~奥多摩の雪原に遊ぶ~ |
|
|
●白い石尾根を行けるところまで 翌朝の食事は6時。山頂のご来光を見に行くには少し時間が足りないので、小屋の前で木の間越しに日の出を見る。
30分かけて再び山頂へ。陽光が奥多摩の山々、富士山の東面を照らしている。それほど寒くはない。昨日は見えなかった南アルプス、浅間山がよく見える。甲斐駒、北岳を望遠レンズで確認する。写真を撮り続けた。山頂に1時間、1人占めだった。 今日は石尾根を、歩けるところまで行くことにする。昨年2月のときは、奥多摩駅まで下りれたが、今日は雪が多いので果たしてどうだろうか。 小雲取までの稜線での富士山に見とれる。この展望を見るだけでもここに来る価値があると思う。少し離れたところで若い女性が1人、同じように富士山に見入っていた。 ブナ坂まで展望を楽しみながら下る。昨日のトレースは再び雪に消されようとしている。おそらく夜に雪が相当舞っているのだろう。
七ツ石山に登ると1人、男性の登山者がいた。避難小屋に泊まったと言う。よくしゃべる人だ。昨日の避難小屋は1人だったらしい。昨日くらいの寒さなら、自分も耐えられたかもしれないな、と思う。 あれっ?と思った。七ツ石山から鷹ノ巣山方面の展望が得られる。ここには何回か登っているが、東方向への展望が効くのには気づかなかった。落葉期だからか、それとももしかして木を伐採でもしたのかと思ってしまった。
千本ツツジ方面へ下る。途中まではトレースははっきり。千本ツツジの尾根道・巻き道分岐のところで巻き道のほうにしかトレースがないが、展望のいい尾根のほうを行ってみることにした。 途中までは膝ほどの深さの雪をズボズボと進む。千本ツツジ山頂は富士山の展望台だが、吹き溜まりでは腰ほどまである雪に浸かる。目線の近くで見た雪面は陽光に反射して、宝石のようにキラキラ輝いている。ところどころある小さな穴の線は、鹿の足跡だろうか。 そろそろ脱出しよう。高丸山との鞍部で巻き道に戻る。
積雪量はだんだんと少なくなってきた。とは言っても鷹ノ巣山避難小屋あたりでまだ30~40cmくらいある。 富士山を眺め、奥多摩の山を眺め、ラッセルもどきで遊び、ここまでやはりけっこう時間がかかってしまった。鷹ノ巣山を巻いて六ツ石山経由水根に下りるか、このまま峰谷に下りるか。迷ったが、結局鷹ノ巣山頂に登り、稲村岩尾根を下ることにした。 稲村岩尾根は冬季は凍結して危険とのことだが、下りてみると降ったばかりの新雪で路面は全く凍っていなかった。しかし最初の急勾配の下りはちょっとびびった。 ズズズと滑り気味に下って行く。木の間越しに蕎麦粒山の大きな山容を仰ぎ見ながら、どんどん高度を下げる。青空と雪の白さが目に焼き付いた2日間の山行も終わりが近づく。 |