~アカヤシオと淡い新緑~ あかぐなおねからかわのりやま(1364m)、 ぼうのおれやま(969m) 2007年4月29日(日)快晴 7:00青梅線川井駅-7:15古里中学校-8:00・558m峰8:10-8:30ズマド山南峰-8:40北峰-9:05三ノ戸山9:15-9:45赤久奈山9:50-10:40エビ小屋ノ頭10:50-11:25曲ヶ谷北峰-11:40川苔山12:10-12:20曲ヶ谷北峰-13:00踊平-13:25日向沢ノ峰13:35-14:15鉄塔基部-14:40マヤノタル-15:05長尾丸山15:10-15:35槇ノ尾山15:42-15:57棒ノ折山16:05-16:40奥茶屋-16:50清東橋-[バス]-17:05川井駅 歩行時間:8時間20分 |
奥多摩にアカヤシオが咲くのは、主に東京と埼玉の県境の尾根筋、いわゆる都県境尾根である。その西半分は長沢背稜であり、雲取山に端を発す長大な尾根になっている。東京都の水源林巡視路とも重なる。 今回はその東側の残り部分、日向沢ノ峰から棒ノ折山間を歩く。赤杭尾根から川苔山に登り、都県境尾根は下山路とすることにした。今回は少々長いコースだ。
赤杭尾根は古里駅から登るのが一般的だが、今回はこの尾根を末端から登ろうと計画した。 川井駅で降りて取り付き口を捜す。「静かなる尾根歩き」ではここを下山路に取っているが、どこに下りているのかよくわからない。 とりあえず青梅街道を少し西に歩き、地形図の破線路の始まっている古里中学校まで行ってみる。 周辺をいろいろ探したがはっきりした踏み跡はないようだ。結局、中学校横のお寺の墓地から斜面を這い上がり尾根に乗る。杉の植林帯を登っていくとやがて踏み跡がはっきりした。 ヤブっぽく指導標はない。尾根が広くなる場所ではテープを手がかりに進む。そのうち、右手から明瞭な道が合わさってきた。どうやら川井駅から北に進んだほうに、はっきりした取り付き口があるようである。
地形図を見ながら北西方向に進む。足元にはマキノスミレが多い。558m地点あたりでは伐採が入り少し明るくなっている。休憩の後、進行方向に見える大きな塊を目指す。あれがズマド山であろう。 古里駅からのもう1本の道を合わせしばらく行くと、右側が新緑のきれいな雑木林となる。急登をこなして三角点のあるズマド山南峰(690m)へ。 ズマド山は双耳峰となっており、三角点のある南峰のほうが高度は低い。10分かけて北峰(721m)に到着する。こちらには古い山名標が傾きながらも立っている。「ズマド山愛好会」とある。 こんな地味な山にも愛好会があるとは奥多摩も奥が深い。 ズマド山一帯はアシビや植林の中だが、北峰の半分は潅木があり少し明るい。 古里駅からの一般コースと合流すると道ははっきりした。ズマド山を越えて文字通りひと山越えた気分だが、いつものパターンだと、ここが赤杭尾根の登り始めだ。地理的にもいまだ赤杭尾根の入口に過ぎない。 赤杭尾根でいつも通り過ぎてしまう三ノ戸山に今日は立ち寄る。地図を見ながら、登山道が右に緩くカーブするあたりで左の踏み跡に入る。 登り着いた三ノ戸山(809m)は丸い小さな山頂だ。片側が落葉樹で芽吹き始めた木々を透かして奥多摩の山々が眺められる。居心地のいい山頂で一休みする。
赤杭尾根の登山道に戻る。芽吹きの瑞々しさに身も心も洗われるようだ。再び左の踏み跡を辿って、赤久奈山(923m)に今日は南面から登る。 赤杭尾根を下るときは足任せにこの山をいつもパスしてしまうが、南側が雑木林で明るいので、冬から今の季節はまでは休憩にいい場所である。西側に踏み跡が伸びている。 はっきりした新緑は標高1000mくらいまでで、高度をあげるにつれだんだんと淡い色合いに変わっていく。ここ1・2週間は奥多摩の山の色合いが一番いい時期だ。 不意に西側の眺めが一気に開け、大岳山と御前山が少し距離をおいて並んでいる。エイザンスミレ、ナガバノスミレサイシンなどを見るうちに道は尾根の左を巻くようになり、杉林の暗い中を行く。 杉林を出て尾根を乗っ越したあたりからが、カタクリの場所である。今回は時期が合ったようで、密集した群落ではないが点々と咲いていた。葉も多い。カタクリのほかにもニリンソウ、ヤマエンゴサク。 少し登るとハシリドコロを見る。花は見るがなかなかつらい登りだ。 ジグザグと高度を上げ、今度は戻るように左手前の尾根に入る。 エビ小屋ノ頭(1147m)には布施ノ峰との別名があるようで、木に巻かれたテープに書かれている。木の間から富士山が見える。南に踏み跡が伸びているがこれは古里の石材所付近から上がってくる道であろう。 戻って川苔山への登りに入る。人も増えていつもの奥多摩の人気コースの風景となった。 曲ヶ谷北峰を経て川苔山頂上に達する。富士山はもとより、奥多摩や丹沢、奥秩父の山々がきれいに眺められる。 前回の高尾山に続き2回連続して、4月でこれほどの眺望が得られるとはラッキーなことである。 人出も結構なもので、東から西から、大勢の人が山頂にやってくる。 |