山の写真集 > 奥武蔵・秩父 > 正丸峠から丸山
  • -銀世界の奥武蔵-
  • 正丸駅-正丸峠-虚空蔵峠-丸山-金昌寺
  • 奥武蔵
  • 埼玉県
  • 川越山(780m),カバ岳(890m),丸山(960m)
  • 2017年12月9日(土)
  • 15.5km
  • 6時間30分
  • 647m(寄居駅-不動山)
  • -
  • 新木鉱泉
  • 西武線, バス
天気1

 

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2017年12月9日(土)
池袋駅 5:39
  西武線
飯能駅乗換え
7:04   正丸駅 7:07
7:35   大倉山集落
8:05 正丸峠
8:38 川越山
8:50 旧正丸峠
9:45 虚空蔵峠 10:00
10:30 牛立久保
11:03 カバ岳
11:20 大野峠
11:27 展望台 11:32
11:55 丸山 12:55
13:10 森林館
13:50   大棚山
15:00 金昌寺
新木鉱泉立寄り
16:20
  西武観光バス
16:47 西武秩父駅 16:51
  西武線
18:33 池袋駅

 

2017年も押し詰まった。この冬は寒波が早めに降りてきている。
昨日は関東地方南部を中心に雨が降った。奥武蔵の標高の低いところでも降れば雪となって、もしかしたらうっすらと積もったかもしれない。


白くなった奥武蔵の山々。旧正丸峠付近

正丸駅から見える山肌に白いものは見えなかった

駅から雪は見えず

大蔵山集落を抜け、正丸峠に向かう登山道へ

登山口へ

正丸駅直下に出ると、昨晩降った雪であたりは真っ白になっていた

白銀の世界が

正丸峠から対面に見る武川岳も白い

山も白い

急登を経て川越山山頂に

川越山

旧正丸峠

寒々した風景

指導標の西側に向いた面は雪がこびりついていた

雪が吹きつけ

正丸尾根は随所に自然林豊かな稜線がある

自然林の稜線

車道が出合う虚空蔵峠

虚空蔵峠

木の間から覗く浅間山は噴煙がなびいていた

浅間山

牛立久保手前の平坦地は雪原になっていた

元スキー場候補


池袋から早朝の西武線に乗るのは久しぶり。山に登るのに20年間朝の電車に乗り続けてきたが、ここ数年はJRも私鉄もはっきりと乗客の数が増えている。中央線などは5時台の便でも座れないことがある。朝夜を問わず、人の活動が活発化しているようだ。
やはり景気は上向いているのだろうか。しかし個人的には全く実感がない。歳をとるにつれ、自分の生活圏の外側で世の中が動いているような感覚が強くなってきた。

正丸駅から見る山々には白いものは見られない。車道を歩き大蔵山集落から入山する。植林下の沢沿いの道を登っていく。登山道に雪は見られないが、高度を上げていくと杉の木の上のほうが白くなっていた。
視界が開け、木の階段を登るとあたり一面が真っ白だった。これはびっくり。正丸峠の車道はガリガリに凍結し、対面の武川岳や武甲山も白いベールをまとっている。例年になく強い寒波は12月の秩父の山を白銀の姿に仕立て上げていた。

自然林の尾根歩きに入る。積雪はせいぜい5センチ以下で、しかも降雪直後で雪がきれいで気持ちいい。カエデの名残紅葉の赤色がいいコントラストである。
正丸展望台を越えたあと、川越山への急登、旧正丸峠への下りとも急峻な坂で、特に下りは雪でかなり滑りやすくなっていた。旧正丸峠は山と山との間にある植林下の薄暗い場所で、積もっている雪も心なしか多いようだ。
この先も登り下りが続くが、さっきの川越山のように怖くなるような傾斜はない。西側に面している指導標が吹き付けた雪で完全に隠されている。

