~初冬に登る大展望の高峰~
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2008年11月22日(土)~23日(日)
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●澄み切った大気の中を下る
11/23(日)金峯山小屋~金峰山~金峯山小屋~大日岩~鷹見岩展望台~瑞牆山荘  晴れ


白銀の南アルプスを望む [拡大]

翌朝、日の出を見にいったん金峰山頂上に上がってみる。しかし東の空に雲が多く、すっきりしたご来光は拝めず。富士山も赤くならなかった。
八ヶ岳の方角には大きな吊るし雲が出てきている。天候悪化の兆しだろうか。

不思議と寒さは感じない。もっとも厚手のフリースの上にジャンパーを重ね着した完全防寒態勢である。それでも15分も滞頂しているとさすがに冷えてきた。
小屋に下りると他の登山者はほとんど出払っていた。

下山は巻き道を使い、昨日歩いた稜線に戻る。廻目平への道も歩いてみたかったが車なのでピストンするしかない。
気持ちいい朝の大気に包まれてハイマツの稜線を歩く。雪を被った富士山には朝日が当たり、光と影のコントラストが見事だ。西には南アルプスの白峰三山が白く輝き、八ヶ岳は稜線部分に雲がまとわりついている。上空は昨日に比べて雲は出ているが、今日もすっきりした青空。

上空に吊るし雲
小川山の後ろに浅間山
鷹見岩から金峰山
冬枯れの登山道

朝早くから、稜線には多くの登山者が上がってくる。暗いうちから瑞牆山荘の登山口を出発してきた人たちだろうか。
一人の人に聞くと、昨日のうちに大日小屋横にテントを張り、今朝登ってきたという。大日小屋を宿泊地とする金峰山行も山頂泊の場合とは違った時間配分となり、味わいのある山旅が楽しめるだろう。

快適な稜線歩きは短く、もう砂払ノ頭まで下ってきてしまった。森林限界上の展望に、名残惜しいが別れを告げて樹林帯に潜る。
普段なら静けさに包まれる奥秩父の森も、この日は登山者が間断なく行き交う。
大日岩で小川山方面の分岐を少し行ってみたが、道がよくわからなかったので引き返す。道がはっきりしていれば、八丁平を経て富士見平に戻って来るコースも考えられたが、それはかなわなかった。

大日小屋まで下り、再び樹林帯へ。単純ピストンも芸がないので、途中の鷹見岩展望台に寄り道していく。縦走路から南方向への分岐道に入ると、やがてシャクナゲのトンネルとなる。そこそこ踏まれてはいる道で、倒木もあるがまずは問題なく歩ける。
そのまま高度を上げていくと頭上が開ける。大きな岩を梯子で登るとそこが鷹見岩展望台(2092m)だ。
足元が切れ落ちまさに展望絶景の地。富士山、南アルプス、八ヶ岳、瑞牆山と眺めがいい。そしてここからの展望のハイライトとしては東側、金峰山のアルペン的な稜線である。鷹見岩は金峰山のよい展望台でもある。

富士見平に戻り、瑞牆山荘への下りに入る。登山者がまだまだどんどん登ってくる。晩秋の奥秩父がこれほどの人気の山とは、今回認識を新たにした。
金峰山頂上からは下のほうに小さく見えていた瑞牆山も、今ここからはすでに見上げる位置にある。さらに高度を下げて、瑞牆山荘に駐車場に戻って来る。

帰りは増富の湯に立ち寄っていく。3種類の温度に温められたラジウム泉源泉がここのメインの温泉だ。
前回7年前に来たときはこの茶褐色のお湯は無かったので、それ以後増設されたのだろう。増富温泉にはやはりラジウム泉があってこその温泉だ。
ゆっくり浸かって東京への長い帰路の道に入る。


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