~奥秩父の孤峰は遥か~
タイトル
わなぐらやま(2036m)、
にしごてんいわ(2075m)

2008年6月1日(日)~2日(月)

三ノ瀬-将監峠-和名倉山
-西御殿岩-三ノ瀬

マップ
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●360展望の岩峰へ
久しぶりにテントで一夜を明かした。今日は平日だが、将監小屋には数パーティーが宿泊していたようである。今日和名倉山に行く人もいる。
青空がなく白い太陽が時折り覗くのみ。テントをしまい出発する。今日は唐松尾山の東にある「西御殿岩」に行くだけだ。360度の展望が得られる岩峰である。

西御殿岩から
西御殿岩からは、和名倉山へ続く山稜の眺めがいい

以前唐松尾山に登ったときは西御殿岩の存在を知らず、頂上へ至る踏み跡を通り過ぎてしまっていた。将監峠からは1時間くらいで登れてしまうのだが標高は和名倉山より高い。

もう一度将監峠を越え、牛王院平でザックをデポする。西御殿岩を往復し、ここから七ツ石尾根を下る予定だ。
山の神土から今度は尾根伝いの縦走路を行く。シラビソの静かな樹林帯。ホトトギスやウグイス、カッコウなど、鳥のさえずりがあたりに響き渡る。
鳥の声と、そよと吹く風にゆらぐ木の葉の音、そして自分の足音以外、音を発するものはない。車のエンジン音など下界からの音のまったくない世界だ。
奥多摩や丹沢は山は深くでも標高が低い分、下界の音は聞こえてしまう。2000mを裕に越えた奥秩父には、「静寂」というここだけの魅力がある。


山の神土を今日は左

小さな標識

牛王院平

カエデのトンネル

2,3箇所ガレている場所があり、うちひとつは斜面が大きくえぐられ口をあけている。高巻きの踏み跡をたどって進む。やがて、笹の斜面に西御殿岩へのブリキの標識を見つける。小さくて笹がかぶっているため、注意していないと見過ごしそうだ。前回気づかなかったのも無理はない。
笹の中の踏み跡を伝い高度を上げていくと、シャクナゲの木が出てきた。やはりここもあまり咲いておらず花芽も少ない。
稜線に上がると岩場の登りとなる。鎖などはないが足場が豊富なので難しくはない。西御殿岩頂稜部へは一投足だった。
回りにはシャクナゲがある程度咲いている。そして全方位に広がる展望。空が白く富士山が雲の中なのは残念だが、大菩薩嶺から御坂の山々、唐松尾山、飛竜山、そして昨日歩いた和名倉山への稜線が手に取るように眺められる。
すぐ隣りに見えるのは「東」御殿岩だろうか。ここから踏み跡が伸びているようにも見えるが、かなり下ってしまいそうなのでやめる。

山の神土に戻って、今年初のテント山行もそろそろ終わりになる。牛王院平でザックを担いだとき、すぐ先になだらかなピークが目に入ったので行ってみる。
カヤトの防火帯になっていて日当たりがよく、飛竜山稜の三ツ山などの眺めがいい。こんないい場所が近くにあるとは知らなかった。
山名板があったので見てみたら「牛王院平」となっていた。分岐の所が牛王院平なのかと思っていたらピークのひとつだったのだ。今度この縦走路を歩くときは、ここを休憩場所にしたいところだ。


七ツ石尾根

七ツ石尾根を下る。道の両側に配置されたカラマツの緑が鮮やかだ。幹の部分には鹿の食害から樹皮を守るための防護ネットが張られている。昨年甲武信岳に行ったときに見たのと同様、今回も被害にあった樹木がかなりあった。
鹿そのものも何度も見たが、このあたりで見るのは当たり前になっているので、いちいち書かなくなってしまった。

広葉樹の尾根に移り、ひとしきりの急坂を下ると昨日登った林道に出た。20分ほど歩いて三ノ瀬に戻る。
駐車場に停まっているのは自分の車だけになっていた。鍵をかけ忘れていたのに気がつく。初めての車での一泊山行に舞い上がっていたのかもしれない。

来た道を下らず、笠取山登山口のある作場平橋のほうを走って下った。こちらのほうが道幅があり運転しやすい。笠取山には今後、車で来ることもあるだろう。
丹波山のめこい湯に寄り道して帰る。途中で雨模様になる。この日、関東地方の梅雨入りが発表された。


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