~奥秩父の核心、シャクナゲ満開の県境縦走~
タイトル

しんみくにとうげから じゅうもんじとうげ、こぶしだけ
2002.5.25.(土)~5.26.(日)

新三国峠-三国山-十文字山-十文字峠-
甲武信岳-戸渡尾根-西沢渓谷
マップ
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●十文字峠へ
尾根は岩っぽくなり、行く先に十文字山の丸っこい山頂部が大きく捉えられてくる。
その向こうには埼玉県の最高峰、三宝山(さんぽうさん)。これも丸いピークだ。甲武信岳は三宝山の向こうでその姿は隠されている。
十文字山
十文字山

十文字山に近づくにつれ、ようやくはっきりとした上りの道となる。シャクナゲの木はあいかわらず続くが、花は少なくなって行く。「ふわふわ新道」とおぼしき分岐を見送り、なおも登りをこなすと、周囲は奥秩父特有の深い原生林となっていく。苔の緑に混じってミヤマカタバミの白い花が目立つ。

十文字山の山頂(2072m)は、展望もなく薄暗いものの、静かで雰囲気のいい場所だ。ひんやりとして、汗をかいた体をゆっくりと休められる。ほっと落ち着くひとときである。
今日の行程は、あとは十文字小屋まで下って行くのみ。えらいことに気がつく。テントは持ってきたが、支柱となる伸縮ポールを忘れて来た。大ショック。しばらく呆然とする。十文字小屋に泊まるしかないが、このシャクナゲの季節で混みやしないだろうか。

しかしどちらにしても、背中にしょっているテント(本体のみ)とシュラフは、今回は無用の長物になってしまった。
そう思うといっそう、ザックの重さが肩に響く。

十文字峠までは、緩やかだがすべりやすい坂を下って行く。十文字小屋の周囲のシャクナゲは、今まで見たどれよりも赤々とした花を付けている。
十文字小屋
十文字小屋
十文字峠
十文字峠

小屋に入り素泊まりで申し込む。聞くと、今夜の宿泊予定者は30名と、それほどでもなかった。小屋の前にはテントが2,3張られている。
十文字峠
十文字峠

十文字峠(1957m)は展望に優れているわけでもないが、まるでここだけ時間がゆっくりと流れているようで、オアシスのような場所だ。小屋番さん(女性)もアットホームな雰囲気の人で、宿泊者は初対面でも、すぐに名前で呼んでくれる。常連客も多い。

十文字峠のシャクナゲは今のところ4分咲き程度か。しかし満開となっている木を見ると、花の咲き具合はどれも見事だ。見頃は今月末、咲き始めから2週間弱くらいであろう。

早めに床についたが、今回はヘッドランプも忘れて来たのに気づいた。夜中トイレに立った時、周囲は真っ暗なので、3段ベッドの一番上から下りるのが恐かった。
携帯電話を持っていたのでそのLCDを付けて暗闇を歩く。あの真っ暗な中では、携帯の明かりもけっこう使える。


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