山の写真集 > 奥多摩 > 吉野梅郷から日ノ出山
  • -ウィルスに打ち勝った町-
  • 梅の公園-日ノ出山-御岳山-大塚山-古里駅
  • 奥多摩/青梅
  • 東京都
  • 高峰(755m), 日ノ出山(902m), 御岳山(929m), 大塚山(921m)
  • 2021年3月14日(日)
  • 13.0km
  • 6時間
  • 680m(梅の公園-御岳山)
  • -
  • -
  • マイカー,青梅線
天気1

 

2021年3月14日(日)
調布IC 5:55
  中央自動車道
八王子IC 6:08
  国道411号他
7:00   青梅駐車場 7:05
7:15   梅の公園 7:30
8:20   琴平神社 8:28
9:05   梅野木峠
9:27 高峰 9:35
10:15 日ノ出山 10:55
11:33 御岳山(御嶽神社) 11:35
12:00 大塚山園地 12:10
12:25 大塚山
13:30 丹三郎登山口
13:45 古里駅 14:15
  青梅線
14:38   石神前駅
15:10 青梅駐車場
  都道45号、国道411号他
16:25 八王子IC
  中央自動車道
17:02 高井戸IC

 

コロナ禍の東京都はまだ外出自粛要請中なのだが、季節が春に近づくとやはりどうしても体を動かしたくなってしまう。数週間前から、高尾山をなど低い山に登り始めた。
今日は少し長い距離を歩きたいと思い、梅の公園から日ノ出山に登ることにする。


梅の公園の丘の上から。少しずつ植樹が始まっている [拡大 ]

梅郷付近の民家の庭や畑にも梅が植えられている

町内にも梅

梅の公園は小高い丘になっている。黄色はロウバイやサンシュユ

梅の公園

淡い色合いの梅は、「鶯宿(おうしゅく)」という品種の様だ

淡い色合い

サンシュユの黄色がいいアクセントになっている

サンシュユ

日ノ出山の登山口で鳥居をくぐる

登山口

岩棚に立つ琴平神社の社。眺望がいい

琴平神社

琴平神社の展望台から、都心方面

スカイツリー

高峰のピーク。北側に伸びる筑瀬尾根ルートは柚木町に下山できる

高峰


20年前の3月も、ここから日ノ出山に登った。そのとき梅は満開で、青梅線の車窓からもこの梅の里が白とピンクのパッチワークとなってよく目立っていた。
その梅の里が10年ほど前、プラムポックスウィルスに感染した。青梅市は市内の梅の木をいったん全部伐採してから再生を図ることになる。そして5年ほど前から少しずつ再植林を始め、梅の公園は2017年、ようやく梅の木のある状態での復活にこぎつけた。

今日は町内の無料駐車場から歩き始める。民家の庭先や畑地には、まだ梅の幼木があちこちに植えられていた。町を上げて梅の復活を目指しているのがよくわかる。梅の公園に近づくと、梅まつり期間中ということで道脇に露店も出ていた。
公園内の丘に入り、町並みを見下ろす位置まで上がる。植えられている梅の木はまだまばらで、芝生の斜面があらわになっている。紅梅、白梅の他にロウバイやサンシュユなど、黄色い花も目立っている。
本数は少ないけれども色鮮やかで、梅の丘の周囲だけ春の雰囲気に満ちているのは20年前と変わりない。
日本国中がコロナウィルスに振り回されている中、この地では一足先にウィルスに打ち勝ちつつある。変な例えだがうらやましくもある。

公園の脇の林道を歩き、鳥居をくぐって日ノ出山への登山道に入る。杉木立のひんやりした空気が気持ちいい。
きつくはないが、高尾山にはない登り詰めの坂。久しぶりにきつさを感じる。やっぱりこういう山登りをやっていないと自分の体は早く老化してしまいそうだ。
琴平神社の社はちょっとした展望台になっていた。スカイツリーがよく見える。
前日はまとまった雨となり、今日は風が強い。そのため空気が澄み、スギ花粉も洗い流されたようで呼吸がつらくない。

