~奥秩父の核心、シャクナゲ満開の県境縦走~ 2002.5.25.(土)~5.26.(日) 新三国峠-三国山-十文字山-十文字峠- 甲武信岳-戸渡尾根-西沢渓谷 |
新三国峠から十文字峠に至る「三国尾根」は、奥秩父を歩き始めてずっと気になる存在であった。 十文字峠のアズマシャクナゲも見てみたいので、開花の時期を狙って今回訪ねてみることにした。
新三国峠は長野県の川上村と埼玉県の秩父を結ぶ林道が通っているが、鉄道駅から直接のバス便がない。信濃川上駅から梓山までバスで行き、そこから2時間ほど舗装道路を歩くのはちょっと大変である。 しかも東京首都圏方面からだと、早朝出発でも歩き始めが11時近くなってしまう。東京周辺の山域としては最もアプローチの大変な、遠い山として残っていた。 今回は年に一度?の大奮発、信濃川上駅からタクシーで上がることにした。 (タクシー代7920円)
●三国山往復後、三国尾根を南下 小淵沢駅から小海線へ。高原列車の窓からは、青空の下、八ヶ岳の姿が目に鮮やかだ。この牧歌的な情景は、これから奥秩父の森閑とした山の中に入っていく雰囲気とはちょっとずれがある。奥秩父の山へはやはり、甲府や秩父側から入るのが気分的にもしっくり来る。 信濃川上駅でタクシーに乗ろうとしたが、駅前には常駐してはいなかった。タクシー会社に電話したら1時間待ちという。予約をいれておくべきであった。 新三国峠(1735m)に着いたのは、結局11時半になってしまった。ここから三国山を往復する。 取り付きがわかりにくいが、埼玉側にトイレがあり、その脇の笹道に入っていく。すぐ先に導標がある。「三国山」「御巣鷹山」とある。日航ジャンボ機が墜落したあの御巣鷹山、あそこまで尾根続きなのであろうか。
道はすぐに尾根に上がり、ミツバツツジの多い緩やかな道を上がって行く。回りの広葉樹は芽吹いたばかりで、明るい稜線である。 途中、眺めのいい岩場をいくつか経て、20分ほどで三国山山頂(1828m)。両神山、小川山、天狗山・男山などの奥秩父や西上州の山々が見渡せる。川上村の高原レタス畑も見える。 三国山は群馬、埼玉、長野の3県境の山で、今回の最終目的地である甲武信岳はやはり長野、埼玉、山梨の3県にまたがっている。3県境の山を1泊で縦走することになる。
新三国峠に戻り、デポしておいたザックを背負う。今日はテント泊の予定、ザックはずっしりと肩に響く。 新緑のカラマツを右に見ながら、ゆるやかな尾根を南下して行く。奥秩父主稜線の峰々がはるか先に見える。 このあたりは広葉樹の明るい道だ。 ものの20分もしないうちにシャクナゲの花を見れた。遠目には赤テープかなと思って近づいていくと花、というのはうれしい気分である。 やや急な坂を登って、展望のいい悪石(あくいし)のピーク(1850m)に着く。ミツバツツジの向こうに奥秩父の山並みが広がっている。山頂には昼寝をしている人がいる。
いったん下ったのち、なおもゆるやかな上り下りをこなしていく。くたびれるようなアップダウンでは無い。再びシャクナゲが目立ち始める。歩くにつれどんどん多くなっていく。 梓白岩は文字通り白い岩だ。ここから弁慶岩までの間が、一番シャクナゲが多い。特にいくつかある小ピークでは、日当たりがよいせいか、判で押したように満開である。 ピンク鮮やかなミツバツツジもあちこちで咲いていて、ほのかな紅色のシャクナゲといいコントラストを見せている。 |