~深まる秋と沢沿いの紅葉~
タイトル
かわのりやま(1364m)
2006年11月12日(日)晴れ時々曇り

7:40青梅線川井駅-[バス]-7:50上日向-8:15奥茶屋-9:00林道終点9:05-9:27曲ヶ谷-10:20獅子口小屋跡10:30-10:57横ガ谷平11:00-11:25川苔山12:00-12:20足毛岩の肩-12:45日向沢ノ峰分岐-13:30百尋ノ滝-14:05川苔林道-14:40川乗橋15:01-[バス]-15:15奥多摩駅
歩行時間:6時間

マップ
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大丹波川沿いの道

奥多摩の紅葉ラインも標高1000mを切ってきた。今年の紅葉山行は、いろいろ行った割には見頃から1週間早かったり遅かったり、なかなか最盛期の紅葉に出会えなかった。プランニングが下手であった。

奥多摩の山塊でまだ歩いていない、日向沢ノ峰から棒ノ折山の間の稜線。アカヤシオの時期がひとつの登山適期であるが紅葉のタイミングとすれば今だろう。
しかし日の短い今の時期、日帰りではなかなかここは歩きにくい。

川井駅からバスで上日向バス停、車道を歩く。中茶屋・百軒茶屋・奥茶屋と過ぎていく。いずれも今はキャンプ場を経営しているが、昔は峠越えする人々のための休み処だったのだろう。

さらに大丹波林道を1時間近く歩き、大丹波川沿いの登山道に入る。
紅葉は思ったほど進んでいない。それどころか、木橋のたもとにきれいに咲いたエイザンスミレを見つける。10月中旬あたりから続いた暖かさに、スミレも春が来たと思ってしまったようだ。


エイザンスミレ
九州では先月桜が咲いたらしい。また昨年、新潟のとある山で春に紅葉したとの話を聞いた。スミレ1輪の狂い咲きくらいならかわいいが、日本全国やはり何だかおかしい。

沢沿いの道は意外と時間がかかる。それにこの道は周囲に植林帯が多いので、紅葉をめでる機会がそう多くない。
木橋を何度も渡り、濡れた落ち葉に注意しながら進む。谷深く日が射さないので肌寒い。
この道は日が高くなってから、すなわち下山路として使ったほうがりこうかもしれない。

少しずつ標高を上げる。上部の岩っぽいピークはツツジの赤で見事に彩られている。
獅子口小屋跡に着いたのは10時半近くになってしまった。この調子で行くと棒ノ折山からの下山の頃は日が落ちてしまいそうだ。

川苔山頂上
川苔山頂上

そちら方面への山行はやはり花の時期にとっておくことにする。ちゃんと代替プランも考えている。川苔山に転進する。川苔谷付近もそれなりにいい紅葉が見れそうだ。

横ガ谷平への急登を詰める。一転して周囲は落葉した木が目立つようになる。
長沢背稜の一角、横ガ谷平に出る。伸びやかな稜線を尾根伝いに進む。やはりこの防火帯はいつの季節も気持ちいい。春はツツジ、夏は緑、そしてスノーハイキングも比較的安全である。

尾根伝いに行き小さなピークに立つ。ここからは川苔山の方角に南に急カーブするのだが、北東にはっきりした踏み跡が伸びている。これはどこに下れるのだろうか。地図を見ると曲ガ谷沢の出合あたりに尾根は伸びている。


イロハカエデ

足毛岩

ミツバツツジ

紅葉

さて、下ってさらに登り返しで曲ガ谷北峰、そこから緩やかな道で川苔山直下の稜線に出る。人が急に多くなる。

さすが人気の山、川苔山頂上には15から20名近くの登山者で賑わっている。それに何と言っても、今日は展望が素晴らしい。やはり前の日の雨が大気中のチリを洗い落としたのだろう。
雲取山を中心に石尾根や長沢背稜の山並みがくっきりと見える。丹沢や秩父も。そして富士山も雪をかなり被った。

頂上付近の樹木はすっかり落葉し、冷たい風がヒューッと吹き抜ける。太陽はさんさんと照っているのに寒く感じる。いつまでものんびりしていたいのだが、体が冷えてしまうので動かねば、と思い腰を上げる。

足毛岩の肩を過ぎて緩やかに高度を落としていく。杉・桧の植林と自然林が交互に現れる。梯子や急な段差のある下りに注意しながら百尋の滝を目指す。
途中で道を外れ、尾根の突起部に出てみるとミツバツツジだろうか、葉が真っ赤に色づいている。


百尋ノ滝

高度を落とすにつれ紅葉は復活してくる。百尋の滝付近は、緑の葉が残ってはいるものの全体的に紅葉は見頃のようだ。

また、時折り木の間から見上げられる足毛岩の岩峰もツツジの赤が鮮やかだ。近くでじっくりと見たいのだが、樹木が邪魔してなかなか足毛岩全体の写真を撮れない。そのうち足毛岩は見えなくなってしまった。

沢を何度かまたぎ、緑の木々が多くなってくるとようやく川苔林道が見えてくる。

周囲の山肌はすっかり秋色。しかし思い返せば、山登りを始めた最初の年(1997年)の同時期に見た川苔谷の紅葉は、比べ物にならないほど色鮮やかだった。写真にも残っている。

川乗橋付近・現在と9年前

川乗橋バス停前に1本のモミジの木がある。今日はまだ葉は緑色だが、9年前は真っ赤に紅葉していた。あのモミジの色を奥多摩でまた見てみたい。

翌年の川苔山から都県境尾根、棒ノ折山

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