山の写真集 > 奥多摩 > 鋸尾根から大岳山
-芽吹き進む長い尾根-
タイトル
奥多摩駅-大岳山-奥ノ院-裏参道-鳩ノ巣駅
山域奥多摩
地域東京都
標高鋸山(1199m)、大岳山(1267m)、鍋割山(1084m)、奥ノ院(1040m)
山行日2011年4月24日(日)天気1
沿面距離15.0km
歩行時間7時間45分
標高差923m(奥多摩駅~大岳山)
宿泊-
温泉-
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2011年4月24日(日)

代々木駅5:16
 中央線
5:55立川駅6:04
 青梅線
青梅駅乗換
7:17奥多摩駅7:20
7:25鋸尾根登山口
7:45愛宕神社
8:30天聖神社
9:25天地山三角点
9:40鋸山9:50
10:55大岳山11:30
11:45大岳山荘11:50
12:35鍋割山
12:45奥ノ院12:55
13:30御岳平
13:40裏参道分岐
14:55大楢峠15:05
16:15鳩ノ巣駅16:38
 青梅線
青梅駅乗換
17:42立川駅17:46
 中央線特快
18:20新宿駅


関連リンク
[記録] 大岳山から鋸尾根(1997年)
奥多摩町


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今日は、鋸尾根で大岳山に登る。この長い尾根道は14年前に初歩きして以来、いつも下りだったが、今日は初めて登りにとる。
雨上がりの爽やかな朝、奥多摩駅付近は淡い新緑の装い。橋を渡って鋸尾根登山口に入る。歩き始めてものの5分、鋸尾根は奥多摩駅から直に伸びている尾根と言っていい。公園の横を通って長い階段を登り、五重塔のある愛宕神社に上がる。ミツバツツジがそこかしこに咲く。


淡い新緑の装いとなった御岳裏参道

この尾根には思い出が多い。14年前に山を始めて、2回目の山が大岳山だった。
鋸尾根は長い下山路で、ゴツゴツした岩場も意外と多い。ここ愛宕神社に行き着いて、ほっとした気持ちになったことを覚えている。

そのときは山の何たるかもわからなかったのだが、山を歩くことはこういうことなのか、とおぼろげながらその楽しさを感じられた。今、山にのめりこみ始めている人の気持ちを察することのできる、自分にとっては特別な登山道である。

朝の山里
愛宕神社
ミツバツツジ
芽吹きが光る
鋸尾根
低い笹の道

しかし登りとなると、それなりに大変だ。急坂はないが、硬い地面の山道が続く。登計地区から上がってくる車道にいったん下り、植林地を経てさらに登高。アシビも混じる落葉樹のやせ尾根に出ると、足元の斜面にイワウチワが咲くのを見る。標高700~800mあたりまでは芽吹いている。しかし例年に比べればその.ペースは遅い。

木々は芽吹いたばかりで、小さな葉が日に照らされキラキラと光を放つ。ザックの大きな先行者が一人、ときどき視界に入る。ロープのついた岩場を登り、天狗像の奉られた天聖神社に着く。
ミツバツツジの咲くピークは眺めが開け、御前山が正面に見える。頂上部に雪はなさそうだ。昨年の同じ時期には思わぬ雪で、せっかくの御前山のカタクリが見られなかった。

足元に低い笹が現れ、すっきりした尾根になると三角点のある1046.7mピークに着く。そのすぐ先に、天地山から続く尾根と合流。そちらの方向には、指導標は行き止まりと示しており、薄い踏み跡があるのみだ。さらに御前山からの主脈縦走路を合わせると鋸山山頂となる。左半分は暗い植林であり、眺めは乏しいが、休憩適地である。
「鋸」とはこの尾根の総称であり、本来ならここは天地山が正しいという説もある。しかし国土地理院の地形図にはこの1199m峰を鋸山と明記してあるし、天地山は先ほど分かれた尾根上の981m峰に記されている。

長い尾根の、距離的にはまだ半分足らずまでしか来ていないが、ここから先、大岳山直下までは歩きやすい道が続く。標高差も60mほどを残すのみなので、穏やかな尾根歩きを楽しめる。
視界も開け、時折り正面に大岳山を見据えながら、低い笹生えの登山道を行く。ここでついに先行者に追いつき、先に行かせてもらった。大岳山でこんな大きな荷物を背負っているというのは、泊りがけで縦走するのか、それともゴールデンウィークに向け、高い山に登るための練習か。

中岩を過ぎて、馬頭刈(まずかり)尾根の巻き道を分け、登山道は再び岩のゴツゴツした登りへ。
岩と岩の間の狭いところに、足を潜り込ませるような場所もある。下山コースでなく、登りだと別のきつさを感じる。

富士山は雲の中
カタクリ
奥ノ院
二輪仲良く
淡い新緑
里道

にわかに上のほうから人の声がしてきた。奥多摩駅から3時間半、大岳山頂上に到着。ここ1ヶ月間、どこの山も静かだったが今日はやはり違った。決して広くはない山頂に20名以上はいる。若い登山者のグループや山ガールも久しぶりに見た。
富士山は雲に隠れてしまったが、どこかほっとする明るい山頂で居心地がよかった。

久しぶりに馬頭刈尾根を下ろうと思い、大岳山荘まで下る。しかしその先、白倉方面への道はロープで通せんぼしている。
指導標に掲示板がぶら下がっていて、読むとここから馬頭刈尾根に通じる道は崩落のため通行禁止になっていた。そちらに行くには、さっき大岳山下で分岐した巻き道を使わなければならないようだ。とても山頂まで登り返す気にならないので、今日はこのまま御岳山方面に下山することとした。

鍋割山から奥ノ院の尾根道を通っていく。カタクリがたくさん咲いていた。以前、大岳山に来たときにやはりたくさんのカタクリを見た記憶があるのだが、どのルートを歩いたのか忘れていた。今日やっと、この場所だったとわかった。
そのときは標識の示す「スカウトの森」方面にも立ち入ってみたのだが、今日は踏み跡がほとんどなくなっていた。

鍋割山へは巻き道を使わず山頂まで行く。山頂から方向を変え、尾根道を奥ノ院へ進む。ピークが見えるあたりにくると、斜面にイワウチワが咲き始めていた。奥ノ院山頂の北斜面にも、少しだけ花が見られた。
この山頂にも登山者がいた。今日はひとりだけで歩いたり滞頂している時間があまりない。

御岳平へ下る道ではタチツボスミレ、ナガバノスミレサイシン、エイザンスミレ、マルバスミレとスミレを多く見る。風が強くなり、頭上でビュービューいっている。
御岳山の宿場町を通って裏参道に入ると風の音は聞こえなくなり、本当に山の裏側に入ったことがわかる。穏やかな気候の御岳裏参道には、春に多くの山野草が早くに顔を出す。カタクリ、ネコノメソウ、ハシリドコロ、ヒナスミレ、ヤマエンゴサクなどを見た。そして周囲の木々は、芽吹きのグラデーションが美しい旋律をを奏でている。

大楢峠からバットレスキャンプ場入口を経て、鳩ノ巣駅へ下る。今日は途中で食料も食べつくしてしまい、かなり腹が減っていたので、駅前の食堂でビールとおでんをを注文する。
日足も伸びて、これだけ長く歩いたのにまだ明るいうちに帰途に着く。