タイトル マップ
雪舞う雲取山、石尾根縦走 2002.2.9.~10.
鴨沢-ブナ坂-雲取山-七ツ石山-鷹ノ巣山-六ツ石山-奥多摩駅
1日目:晴れ 2日目:雪     
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3年続けて冬の雲取山に登った。昨年は奥多摩駅から雪が降り積もっていたが今年はそんなことはなかった。

2002.2.9(土)歩行5時間15分
新宿駅6:22-(中央線,青梅線)-8:23奥多摩駅8:30-(バス)-9:10鴨沢バス停-9:40小袖登山口-11:10堂所11:30-13:00ブナ坂13:10-13:50奥多摩小屋14:10-15:05雲取山15:30-15:55雲取山荘(泊)
2002.2.10(日)歩行7時間50分
雲取山荘6:50-7:20雲取山7:50-9:10七ツ石山9:30-9:50千本ツツジ巻き道-11:00鷹ノ巣山避難小屋12:00-12:40鷹ノ巣山12:50-14:40六ツ石山15:10-16:40羽黒神社-17:10奥多摩駅(三河屋立ち寄り入浴)19:25-(青梅線,中央線)-21:15新宿駅

●雲取山へ
バスは座席は全部埋まるほど。雪が降って最初の土日。これを狙って繰り出してきた人も多いようだ。
鴨沢バス停付近も道端に雪が残るのみ。しかし小袖の登山口からは白い道となった。積雪量はそれほどでもない。5cmくらいか。

鴨沢からの登り
鴨沢からの登り

足の速いボッカの人が追い抜いて行った。しばらくすると急ぎ足で下りて来た。どうやら忘れ物をしたらしい。あとでわかったが雲取山荘の人だった。
水場の水は枯れていた。日当たりのよい自然林の道になると雪は全くなくなってしまう。杉の植林帯になるととたんに10cmくらいの積雪が出てくる。気温が高いからだろうか、凍っている場所はなかった。

堂所には無雪期と同じくらいの時間で着いた。三頭山が眺められる場所は雪に覆われているので、ちょっと先の平坦地でアイゼンを付ける。片倉谷側から吹き上がってくる風が冷たい。

七ツ石小屋への分岐までは、かなりの部分で土が出ている。ブナ坂から石尾根の稜線となる。積雪は50cmくらいで、雪質は少しベタついている。
雪面
雪面
雲取山頂へ
雲取山頂へ

白銀の石尾根
白銀の石尾根
雲取山頂
雲取山頂

ほぼ一面真っ白であるが、ところどころ土が見えている。昨年は全く土が見えなかったので、昨年のほうが雪は多かったのだろう。
天気はいいが、風がビュンビュンと稜線を吹きぬけて行く。たまに、木の陰に隠れるように短い巻き道が付いているが、今日はそっちのほうを歩く。

奥多摩小屋の前で、吹きっさらしの中ラーメンを作って食べる。
テントを設しているパーティーがある。この時期にガッツがあるなと思う。

ヨモギの頭に直登せずに、巻き道を登る。どちらにもトレースはついているが、巻き道のほうがトレースが太い。
標高を上げるにつれ雪も締まって来た。久々の重い荷物で腰がだるい。アイゼンを外そうかと思ったが、小雲取への急登があるので一応付けておく。
小雲取の肩に上がり、展望が大きく開ける。やっぱり来てよかった、といつも思うところである。奥秩父の山並みは雪化粧。大菩薩嶺の後方には、さっきまで雲に隠れていた富士山が姿を現していた。

山頂に着き、奥多摩の山々を見下ろす。いつもと変わらぬ姿でいてくれている。山々の先に、都心や秩父の街並みも今日ははっきりと見てとれる。

雲取山荘へ下る。北斜面の原生林の下りは、凍結もしておらずアイゼンがなくても大丈夫そうだ。昨年はアイゼン必須の下りだったような気がする。積雪は多いところで70cmくらいになっている。


●雲取山のミステリー
祠(ほこら)
祠(ほこら)

山荘が見えてきたあたりに、真新しい祠が建っている。雑誌「岳人」2月号に載っていた記事「雲取山の不思議」のエピソードは本当だったのだな、と思った。

山頂からこの山荘へ下る際、どうしても山荘を見つけられないで迷ってしまう人がたまにいるそうだ。それも山荘の目と鼻の先で。

人の声がするのに山荘が見えない、というミステリーじみた現象らしい。間違えようのない下りの道で、山荘が目に入らないはずのない場所である。
その場所には昔からの古いお堂があり、最近はすでに廃屋同然になっていた。1999年に雲取山荘が改築された時もお堂だけはそのままの状態にされていた。

雲取山荘
雲取山荘
小屋番の新井さんがもしやと思い、昨年(2001年)に整地し新しい祠を建てたという。それからは山荘が消える?という話はなくなった、ということだ。先代の小屋番、「鎌仙人」が新井さんに何かを語りかけようとしていたのかもしれない。

この日の山荘は30名ほどの宿泊者。もっと多いかと思ったらそれほどでもない。オリンピックが始まったからだろうか。
聞くと、この3連休は今日より明日・あさってのほうが混み合うそうだ。

山荘からの夜景はすばらしかった。煌煌と明るい光の線が網の目のように、何重にも重なり合っている。あそこでは恐ろしいほどのエネルギーが消費されつづけているのが妙に意識させられる。世の中本当に不景気なのだろうか。


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