2016年6月18日(土) | |||
◇ | 練馬IC | 5:20 | |
関越自動車道 | |||
◇ | 沼田IC | 6:45 | |
国道120号 | |||
7:50 | 菅沼登山口 | 8:15 | |
10:00 | 弥陀ヶ池 | 10:15 | |
10:40 | 五色沼 | ◇ | |
11:00 | 五色沼避難小屋 | 11:30 | |
12:25 | 奥白根山 | 12:50 | |
13:40 | 弥陀ヶ池 | ◇ | |
14:00 | 五色沼 | ◇ | |
14:20 | 水場 | 14:35 | |
15:00 | 五色沼避難小屋(泊) | ◇ | |
2016年6月19日(日) | |||
4:25 | 五色沼避難小屋 | ◇ | |
4:40 | 白錫尾根分岐 | ◇ | |
5:10 | 白根隠山 | 5:20 | |
5:55 | 白檜岳 | 6:05 | |
10分休 | |||
6:40 | 2296m | ◇ | |
7:05 | 錫の水場 | 7:10 | |
8:10 | 錫ヶ岳 | 8:30 | |
9:05 | 錫の水場 | 9:10 | |
9:40 | 2296m | 9:45 | |
10:20 | 白檜岳 | 10:25 | |
10:50 | 白根隠山 | 11:05 | |
11:30 | 白錫尾根分岐 | ◇ | |
11:45 | 五色沼避難小屋 | 12:05 | |
12:15 | 五色沼 | ◇ | |
12:45 | 弥陀ヶ池 | 12:50 | |
14:10 | 菅沼登山口 | 14:40 | |
国道120号 白根温泉立寄り |
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17:10 | 沼田IC | ◇ | |
関越自動車道 | |||
20:10 | 練馬IC | ◇ |
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日本百名山を全部登りきるつもりはないが、関東百山はもう残りひと桁になったので、完登しておきたい。
比較的登りやすい山の多い関東百山で、最大の難物がこの錫ヶ岳(すずがたけ)である。沢や岩場があるわけではなく、百山の中で唯一、一般登山道のない山ということになる。
奥日光と足尾の山域にまたがるこの秘峰には、足尾側からのバリエーションルートや丸沼高原から沢筋を詰めていくルートもあるが、通常は日光白根山(奥白根山)の外輪山を形成する白錫尾根を辿るのが一般的なようだ。
菅沼から日帰り往復の記録も多い。ただ自分にはそんな元気はないので、五色沼避難小屋に泊まって翌日に稜線を往復する。
賑わう奥白根山の登山道 |
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土曜の朝、暗いうちに五反田の家を出る。高速はスムーズに流れていた。沼田ICからは、大河ドラマの舞台となった沼田の城下町を抜け、山に入っていく。
菅沼登山口の有料駐車場で料金をで1000円払うが、ほぼ満車で入口にしか停められなかった。これなら周辺の路肩スペースに停めてしまってもあまり変わりないがもう後の祭り。
今日は朝からすっきりとした快晴の天気で、奥白根山を目指す登山者が早い時間から大挙詰めかけていたようだ。千葉県の高校の名前が書かれた貸切バスが何台も停まっている。おそらく学校登山だろう。
一泊装備のザックを背負い出発する。ここはすでに標高1700mを越えており、周囲の樹林帯もまだ瑞々しい新緑で明るい。
山道に入り、ジグザグの登りが続く。はじめのうち聞こえていたエゾハルゼミの声は高度を上げるに従い小さくなり、やがて野鳥の声がこだまする深い森の道となった。以前秋に登った時、紅葉が綺麗だったのを思い出す。
小さな平坦地を過ぎ、シラビソなどの針葉樹が混ざってくると岩交じりの急登となって、重い荷物持ちにはなかなか辛い行程となる。樹林の切れ間から緑の山の稜線が覗く。
やがて菅沼から2km、弥陀ヶ池まで0.9kmと書かれた指導標を見る。意外とまだかなり距離があると感じる。しかしその先は緩やかな道になって歩みがはかどる。ミツバオウレン、コミヤマカタバミなど白系の花が目立つ。スミレも白いものを見かける。これはウスバスミレらしい。
前方が明るくなると木道に変わり、バイケイソウの敷き詰められた斜面、その先が弥陀ヶ池だった。静かな佇まいとは対照的に、屹立する奥白根山が大きく威圧的だ。木道の周りにはシロバナヘビイチゴ、ヒメイチゲのこれまた白い花が咲き競っている。
座禅山の斜面には電気柵が設置され、鹿による食害対策が講じられている。柵の向こうはシラネアオイが保護されているようだが、一輪咲いているのみだった。ただこれは電気柵の効果がないわけではなく、単に開花時期がまだ先だからのようだ。今年は各地の山で花の開花が早かったが、ここ奥白根山はそれほどでもないようだ。
