~早春の秩父を巡る~
練馬IC-[関越道]-花園IC-[国道140号、県道37,363号]-8:00石間福寿草・節分草自生地10:15-[県道37号]-10:40薬師堂駐車場-[鳥井山コース]-11:15鉄塔-11:50四阿屋山12:10-12:45山居広場-13:20薬師堂駐車場-[県道37号、国道140号]-花園IC-[関越道]-所沢IC 歩行時間:2時間20分 |
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薬師堂から少し上がった所の駐車場は未舗装で20台ほど置けるが、数台しか停まっていなかった。やはり福寿草だけが目当ての人は、この上の山居駐車場まで上がってしまうのだろう。 来た道を少し戻り「鳥井山コース」の入口から登り出す。前回の訪問からもう7年も経ってしまっている。 大正時代風の建物の展望台を過ぎ、植林の尾根に入る。緩急織り交ぜた登路は、途中けっこうきつい所もある。すぐ下に見下ろせた集落の家並みも、いつの間にか小さく見えるようになっていた。 樹林を通して両神山や二子山の特徴ある2つの突起が望める。 急登を経てようやく、社の建つ薬師堂コースとの合流点に着く。人がぐっと増え、その少し先の鎖場の登りは登山者が列をなしている。
この頂上直下の鎖場は前回同様、凍結していて慎重を期する。下山してくる人の中にはアイゼンをつけている人も多い。下山者の通過待ちに時間を取られるのも前回と同じ。 しかも道が狭く谷側は急激に切れ落ちているため、待っている間も気を緩められない。一人が滑り落ちたら、その周りの人たちをも巻き添えになってしまうような状況である。 前回登った大堤コースを合わせ、岩場を這い上がり四阿屋山の頂上に着く。 両神山や二子山がよく見え、左手には奥秩父の山並みが雪を抱いていて壮観だ。やっぱり登ってきてよかった。秩父に来たら観光だけでは帰れない。 さて下山は、福寿草の群生地を通る。しかしそれほど花が見られなく、石間と同じ程度である。 もっとも、帰宅後にインターネットで西秩父のサイトを見たところ、四阿屋山の福寿草は今が見頃と書かれている。この程度で見頃とされたら困ってしまうのだ。 前回7年前も4,5分咲きではあったが、今見ているよりはずっと多く咲いていた。あるいは広い敷地なので、自分の確認しなかった場所にたくさん咲いていたのかもしれない。 山居(さんきょ)広場に来るとさらに多くの人、そしてここはロウバイが見頃だ。正面に武甲山の雄姿にもあずかれ、お弁当を広げるのにいい草地である。 しかし今日のザックの中には、食べ物は入っていない。行程が短いので、下りて来てから車内で食事しようと思っていた。山に車で来ると、歩き始めた後でも行動がせかせかしてしまうような気がする。
植林帯のゆるい尾根を下る。すぐに駐車場が見えてくるが、これは山居駐車場で、自分が停めたところよりずっと上のほうにあるものだ。近くの大型駐車場には観光バスも停まっている。 寺沢の福寿草園地は笹がはびこっている。こんな荒れた雰囲気の場所に福寿草は咲くのだろうか。よく見ると園路の入り口が木の枝でふさがれ、入れないようになっている。 山居園地の福寿草は実は福寿海という園芸種で、この寺沢のほうが本当の自生株が咲いているという話を聞いた。 薬師堂への道を分けて花菖蒲園の方向に下る。キャンプ場の給水施設を見て駐車場に戻る。手前の橋には雪が残っていた。車に荷物を置き、暖かい日差しの下で食事をする。 帰路も同じく国道140号から花園ICを目指した。いつもなら電車やバスを待つ時間があり、周囲の空き地や駅舎で山里の雰囲気にのんびりと浸るのだが、今日はそういう機会はない。車だとそういったスローライフ的な行動がすべて省略されてしまう。今日は何か大事なことをやり忘れたような気がする。 山に登るという行為は、そこに至るまでのプロセス、あるいは下りてから今日の山を回想する時間も大切な要素である。車を使うことによって、そういう過程を楽しむ機会が奪われてしまっては意味がない。 今は車を使うことが楽しいのだが、コストの面からも毎回車というわけにいかない。電車やバスで行ける所はそれで行き、車でなければ行けないような山で利用するように、うまい具合に使い分けていきたいものである。 関越道は渋滞になっていた。日曜の夕方、スキー客が北陸方面からどっと戻ってくる時間である。のろのろはつらいので所沢で下りてしまった。五反田の自宅到着は6時を過ぎた。 |