~晩秋から初冬へ、展望満点の雲取~ 2007年11月24日(土)~25日(日)
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●北アルプス、上越の峰々を見ながら三峰へ 出来れば6時あたりまで寝ていたかったが、今日の避難小屋の住人は皆早起きでそうもいかない。4時半頃からもうコンビニ袋のガサガサ音がうるさく、寝ていられない。 避難小屋の場合は朝夕の行動は他の皆に合わせざるを得ない。それは仕方ないのだが、他人と共同生活する山小屋では、物入れとしてはコンビニ袋はあまり多用せず、音のあまり出ないスタッフバッグや透明なビニール袋を使うのがマナーだと思うのだが、どうだろうか。 夜はさほど寒さを感じなかった。朝から気持ちのいい快晴。御来光をしっかりと見て出発する。 三峰コースを下山路とするのは初めてだ。今日は日本海側も天気が回復したので、上越の峰々も見えるかもしれない。それを見るには北から西側の斜面を辿る道がいい。 日本海側が晴れた冬の日は、石尾根よりも三峰コースのほうが楽しみが多いと思われる。 避難小屋の前からは富士山や南アルプスの眺めはお約束で、雲取山頂上に来るとさらに浅間山、また和名倉山の後ろに真っ白の雪山のラインが横たわっている。北アルプスの稜線に間違いない。 [ 雲取山頂上から300mズームで撮影。和名倉山の後ろに白馬岳が見える ] 雲取山には今まで15回以上来ているが、北アルプスが見れたのは今回が初めてである。 冬の雲取山は、太平洋側の天気がいい冬型の気圧配置の時に登ることが多く、富士山や南アルプスの展望を満喫できるのだが、そういう時は上越や北アルプス方面の天候は悪い。今日のように全方位天気がいいのは珍しい。 原生林を下って雲取山荘に着く。玄関前の水場は凍結のため使えない。飛竜山方面の巻き道にある水場が使えるか、念のため山荘の人に聞いてみる。すると、あの水場は養生で泊まりに来た人のために特別に使うものであり、普段は利用できないと言う。以前、積雪のときに使ったことがあるので使えると思っていたのに、今回はあてが外れてしまった。 残っている500mlペットボトルの水だけで三峰コースを下ることになる。まあ暑い季節ではないので何とか持つだろう。
大ダワに下って、芋木ノドッケは巻いてもよかったのだが登ることにした。しかしこれががかなりの急登。以前長沢背稜を歩いたときのことはもう忘れていた。 いったん斜度が緩むが、さらにまた急登。振り返ると奥秩父の稜線を隔てて富士山が望めた。針葉樹の中、暗くてヒンヤリする芋木ノドッケ(1940m)頂上で少し休憩する。 芋木ノドッケから三峰コースへの下りは、踏み跡が薄い上に倒木があり、わかりにくい。ビニールテープを頼りにしながら斜面を下る。三峰コースに合流したところには、芋木ノドッケの埼玉県側の標識が立っていた。 緩く登って白岩山(1921m)、下りに入ると斜面には残雪がまだらに見られるが、登山道には残っていない。 白岩小屋の前に出ると小屋番さんがお湯を沸かしていた。小屋横の展望台からは、再び北アルプスや上越の真っ白い山が望める。特に鹿島槍ヶ岳の2つのピークがはっきりわかるのが印象的だ。また、手前の奥秩父の黒い山塊との対比も面白い。ここはいい展望台である。 小屋の前に戻ると鹿が何頭もやって来ていた。 北西側が開ける前白岩山(1776m)、大きな標識の立つ前白岩の肩を過ぎると、岩っぽい急降下に転じる。お清平までは結構な時間がかかった。 スズタケの茂る、冬枯れの明るい斜面をまた登る。三峰コースはアップダウンが多い。霧藻ヶ峰休憩所(1512m)には売店があり、ペットボトルが置いてあった。ちょっと高かったが、水がほとんどなくなっていたので買うことにした。 休憩所前からも北西の眺めがある。休憩所の店主?さんによると、上越の山の左手にあるのは草津白根山や横手山ということだ。また、正面に頭を出している白い山は八ヶ岳だそうだが本当だろうか。 休憩所から少し行った奥地蔵からはさらに展望がいい。三峯神社からここまで登ってくるのも冬季のいいハイキングコースになるだろう。 地蔵峠から先は、ようやく樹林とスズタケの穏やかな下りとなる。いつの間にか左手の和名倉山が見上げる位置にある。 妙法ヶ岳への分岐を見て、杉林の中、どんどん高度を下げる。三峰山の奥宮は妙法ヶ岳(1329m)で、今の時間からこの奥宮に登る人もけっこういる。 車のエンジン音が聞こえる。ほどなく広い駐車場が下に見えてきた。みやげ物屋の前を過ぎれば三峯神社である。 この先にある三峰ロープウェイは運行していない。残念ながら、老朽化のためこのほど廃止が決定した。先ほどの駐車場から出ている路線バスで下ることになる。 その前に興雲閣の日帰り温泉「神ノ湯」に入っていく。ここの温泉は山麓の「大滝温泉」と同じお湯を使っている。タオル付きで500円と安い。やはり神前だと営利目的一辺倒には出来ないのか。空いていてお湯もすごく良かった。 登山者と参拝者、紅葉狩りの行楽客とともに路線バスで下山する。 |