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昨年3月の秩父・堂上に続き、今年も節分草自生地に足を運んだ。場所は栃木県星野村。 節分草を見たあとは、自生地の背後にある三峰山へ登った。あまり知られていない山だが、「新ハイキング」3月号に山行記が載っていたので、これをガイドとした。
山手線の一番電車で池袋、埼京線に乗換えて赤羽駅に着く。ここから東北本線(宇都宮線)、東武日光線と乗り継げば、栃木駅6:48発のバスに乗れるはずだった。 しかし、赤羽駅で宇都宮線が発車するのをボーッと眺め、次の高崎行きの列車に乗ってしまった。宇都宮線を高崎行きと勘違いしていた。結局栃木駅に7時7分着で、乗れたバスは7時30分発だった。 バスの乗客は自分1人。節分草が見頃なのに、不思議に思う。登山を始めるとついつい朝が早くなってしまう。節分草目当ての人は、もっと遅いバスで来るようだ。 バスに揺られて40分、星野遺跡入口に着く。山川と田畑に囲まれた静かな山村だ。節分草自生地の案内板に従い、左に折れる。赤・白・黄と色とりどりの梅の木がモノトーンの山裾に鮮やかだ。アブラチャンやロウバイ、マンサクが咲く節分草の自生地だ。 しかし、節分草はそれほどたくさん咲いておらず、何となくパッとしない。なんだこんなもんか。いくぶんガッカリしながら写真を撮り、一周してみる。
すると、奥のほうに「協力金300円」なる看板と休憩所がある。「ここから先は300円要りますが、どうですか」とそこの人に話しかけられた。 そうか、この先がたくさん咲いているのだな。お金を払い、節分草の絵葉書をもらう。少し奥に行くと、咲いてる咲いてる!さっきの所の比ではない。先に進むにつれどんどん多くなっていく。 一番奥の、ちょっと暗がりの場所は、一角がまさに節分草で敷き詰められているように見える。花びらのように見える純白のがく片がまぶしいくらいだ。カメラを構えた人も多い。 そういえば見物人の数も何時の間にか多くなっていた。「これはすごいや」誰もがそれぞれ感嘆の声を上げる。傍らには、植栽ではあるが福寿草も色を添えている。
隅っこに腰を下ろし、白い春の使者をロープ柵越しに撮影する。今日はローアングルの三脚とアングルファインダーを持って来た。地面すれすれに咲く山野草を撮るのに都合がいい。無理な姿勢になることもなく、じっくりと構えられる。 天気が回復し青空が見えてきた。気温も上がり春の空気がいっぱい漂う。同時に黄色い花粉も飛び交う。背後の三峰山は杉林の山。杉木立が風にあおられ、黄色い粉が飛び散っているのが良く分かる。 重度の花粉症の人は凍りついてしまう光景であろう。自分も今年は少し花粉症気味なので、わざわざこんな山に登らないでも、という思いがよぎる。 しかしやはり、せっかくだから登ろう。杉林の内側に入ってしまえば飛び交う花粉の量も少ないはずだ。 |