池のほとりにびっこをひいた鹿がいた。この先五色沼まで、鹿を何頭も見た。その五色沼へは樹林帯を交えてかなり下ることになる。沼の近くに出ると当たりが大きく開け、周囲はまばゆいほどの新緑の山になっていた。
沼の水の色も太陽光を受けて様々な色に変化する。秋も紅葉がきれいだったが、春から初夏の景観も素晴らしい。ただし足元にはひそやかに咲くコイワカガミやハクサンチドリ以外、花はほとんど見られず、ただライトグリーンの森が広がっている。
五色沼には、高校生の団体ほか、たくさんの登山者が休憩していて、一見すると富士五湖など観光地の湖のような賑わいである。高校生の列に混じって樹林帯に入り緩やかに登っていく。またしても鹿が草をついばんでいた。
五色沼避難小屋に到着。中に、高校生が体調不良で2人、休んでいた。一人は高山病のような症状、もう一人は聞いたらヘルニアということだ。二人とも相当つらそうである。それにしても、引率の先生はこの二人を置いて、奥白根山へ登っていってしまったのだろうか。今日び高校の先生と生徒の関係なんていうのは、こんなものなのだろうか。
二人の横で、自分は荷物を広げ、寝床を作る。今夜この小屋を利用する人は、自分が最初の到着者だったようだ。
さて、落ち着いたところで、やはり奥白根山には登っておこうと考える。明日の錫ヶ岳のために体力は温存しておきたいと思い、今日はおとなしくしている予定だった。だがこんないい天気で小屋にこもっているのはもったいない。支度をして出発する。
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前回下った道が今回の登路である。樹林帯を登っていくとやがて見通しがよくなり、ザレ場の登りとなる。
前後して登山者が非常に多い。高校生の団体は2つあるようで、○○登山部などというゼッケンをつけている若者が大挙、下山してくる。
ジグザグの登りはきついが、背後に男体山や女峰山などの展望が広がり、五色沼のきれいな水面も見下ろせる。明日歩く予定の白錫尾根は目の前に伸びている稜線か。
下ってくる若い登山者の中には、足任せに駆け下りてくる輩もいて、勢い余って石を蹴り落としてくるのはちょっとひどい。浮石が多い道なので落石が恐いのだ。またそうでなくても、下り方が下手で落石してしまう人もいる。今日の奥白根山には山を歩き慣れていない人が多いようで、日本百名山はある程度はしようがないことで、自分の身は自分で守るべし、という社会生活の掟を持ち込まないといけないのかもしれない。
岩屑の登山道はやがて斜度を失い、お鉢の縁に到達する。縁の周りも、お鉢の底も休憩する多くの登山者で溢れている。久しぶりに「混雑する」山に来た。外国人も多い。どうして外国人はみな半袖、短パンなのだろう。
時計回りに歩き、社を過ぎていったん下り、岩を掴みながら最後のひと登りで奥白根山山頂に着いた。さすが2500mを超える山頂、周囲は山また山で、建物などの人工物が見えない。ただ山頂付近は移動するのもおっくうになるような混みようである。人で溢れかえる火口跡付近を見下ろすと富士山に登ったときの様子を思い出した。
弥陀ヶ池に下り、避難小屋から一周するコースをとることにする。下り口がわからず、いったんお鉢の方へ戻ってしまった。山頂部に登り直して、反対側の弥陀ヶ池への道を見出す。
弥陀ヶ池や五色沼を見下ろすアルペン的な岩尾根がしばらく続く。遠くに見える二つのコブを持つのは二岐山だろうか。
お昼を過ぎたがまだどんどん登ってくる。岩場の細道で通過待ちが何度もあって、思った以上に時間がかかっている。本当に人気のある山である。
おりしも今日は、麓では35度の猛暑日が予想されており、低い山を避けてここに来た人も多いのだろう。たしかに2500mの山頂でも、今日はそれほど肌寒さは感じず、日差しギラギラの地であった。
低潅木帯に入り、ほどなくロープウェイへの分岐のある鞍部に着く。弥陀ヶ池までは両側に柵のある石ゴロの下りとなる。また団体がどっと登ってきた。長い通過待ちを経て弥陀ヶ池へ、今日2度目の到着である。
再び五色沼への下り。ここは明日の帰りにはきつい登り返しになりそうだ。五色沼を半周して、今度は水場の表示に従って更に湖畔をいく。水場は前白根山へ登る破線ルートの途中にあった。
道は荒れている。ここの水の流れは細く、すぐ手前まで近づかないと水の音は聞こえない。避難小屋で同宿した人は、近くまで来たものの水の音が聞こえないのであきらめて引き返したそうである。
水場の上部から一人、降りてきた。前白根山まで登ろうとしたが、道がわからなくてこちらも引き返してきたとのこと。登山口から五色沼までは整備されたハイキング道であり、この破線ルートで初めて登山道らしい道になるので、山を歩き慣れていない人は面食らうのだろう。五色山や前白根山の外輪山には、一般にはもっと違うルートから取り付いたほうがいいと思われる。
15分かけて4リットルの水を汲み、避難小屋へ戻る。薄暗くなってから5名の登山者がやってきて、この日の宿泊者は全部で10名になった。