛び込んできた。



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