一杯水避難小屋
|
|
12キロを背負いヨコスズ尾根(13:20) |
奥多摩駅で登山届を書き、東日原行きバスに乗る。終点からの登山道は、先週ソバツブ山に行ったときに歩いている。
あの時は楽な道だったが、今回はシュラフなどの装備のため、ザックが12キロ。肩・腰が重い。すぐにペースダウン。
ヨコスズ尾根には、先週と変わらぬ静けさが漂う。特に急登が終わった後の滝入の峰あたりは、左右に展望が望めて気持ちがいい。
そういえば先週、ここいらで野猿を見たっけ。
先週と違うのは、斜面のあちこちが、うっすらと雪化粧をしていることだ。
見上げれば紅葉と黄葉、常緑樹。青く澄み切った空。踏み良い黒土にまだら模様に広がる白色。
こんなコントラストを見れるのはおそらく今、この1,2週だけだろう。
|
ピークわからずじまい・三ツドッケ(16:00) |
フーフーいいながら一杯水に到着する。もう日もかなり傾いてきた。小屋の前で年配の団体さんとすれ違う。
「ひとりで心細いわねー。」
哀れむような表情。少しほくそえんでしまったが、小屋の戸を開けた時、ほんとに心細くなった。誰もいなかった。
混むのを避けて平日またぎの山泊を決め込んでいたが、それでも小屋には1、2人はいるだろう。そう思っていたので、少々不安な気持ちにかられる。
|
三ツドッケ付近のヤブ道
|
小屋にザックを置いて、三ツドッケを目指す。日没時間を気にして、どうしても急ぎ足になる。
最初の4、5分は踏み跡をなぞっての急坂。すぐにはっきりした道となる。いくつかのピークを経て、3つめのピークが三ツドッケらしい。 だから三ツドッケと言うのか?などと考えているうち、足元は雪面を踏むようになる。
雪の上は足跡が明確だが、慎重にならざるを得ない。岩場を挟んだ2つのピークは、とても滑りやすい。
途中、南西方面に展望が開ける。雲取、七ツ石、それと鷹ノ巣山が大きく、はるか下方に見える日原川域との高度差を感じる。
今までよく見ていた展望と比べて、周囲の山々が近く感じられ、迫り来るものがあるのが印象的だ。
そこのすぐ目と鼻の先が三ツドッケのピークとは、気がつかなかった。
3つめのピークを求め、先へ進むうちに笹ヤブトンネルの坂となる。腰をかがめながら行くと尾根道に出てしまった。倒れている指導標には 「三ツドッケへ」とある。
登った山で、三角点の写真を撮れなかったのは今回が初めてであった。
|
|