いったん林道と交差し、梅野木峠の先で再び薄暗い樹林帯に入る。前回通過してしまった高峰のピークを今日は踏んでいく。
尾根南側につけられた登山道から分かれて尾根筋に乗り、薄い踏み跡を登っていく。御嶽渓谷へ下る踏み跡と合流するところが高峰山頂だった。人工林下の味気ないピークで、日も差してこないので肌寒い。厚手のフリースを持ってきて正解だった。
高峰からはしばらく、フリースを着たままメインの登山道に戻る。

養沢への下り道を分け、日ノ出山への最後の登りにかかる。木の根が浮き出た、すこしきつい道となる。標高900m程度の山で息が上がり、休み休みの登りになってしまっているのが情けない。
樹林を抜けると突然日差したっぷりの明るい地に出る。ピークを巻くように石段を登ると日ノ出山の山頂となる。

日ノ出山山頂

日ノ出山山頂

日ノ出山山頂から西側、雲取山など軒並み白い頂になっていた

高い山は白い

日ノ出山山頂から南側。丹沢主脈、大山などの眺め

丹沢方面

御岳山の神代ケヤキは宿坊街の中にある

神代ケヤキ

参拝客でにぎわう御岳山・御嶽神社

御嶽神社

大塚山から古里駅まで、丹三郎尾根を下る。意外と長く1時間20分くらい

結局何分かかる?

青梅線古里駅から

古里駅から


山頂は相変わらず賑やか。都心方面の眺めも見事だが、今日は西側、奥多摩の山々の姿に目がいく。昨日の雨は標高の高い所ではかなりの雪だったようで、鷹ノ巣山など石尾根の山は白くなっていた。何だか久しぶりに見る山の厳しい姿だ。
日ノ出山には雪はなく、今年の冬はは雪山に全く登ることなく終わりそうである。
強風吹き荒れる山頂で、フリースが役に立った。風上を背中にし、ベンチでゆっくり休憩する。高尾山の山頂は人が多すぎて落ち着けないけど、奥多摩の山はのんびりできる。

低山でも標高差は700m。久しぶりにこなした数字に少し自信が取り戻せた。この調子でもう少し歩を進めたい。
御岳山へ向かう道では多くの登山者とすれ違う。自分は花粉対策のためマスクをしているが、すれ違う人でマスクをしているのはだいたい半分くらいか。グループよりも、ソロで歩いている人の方がかえってマスクをつけている傾向がある。
アシビやキブシなどの木の花がどんどん咲き始めている。スミレはまだ見られない。宿坊街のアズマイチゲはうつむき加減にいくつか花を見せていた。

御嶽神社を後にし、このまま表参道を下ろうと思っていたが、調子も良いのでもう少し歩く。大塚山園地に立ち寄ると、日当たりのいいところでエイザンスミレが見られた。
園地内のカタクリも、たくさんの葉が出ているので開花期は意外と早そうである。ロウバイの咲く道を歩いて大塚山を経由する。

丹三郎の登山道を下る。標高差700mは、下りの方が長く感じる。高尾山ばかり歩いていると、すぐに下山できてしまうので、山を下るときの長さ、辛さをつい忘れてしまう。
丹三郎は始めのうちは落葉樹林で気持ちのいい登山道だが、途中からは人工林のジグザグ下りが延々と続く。急なところがないことも単調さを助長する。久しぶりに、長くつらい下山を味わった。

立派なトイレのある丹三郎登山口からは、奥多摩の里道を歩いて古里駅まで行く。青梅線に乗って、車のあるところまで戻ることにする。石神前駅の方が近いと思い下車したが、多摩川を渡る橋がなかなか見つからずに結局日向和田駅近くまで歩いてしまった。

6時間歩いたのはいつ以来だろうか、それでも気持ちの良い疲労感である。次はもう少し険しい山を歩いて、感覚をさらに取り戻したい。