岩場のヤセ尾根になっているサッキョ峠を過ぎ、ピークを巻きながら高度を落としていくと車道に出る。虚空蔵峠は風が遮られ、意外と暖かい。ここは静寂の地。雪に覆われていない季節でも、この車道を通る車を見たことがない。
牛立久保へ向かう平坦な地形は広々としていて、昔、スキー場を建設しようとしたこともあるそうだ。埼玉県に自然のスキー場なんて今なら笑われそうだが、以前は真面目に語られていたようである。
しかし今日に限っては、ここも一面の白銀の世界である。木の枝に付いた雪が輝き、背景の青空と見事にマッチしている。1日、いや半日も経てば溶けてしまいそうな雪なので、こんな景観は今この時限定であろう。

木の枝の着雪が鮮やか

青空をバックに

牛立久保は刈場坂峠、大野峠の分岐点

牛立久保

大野峠の上にあるパラグライダー発着所は、関東平野が見渡せる展望台

展望台から

日当たりのよい稜線は雪が溶けている

伸びやかな道

丸山山頂の展望台

丸山展望台

丸山展望台から見る両神山

両神山

丸山展望台から武甲山を望む

武甲山

金昌寺への下山路。眼下に秩父の町並みを見ながら

秩父の街並みが眼下


大野峠方面へ歩を進め、奥武蔵グリーンラインをかすめたのち、岩の多い尾根道となる。雪がついているので場所によっては慎重を期すところも。
カバ岳という名前は奇妙だが、やはり「茅場」からきているのだろうか。近くに刈場坂峠という似た名前もある。この峠をずっと「かりばさかとうげ」と読んでいたのだが、一般には「かばさか」が正しい読みであることをつい最近に知った。

山や山地の地名は字は簡単でも読み方を間違えて覚えがちである。特にこの飯能市周辺や奥武蔵前衛の山域には八徳、風布、横隈山など裏をかかされる読みが多い。今日登ってきた川越山も十人が十人、正しく読めないだろう。
またユガテ、コワタ、エビガ坂、ノボットといったカタカナ表記の地名、山名も目につく。このあたりは昔( 大和朝廷時代)、高句麗の人が住んでいたという歴史があり、そのことがこういう独特な地名表記が多くある背景にもなっているのだろうか。

薄い雪を踏みながら再び車道に出て、大野峠である。ようやく登山者を複数、見るようになった。
急登を数分でパラグライダー発着地の展望台に立つ。関東平野が広く見渡せ、スカイツリーもよく見える。今日は気温が低いながら、尾根上でも風がないので寒さはそう感じない。

丸山への少し長い登りは雪が溶け始めており歩きにくく、時間がかかった。
丸山山頂の展望台に上がる。冬型の気圧配置としては珍しく、北のほうの山も雲に隠れずに白い姿を見せていた。奥日光男体山、谷川岳、白根山、浅間山、八ヶ岳。両神山、武甲山と秩父の街並みはいつものように大きい。

風がなく、冬なのにこんなに暖かく感じる丸山山頂は初めてである。展望台を下りた草地は木々が太陽を遮り、むしろこちらの方が寒い。丸山からの下りは尾根の北側になるので日が差さず寒さが厳しくなった。

正丸駅からはるばる歩いてきたが、やはりここからは西に伸びる尾根をたどって金昌寺に下りたい。
森林館の手前には多くのカメラマンが樹林に向かって三脚を構えていた。鳥の撮影だろう。森林館のの芝地も日当たりが良く、シートを広げ休憩しているグループがいた。

広葉樹の多い尾根道からは、秩父の街並みがずっと低いところに見える。ここから2時間の尾根歩きは大して眺めも良くなく単調さはあるが、山を歩いている実感に浸れる部分である。

杉の植林地をジグザグに下る。いつしか足元の雪も消えていた。マリア観音の安置されている金昌寺の境内の前を通って里道に下り、数分で県道に出る。5分ほど歩けば新木鉱泉があるので、温まっていこう。
ほのかなお香の香りがする秩父の山里からは、砕石面が雪で白くなった武甲山が大きかった。